ガーナ共和国

基礎データ

令和6年10月1日
ガーナ共和国国旗

一般事情

1 面積

238,537平方キロメートル(日本の約3分の2)

2 人口

約3,412万人(2023年:世銀)

3 首都

アクラ (Accra)

4 民族

アカン、ガ、エベ、ダゴンバ、マンプルシ他

5 言語

英語(公用語)、各民族語

6 宗教

国民の約70%がキリスト教徒、イスラム教約17%、その他伝統的宗教等

7 国祭日

3月6日(独立記念日)

8 略史

年月 略史
11世紀頃 北方からの移民が定住を始める
13世紀頃 小国家群が形成される
1471年 ポルトガル人がエルミナに上陸
17世紀 アシャンティ王国の成立
1821年 英領ゴールド・コーストが設置される
1823年~1831年 第一次英アシャンティ戦争
1901年 アシャンティ王国が英領ゴールド・コーストに併合される
1957年3月 英国から独立(初代首相エンクルマ)
1960年7月 共和制に移行。エンクルマが初代大統領に就任。
1966年2月 軍・警察によるクーデター(エンクルマ追放)
1969年10月 文民政権発足
1972年1月 軍部クーデター、アチャンポン将軍政権
1979年6月 ローリングス空軍大尉による軍事クーデター
1979年9月 民政移管、リマン大統領就任
1981年12月 ローリングス元空軍大尉による軍事クーデター
1992年11月 大統領選挙(ローリングス大統領選出)
1993年1月 民政移管、ローリングス大統領就任
1996年12月 大統領選挙(ローリングス大統領再選)、議会選挙
2000年12月 大統領選挙(クフォー大統領選出)、議会選挙
2004年12月 大統領選挙(クフォー大統領再選)、議会選挙
2009年12月 大統領選挙(ミルズ大統領選出)、議会選挙
2012年7月 ミルズ大統領逝去、マハマ副大統領が大統領に就任
2012年12月 大統領選挙(マハマ大統領選出)、議会選挙
2016年12月 大統領選挙(アクフォ=アド大統領選出)、議会選挙
2020年12月 大統領選挙(アクフォ=アド大統領再選)、議会選挙

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド(Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)大統領(2021年1月就任(2期目)、任期4年)

3 議会

一院制(定数275、任期4年)

4 政府

  • (1)副大統領 マハムドゥ・バウミア(Mahamudu Bawumia
  • (2)外務・地域統合大臣 シェリ・アヨコー・ボチュウェイ(Shirley Ayorkor Botchwey

5 内政

 1957年の独立から1981年のローリングス政権発足までの25年間に4回のクーデターを含め、頻繁に政権交代が繰り返された。1990年代に入って民主化が進み1992年、1996年に複数政党制の下で平和裡に大統領選挙が行われ、ローリングス大統領の指導の下で長期にわたる政治的安定を享受した。
 ローリングス大統領は憲法の三選禁止規定を遵守し、2000年12月の大統領選挙には出馬せず、新愛国党(NPP)のクフォー候補が選出され、翌2001年1月に正式に大統領に就任した。これによりガーナの歴史上初めて、選挙による与野党間の政権交代が平和裡に実現した形となった。2008年、国家民主会議(NDC)のミルズ大統領が選出されたが、2012年7月、同大統領が逝去したことを受け、憲法の規定に従い、マハマ副大統領が大統領に就任した。2012年12月、大統領選挙が行われ、マハマ大統領が当選した。
 2016年12月、大統領選挙が行われ、NPPのアクフォ=アド候補(元外相)が当選し、平和裏に政権交代が行われた。
 2020年12月、大統領選挙が実施された結果、NPPのアクフォ=アド大統領が再選され、2021年1月から2期目を務めている。

外交・国防

1 外交基本方針

 非同盟中立を基調に、近隣諸国との関係を重視する一方、日本を始め、英、米、仏等先進国との関係を強化している。特に、アフリカ連合(AU)及び西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の主要メンバー(2014年及び2020年-2022年にはECOWAS議長国、2007年にはAU議長国)としてアフリカ地域全体の平和と安定にも積極的に貢献している。

2 軍事力(ミリタリーバランス 2024年版)

  • (1)予算 3.35億ドル(2024年)
  • (2)兵役 志願制
  • (3)兵力 19,000人(陸軍15,000人、海軍2,000人、空軍2,000人)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

農業(カカオ豆)、鉱業(貴金属、非鉄金属、石油)

2 GDP

763.70億米ドル(2023年:世銀)

3 一人当たりGNI

2,340米ドル(2023年:世銀)

4 経済成長率(実質)

2.9%(2023年:世銀)

5 物価上昇率

38.1%(2023年:世銀(CPI))

6 失業率

3.1%(2023年:世銀 ILO基準(推定値))

7 総貿易額(2023年:ITC)

  • (1)輸出 約168.747億ドル
  • (2)輸入 約163.944億ドル

8 主要貿易品目(2023年:ITC)

  • (1)輸出 金、石油、カカオ豆、マンガン鉱石等
  • (2)輸入 石油、原子炉関連機械等、輸送機器・自動車類

9 主要貿易相手国(2023:ITC)

