ガンビア共和国
ガンビア共和国(Republic of The Gambia)
基礎データ
一般事情
1 面積
11,300平方キロメートル(ほぼ秋田県の面積)
2 人口
約277万人(2023年:世銀)
3 首都
バンジュール(Banjul)
4 民族
マンディンゴ、フラ、ウォロフ、ジョラ、セラフリ等
5 言語
英語(公用語)、マンディンゴ語、ウォロフ語、フラ語等
6 宗教
イスラム教(90%)、キリスト教・伝統宗教(10%)
7 国祭日
2月18日(独立記念日)
8 略史
年月 | 略史 |
---|---|
13~15世紀 | マリ帝国に属する |
15世紀 | ポルトガルが進出 |
16世紀 | 英国が進出。奴隷貿易でフランスと争う |
1765年 | セネガンビア英国植民地の一部となる |
1783年 | セネガンビアの大半がフランス領となる |
1820年 | 英国がガンビア川を保護領とする |
1886年 | 英国の植民地となりフランス領セネガルとの国境確定(英領ガンビアの対仏割譲交渉は失敗) |
1965年2月 | 英国より独立 |
1970年4月 | 「ガンビア共和国」となる。ジャワラ大統領就任 |
1981年7月 | クーデター未遂 |
1982年2月 | 隣国セネガルとの間にセネガンビア国家連合設立 |
1987年3月 | 大統領選挙、ジャワラ大統領再選 |
1989年9月 | セネガンビア国家連合解体 |
1992年4月 | 大統領選挙、ジャワラ大統領再選 |
1994年7月 | 軍事クーデター発生(ジャワラ大統領英国へ亡命) |
1994年11月 | 準将校によるクーデター未遂 |
1995年1月 | サバリー副大統領、サデイブー内相によるクーデター未遂 |
1996年8月 | 改正憲法国民投票 |
1996年9月 | 大統領選挙、ジャメ大統領就任 |
1997年1月 | 国民議会選挙 |
2001年10月 | 大統領選挙、ジャメ大統領再選 |
2002年1月 | 国民議会選挙 |
2006年3月 | チャン軍参謀総長によるクーデター未遂 |
2006年9月 | 大統領選挙、ジャメ大統領3選 |
2007年1月 | 国民議会選挙 |
2011年11月 | 大統領選挙、ジャメ大統領4選 |
2012年3月 | 国民議会選挙 |
2014年12月 | サネ元国軍中佐によるクーデター未遂 |
2015年12月 | 国名を「ガンビア・イスラム共和国」に変更 |
2016年12月 | 大統領選挙 |
2017年1月 | バロウ大統領就任 |
2017年2月 | 国名を「ガンビア共和国」に変更 |
2017年4月 | 国民議会選挙 |
2022年12月 | 大統領選挙 |
2022年1月 | バロウ大統領再任 |
2022年4月 | 国民議会選挙 |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
アダマ・バロウ大統領(Adama Barrow)
3 議会
国民議会(53議席、任期5年)
4 政府
- (1)首相 首相職なし
- (2)外相 ママドゥ・タンガラ(Mamadou TANGARA)
5 内政
1994年7月、ジャメ中尉を中心とするガンビア兵は、1970年に共和制への移行以来安定した内政により長期政権を維持してきたジャワラ大統領(当時)を無血クーデターで追放し、軍事政権を樹立、同中尉が大統領に就任した。新政権による2年間の民主化移行期間を経て、1996年9月の大統領選挙の実施によりジャメ候補が当選、さらに、1997年1月に国民議会選挙が実施され、国民議会の召集により民政移管を完了し、国際社会との関係を改善した。
