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平成19年2月
平成18年度欧州各国駐在大使会議(2月20日から21日開催)の概要は以下のとおり。
本年度の会議では、本年1月の安倍総理及び麻生外務大臣の欧州訪問の結果をふまえ、基本的価値を共有する欧州諸国等と連携し、世界の平和と安定に貢献するとの観点から、対欧州外交のあり方、日欧経済関係、対露関係、「自由と繁栄の弧」の形成にむけた日欧協力等について議論を行った。
大使会議期間中、麻生大臣より、欧州各国情勢について大使自ら先頭に立って情報収集・分析・評価し、幅広い分野で我が国との関係強化に向けて知恵を出すべし、「日本ブランド」を発信する観点から日本企業支援に取り組むべし、更に、外交力強化に理解を得るためにも国民の目に見える成果を追求すべしとの訓示があった。
(1)対欧州外交については、EUの拡大と深化の現状と見通しを踏まえて、基本的価値を共有する戦略的パートナーとして、協力関係のアジェンダ作りを相手国に応じてきめ細かく積極的に行っていくことが必要であり、エネルギー、気候変動等のグローバルな課題においても具体的な協力を積み重ねていく必要性で一致。欧州の主要国のみならず、「V4」(注:チェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランド)といったEU域内グループとの協力も進めていくこと、本年1月のNATOにおける安倍総理の演説によって新たな段階へ移行した日本とNATOとの協力関係を着実に進めるべく、迅速にフォローアップすることで一致。また、国際機関等、多数国間の協議の場でのEU及び欧州諸国との協力の重要性についても一致。
(2)欧州諸国の日本に対する理解とともに、日本側の欧州諸国に対する理解を深化させるべく一層の努力が必要であること、そのために要人往来を始め人的交流の強化が重要であること等について議論がなされた。また、日本と欧州諸国との間の科学技術協力の強化、気候変動問題対策との関係で省エネルギー分野の協力の可能性についても議論がなされた。
(3)本年1月の安倍総理訪欧により、欧州諸国から拉致問題を始めとする北朝鮮問題に関する我が国の立場に対する支持と協力を得る上で大きな効果があったことで一致。また、今後とも東アジアの戦略環境についての正しい認識を得るべく、EUとの戦略的対話を継続していくことが重要であるとの認識で一致。
(4)ロシアとの関係については、エネルギー等をめぐるロシアの最近の動きも踏まえ、EU及び欧州諸国と連携しながら、ロシアに対して責任ある役割を果たすよう働きかけていく必要があるとの議論もなされた。
(5)麻生外務大臣の行った政策スピーチ「自由と繁栄の弧」を具体化していくことが重要であることで一致。GUAM諸国(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバ)との関係強化をすすめるべきこと、また、中央アジア諸国との関係については、「中央アジア+日本」対話を推進しつつ、新たな対中央アジア戦略を策定中のEUと協調していくことにつき議論がなされた。
(6)日欧経済関係については、日本企業支援窓口を通じた日系企業支援につき議論がなされた。また、WTOドーハ・ラウンド交渉について現状認識を共有するとともに、引き続き交渉の早期妥結に向けて情報収集を含め積極的な取り組みを進めることで一致。