  • (1)輸出 スイス、南ア、UAE、中国、インド
  • (2)輸入 中国、オランダ、インド、露、米国

10 通貨

ガーナセディ

11 為替レート

1ドル=11.65ガーナセディ(2023年平均(推定値):FOCUS ECONOMICS

12 経済概況

 ガーナ経済は農業・鉱業等に依存する典型的な一次産品依存型であり、主要輸出品も金、石油、カカオ豆が上位を占めており、国際市況及び天候の影響を受けやすい。主要産業の農業は国内総生産(GDP)の約20%、雇用の約半数を占める。
 1957年に英国より独立した後、大規模インフラ案件の整備により開発への足がかりを築くが、1970年代後半から1980年代前半にかけて経済的困難に直面。1983年から世銀主導の構造調整に取り組み、1980年代後半から平均5%のGDP成長率を維持し、アフリカの「優等生」と評された。
 しかし、1990年代の金やカカオの国際価格の低迷や原油の輸入価格高騰等により経済が悪化し、2001年誕生のクフォー政権は、同年3月、拡大重債務貧困国(HIPC)イニシアティブ適用による債務救済を申請し、緊縮財政を基本とした経済改革を行った。2009年発足のミルズ政権下では、インフレ率の低下や為替レートの安定などマクロ経済指標の改善がみられたが、多額の債務をマハマ政権に引き継ぐことになった。
 2012年に発足したマハマ政権は、2015年4月、国際通貨基金(IMF)の支援プログラムを受け入れ、緊縮財政に取り組んでいたが、選挙による支出拡大により財政悪化を招いた。
 2017年に発足した第1次アクフォ=アド政権は財政健全化を課題としつつ、各種構造改革、民間セクターの投資誘致を通じた産業育成、雇用の創出を最優先に取り組んだ。
 2021年発足の第2次アクフォ=アド政権は第1次政権時の経済政策を踏襲するものと見られるが、新型コロナウイルスの世界的流行によるガーナ経済への影響を緩和し、若者を含む国民の雇用・生活水準を向上させることが喫緊の課題となっている。
 近年の大きな動きとしては、2010年12月に開始された石油の商業生産が挙げられ、石油収入を含めた2011年の経済成長率は15%を記録した。また、2010年11月に適用されたGDP新算出法を基に計算した2019年の1人当たりGNIは1,190米ドルとなり、世銀の分類で中所得国となった。

経済協力(単位 億円)

1 日本の援助実績(億円)(2022年までの累積)

  • (1)円借款(借款契約ベース) 1,363.30
  • (2)無償資金協力(交換公文ベース) 1,343.97
  • (3)技術協力(JICA経費実績ベース) 671.93

2 主要援助国(2021年)(百万ドル、支出純額)(OECD/DAC)

  • (1)ドイツ(267.95)
  • (2)米国(242.39)
  • (3)フランス(77.32)
  • (4)カナダ(52.71)
  • (5)韓国(42.70)

二国間関係

1 政治関係

 1957年3月、日本はガーナ独立と同時に同国を承認した。1959年3月、日本は在ガーナ大使館を開設した。ガーナは、1960年5月に東京に大使館を開設した。

2 経済関係

(1)対日貿易
(ア)貿易額(2023年)(日本財務省貿易統計)
対日輸出 約198.16億円
対日輸入 約142.14億円
(イ)主要品目
対日輸出 カカオ豆、アルミニウム及び同合金等
対日輸入 自動車、タイヤ等ゴム製品、人工繊維、建設用・鉱山用機械等
(2)進出日本企業 47社(2023年10月)

3 文化関係

 15年以上の歴史を持つガーナよさこい祭りは毎年恒例のイベント。その他、柔道大会、空手大会、日本映画祭等の開催等の現地我が方大使館の広報活動等により、同国での対日関心は高い。

4 在留邦人数

298人(2023年10月現在)

5 在日当該国人数

2,857人(2023年12月現在)

6 要人往来(肩書きは、いずれも当時)

