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1.12月10日~11日、インドネシアのバリ島において、「バリ民主主義フォーラム(BDF:Bali Democracy Forum)」を設立するための閣僚会合が開催され、我が国からは高村正彦前外務大臣が総理特使として出席した。バリ民主主義フォーラムは、民主主義の定着が進み、国際場裡での存在感を向上させているインドネシアが、アジア地域で民主主義を普及・定着させることを目的とし、ハッサン(Dr. N. Hassan Wirajuda)・インドネシア外相が長年温めていた構想を実現に移したものである。
2.本フォーラムは、民主主義を統治のための「道具」として、アジア太平洋地域等の諸国において民主化移行を進める上で必要な実際的な事柄について「技術協力」的な議論を行うことを趣旨としている。本件フォーラムの参加はアジア地域諸国に開放されており、今回の閣僚会合には、ラッド豪首相、ハッサン・ボルキア・ブルネイ国王、グスマン・東ティモール首相をはじめアジア地域等の各国の外相や政府代表など32カ国が出席したほか、米国、英国、カナダ等8カ国がオブザーバーとして参加した。
3.我が国は、民主主義の普及・定着という本フォーラムの目的、及び、国際社会の諸課題に対して共通の価値観に基づき対処できるパートナーであるインドネシアとの関係強化の重要性にかんがみ、本件閣僚会合に総理特使を派遣した。
4.閣僚会合における10日のオープニング・セッションではユドヨノ(Dr. H. Susilo Bambang Yudhoyono)・同国大統領及びラッド(The Hon. Mr. Kevin Rudd)豪州首相が共同議長を務めた。ユドヨノ大統領、ハッサン外相、及び各国首脳のスピーチに続き、高村総理特使からスピーチを行い、本フォーラムが民主主義といった普遍的価値の普及を目指すことからインドネシアのイニシアティブを高く評価する旨、及び民主主義に関する我が国の経験に触れ、各国に対する我が国の民主化・市場経済支援、法制度整備支援等を今後も引き続き推進する旨述べた。(スピーチはこちら 日本語、英語)
5.閣僚会合における第2セッションにおいては、「民主主義の構築と定着」、「民主主義の経験とベストプラクティス共有の優先分野」等について討論され、11日の最終セッションでは、「本フォーラムの将来の方向性」が討論された。本フォーラム終了後、今回の閣僚会議の議論で触れられた内容や本フォーラムの目的及び原則等について取りまとめた議長声明(骨子はこちら)が発出された。今後、本フォーラムの下で専門家、研究者も交えたワークショップが定期的に開催される予定である。
6.このほか、高村特使は、ユドヨノ大統領と二国間会談を行い、本フォーラムの成功裡の開催に祝辞を述べるとともに麻生総理の親書を手渡した。これに対して、ユドヨノ大統領より、高村特使のスピーチに感銘を受けた旨、また本フォーラムの支援に対する総理の言葉に感謝するとの発言があった。