2016年12月に行われた大統領選挙において、野党統一候補のアダマ・バロウ氏が新大統領に選出された。ジャメ大統領は当初、敗北した結果を受け入れると表明したが、同年12月9日に一転して選挙のやり直しを求め、バロウ新大統領への政権移行を拒否したため、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)加盟国及びモーリタニアを中心に首脳レベルの調停が行われた。ジャメ大統領の任期が終了した2017年1月19日、バロウ氏は、滞在中の駐セネガル・ガンビア大使館において大統領就任式を行った。同年1月21日、ジャメ大統領は調停を受け入れ、ガンビアを出国した。同年1月26日、バロウ大統領がガンビアに帰国。
2020年1月、バロウ大統領は自身が過去に所属していた統一民主党(UDP)との関係悪化を背景として、新しく国民党(NPP)を立ち上げた。
2021年12月の大統領選挙の結果、2022年1月に現職バロウ大統領が再選し就任した。
2022年4月、国民議会選挙が平和裡に行われ、バロウ大統領率いる国民党(NPP)が第一党となり、政権基盤を盤石なものとした。
外交・国防
1 外交基本方針
近隣諸国との友好関係の維持に努めるとともに、イスラム諸国圏との緊密なつながりを構築している。1994年の軍事クーデター発生以降、西側諸国より新規援助停止を含む厳しい措置をとられてきたが、1996年以降民主化プロセスの進展に伴い1990年代後半に援助は再開された。
2005年後半には隣国セネガルとの関係が一時悪化したものの、現在、二国間関係はおおむね改善している。2006年7月にはアフリカ連合(AU)総会を、2016年6月にはTICAD VI閣僚準備級会合を首都バンジュールで開催するなど、アフリカ内でのプレゼンス強化を図るとともに、国際通貨基金(IMF)からの支援や諸外国からの援助の受入に努めている。
バロウ大統領は、ジャメ前大統領のICC脱退を撤回し、国内の人権状況の改善に努めることを表明。欧米諸国との関係改善に努めている。
2016年3月、1995年以来断交していた中国との間で国交を回復させる共同コミュ二ケに調印した。なお、台湾とは2013年11月に断交している。
2 軍事力(ミリタリーバランス2024年度版)
- (1)予算
- 13.8百万ドル(2023年)
- (2)兵役
- 志願制
- (3)兵力
- 4,100人(陸軍3,500人 海軍300人 警備隊300人)
経済(単位 米ドル)
1 主要産業
- サービス業
- (貿易・輸送・通信・観光)
- 農業
- (落花生、パーム核等)
2 GDP
23.4億米ドル(2023年:世銀)
3 一人当たりGNI
830ドル(2023年:世銀)
4 経済成長率
5.3%(2023年:世銀)
5 物価上昇率
12.92%(2023年、世銀)
6 失業率
6.5%(2023年、世銀)
7 総貿易額
- (1)輸出
- 8,333万米ドル(2023年:ITC)
- (2)輸入
- 23.84億米ドル(2023年:ITC)
8 主要貿易品目
- (1)輸出
- 鉱物性燃料及び鉱物油等、砂糖及び砂糖菓子、動物性及び植物性の油脂並びにその分解生産物(2023年、ITC)
- (2)輸入
- 車両(鉄道・路面電車以外)、鉱物性燃料及び鉱物油等、穀物類(2023年、ITC)
9 主要貿易相手国(2023年:ITC)
- (1)輸出
- ギニアビサウ、マリ、中国、インド
- (2)輸入
- デンマーク、セネガル、インド、中国
10 通貨
ダラシ
11 為替レート
1米ドル=61.1ダラシ(2023年平均、世銀)
12 経済概況
一人当たりGNI830米ドル(2023年:世銀)の後発開発途上国(LDC)。経済の2本柱は農業と観光業。バロウ新政権の誕生後、前政権に比して経済成長率は回復していたものの、新型コロナの影響を受け、経済成長率は一時ほぼゼロに低迷した。しかし、2021年からは回復してきており、プラス成長となっている。
経済協力
ガンビアに対する日本の経済協力は、1976年の「漁船増強計画」に係る無償資金協力から始まる。1994年のクーデター以後、緊急かつ人道的な援助を除き原則として新規の援助を見合わせていたが1997年に援助を再開し、2005年には技術協力協定を締結した。現在は、SDGs達成に向けた持続的成長と貧困削減を目指し、食料安全保障や基礎生活分野の改善を中心に援助を行っている。