(1)往(1987年以降)
年月 要人名
1987年まで 木村俊夫外務大臣、愛知和男外務政務次官、浜野剛外務政務次官
1988年8月 日・ガ友好協会ミッション(団長愛知和男議員)
1991年7月 国際人口問題議員懇談会視察(団長鹿野道彦議員)
1992年2月 自民党経協特別委員会ODA視察団(団長杉浦正健議員)
1993年1月 谷川寛三特派大使(大統領就任式典参列)
1993年5月 高円宮憲仁親王同妃両殿下(公式訪問)
1993年8月 日・ガ友好協会ミッション(団長愛知議員)
1999年5月 橋本龍太郎外交最高顧問夫妻
2001年1月 浦部和好内閣官房副長官補
2001年8月 武藤嘉文元外務大臣
2003年7月 紺野美佐子UNDP親善大使
2004年1月 田中和徳外務大臣政務官
2005年12月 日・AU議連西部アフリカ訪問団
2006年5月 小泉純一郎内閣総理大臣
2007年3月 杉浦正健特派大使(ガーナ独立50周年式典出席)
2008年4月 中山泰秀外務大臣政務官(UNCTAD第12回総会)
2008年9月 御法川信英外務大臣政務官(アクラ・ハイレベルフォーラム)
2008年9月 貿易投資促進官民合同ミッション(西村康稔外務大臣政務官)
2009年1月 小泉純一郎特派大使(大統領就任式典出席)
2010年3月 皇太子殿下
2013年2月 阿部俊子外務大臣政務官
2013年8月 阿部俊子外務大臣政務官
逢沢一郎日・AU議連会長他
2014年7月 東郷哲也衆議院議員(日AU議連)
2016年5月 河井克行内閣総理大臣補佐官
2017年1月 坂井学総理特使(日・ガーナ友好議連会長、大統領就任式典出席)
2017年5月 日・ガーナ官民インフラ会議(末松信介国土交通副大臣)
2018年5月 薗浦健太郎内閣総理大臣補佐官
2018年9月 牧原秀樹厚生労働副大臣
2019年6月 大塚高司国土交通副大臣(第2回日・ガーナ官民インフラ会議)
2020年1月 日・ガーナ友好議員連盟(衆議院正式派遣:坂井学議員(議連会長)、武村展英議員(同幹事)、三谷英弘議員(同事務局長)
2023年5月 岸田文雄内閣総理大臣
2024年1月 深澤陽一外務大臣政務官
(2)来(1989年以降)
年月 要人名
1989年2月 ローリングス議長(大喪の礼)
1989年6月 ドンコー運輸・通信長官
1989年7月 チャチュ・チカタ議長顧問
1990年11月 コジョ・チカタ副議長(即位の礼)
1991年1月 ボアテン動員・社会福祉長官
1993年10月 ローリングス大統領、ボッチウェイ大蔵・経済企画相、アダム農業相、トトビ=クワチ情報相(第1回アフリカ開発会議(TICAD I))
1994年2月 ガーナ議会訪日団(団長チャンバス第一副議長)ボッチウェイ大蔵・経済企画相
1994年3月 グラント国家評議会委員
1997年12月 ローリングス大統領夫妻(公式実務訪問)、ベホ外相、アドウ東部州相
1998年10月 ローリングス大統領夫妻、ベホ外相(TICAD II)
1999年7月 ガーブラ教育相
1999年9月 サリア道路・運輸相
2000年6月 ローリングス大統領夫妻、ベホ外相
2000年9月 ペプラ大蔵相
2001年5月 ローリングス前大統領(OBサミット)
2001年6月 メンサ国会担当相
オサフォ=マーフォ大蔵相
イドゥリス外務副大臣
2001年10月 メンサ国会担当相
2001年12月 メンサ上級相(TICAD閣僚レベル会合)
2002年10月 クフォー大統領夫妻(公式実務訪問)
2003年9月 クフォー大統領、アクフォ・アドウ外相他(TICAD III)
2004年6月 オセイ=アジェイ外務副大臣
2005年6月 チェレマテン通商産業相(愛知万博)
2006年11月 クフォー大統領
2008年1月 ベコー国家評議会議長
2008年3月 アスマ漁業相
2008年5月 クフォー大統領(TICAD IV)
2008年7月 クフォー大統領(北海道洞爺湖サミット)
2010年10月 ミルズ大統領
2011年6月 チレ保健相(MDGsフォローアップ会合)
2011年10月 アイテー環境・科学技相
2013年6月 マハマ大統領、テテ外相他(TICAD V)
2013年11月 ブア・エネルギー石油相
2013年12月 アイテー保健相(保健政策閣僚級会合)
2014年11月 アジェマン教育相(持続可能な開発のための教育に関するユネスコ世界会議)
2015年3月 アミッサー・アーサー副大統領(第3回国連防災世界会議)
2016年5月 マハマ大統領
2017年7月 アジマン=メーヌ保健相(アクフォ=アド大統領特使)
2017年12月 アモアコ=アタ道路・高速道相
2018年2月~3月 アジャコ・エネルギー相
2018年3月 アチャンポン・ガーナ日友好議員連盟会長,アモアコ=アタ道路・高速道相
2018年4月 オフォリ=アタ財務相、アモアコ=アタ道路・高速道相
2018年6月 クウェ漁業水産業相
2018年10月 ボチュウェイ外務・地域統合相(TICAD閣僚会合)
2018年12月 アクフォ=アド大統領(公式訪問)
ボチュウェイ外務・地域統合相(随行)
2019年8月 アクフォ=アド大統領(TICAD7)
アジマン=メーヌ保健相(随行)
2019年10月 レベッカ・アクフォ=アド大統領夫人(即位の礼)
チャールズ・オウィレドゥ外務・地域統合副大臣(随行)
2022年6月 アワール観光・芸術・文化相
アモアコ=アタ道路・高速道相
2024年8月 ボチュウェイ外務・地域統合相(TICAD閣僚会合)

7 二国間条約・取極

  • 1962年9月 経済技術協力協定
  • 1977年2月 青年協力隊派遣取極
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