1 日本の援助実績(2022年度までの累積)(単位:億円)
- (1)有償資金協力(交換公文ベース) 0.00
- (2)無償資金協力(交換公文ベース) 204.92
- (3)技術協力(JICA経費実績ベース) 33.57
2 主要援助国(2021年:百万ドル)
- (1)英国(25.50)
- (2)日本(5.89)
- (3)米国(2.78)
- (4)ドイツ(2.15)
- (5)韓国(1.23)
二国間関係
1 政治関係
日ガンビア関係は基本的に良好である。日本は在セネガル大使館が兼轄しており、また在バンジュール名誉総領事を任命。先方公館は無いが、名古屋に名誉総領事を任命。
2 経済関係
- (1)対日貿易
-
- ア 貿易額(2023年、財務省貿易統計)
- 輸出 215万円
- 輸入 2,363万円
- イ 主要品目(2023年、財務省貿易統計)
- 輸出 通信機等機械類等
- 輸入 原動機等機械類及び輸送用機器等
- (2)進出日本企業 なし(2023年10月現在)
3 在留邦人数
6人(2023年10月現在)
4 在日当該国人数
158人(2023年12月、法務省)
5 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
2005年5月 | 佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使 |
2006年6月~7月 | 佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使(第7回AU総会) |
2013年8月 | 阿部外務大臣政務官 |
2016年6月 | 濱地外務大臣政務官(TICAD VI閣僚級準備会合) |
2019年1月 | 山田外務大臣政務官 |
年月 | 要人名 |
---|---|
1966年3月、1974年9月、1975年10月 | ンジャイ外相 |
1988年9月、1990年11月(即位の礼) | シイ外相 |
1970年9月、1972年10月、1975年10月、1984年9月、1989年2月(大喪の礼)、1990年11月(即位の礼) | ジャワラ大統領 |
1991年7月 | ボッジ外務政務次官(中堅指導者招聘計画) |
1992年7月 | トゥーレイ資源・環境相 |
1992年10月 | ジャロウ農業相 |
1993年10月 | ダボ蔵相(TICAD I) |
1996年10月 | ジャニュ外相 |
1997年12月 | シンガティ大統領事務・天然資源・環境相(気候変動枠組み条約第3回締約国会議) |
1998年10月 | ジャッタ蔵相(TICAD II) |
2003年3月 | ワッファ・オゴー漁業・天然資源・環境相(第3回世界水フォーラム) |
2003年9月 | ジャロウ経済・財政省貸付債務管理局長(TICAD III) |
2006年3月 | グレイ-ジョンソン国連常駐代表(21世紀パートナーシップ促進招聘) |
2007年8月 | コレイ貿易・産業・雇用相 |
2008年5月 | ンジャイ・セイディ副大統領兼女性問題担当相(TICAD IV) |
2010年10月 | ジャト・シラー森林・環境相(COP10) |
2012年3月 | ゲイ森林・環境相 |
2013年6月 | ジャメ大統領、バー大統領事案相、ワッファ・オゴー外務相、コリー財政・経済相、オウエンス農業相、トゥーレイ通商・工業・地域統合・雇用担当相(TICAD V) |
2016年3月 | タンガラ国連常駐代表 |
2018年10月 | タンガラ外務・国際協力・在外ガンビア人相(TICAD閣僚会合) |
2019年8月 | トゥーレイ副大統領(TICAD7) |
2019年10月 | マリアム・ジャック=デントン国民議会議長(即位礼正殿の儀) |
2022年9月 | タンガラ外務・国際協力・在外ガンビア人相(故安倍晋三国葬儀) |
6 二国間条約・取極
- 2006年4月 技術協力協定