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第3回東アジア首脳会議(概要)
平成19年11月
11月21日、シンガポールにおいて第3回東アジア首脳会議(EAS)が開催され、我が国より福田総理が出席したところ、概要以下のとおりです。
1.地域・国際情勢に関するセッション
(1)ミャンマー情勢
- 福田総理より、我が国はミャンマーの民主化及び人権の状況を心配している、ミャンマー政府がスーチー女史を含む全ての関係者との間で真の対話に積極的に取り組むことを切に希望している、大きな進展が見られるのであれば国際社会としてそれを後押しするインセンティブを用意すべきであり、日本としてその用意がある旨発言した。
- 各国からも、ミャンマー問題の対話に基づく解決及びガンバリ特別顧問の周旋努力を支持する等の発言があった。
(2)北朝鮮問題
- 福田総理より、最近の六者会合における非核化プロセスの進展を評価している、重要なことは合意に従って北朝鮮の核放棄を実現することでありまだ道半ばであり、また安全保障の観点からはミサイル問題も重要である、六者の合意が成功をおさめ、関係国間の正常化が進み、最終的に北東アジアの冷戦構造を終結させることが政治に求められている役割であり、日本としては、拉致問題の解決と不幸な過去の清算の双方を実現すべく努力する考えである旨発言した。
- 各国からは、最近の六者会合の下での非核化プロセスの進展を肯定的に評価する発言があった。また拉致問題に関し我が国の懸念を共有する旨の発言もあった。
2.エネルギー、環境、気候変動及び持続可能な開発に関するセッション
(1)福田総理より、地球環境問題への取組は待ったなしであり、特に気候変動問題に関しては、全ての主要国が参加する実効的な2013年以降の枠組を構築していくとの明確なメッセージを打ち出し12月のバリ会合につなげていきたい、日本は公害克服の経験や環境エネルギー分野の高い技術を有するなど環境問題の解決に向けて世界をリードできる立場にあり、この点を十分に踏まえた上で、東アジアにおける「持続可能社会」の実現に向け、EAS参加国と共に取り組みたい旨発言した上で、1)東アジアにおける「低炭素・循環型の社会」の構築、2)東アジアの豊かで多種多様な自然との共生、3)東アジアにおける将来に向けた環境保全の知的インフラ作りを柱とする日本の環境協力を表明した(別紙参照(PDF)
)。
(2)各国からも、環境・気候変動問題への取組に向け、全ての国が一致して努力すべきである等の発言があり、本会議の成果を12月のバリ島COP13会合につなげていきたい旨の発言があった。
(3)また、会議終了後、気候変動、エネルギー及び環境問題に関する今後のEAS各国の取組や協力等を明記した「気候変動、エネルギー及び環境に関するシンガポール宣言」(ポイント)(仮訳(PDF)
・英文(PDF)
)が採択された。
3.その他EAS協力に関するセッション
(1)福田総理の発言の主なポイント以下のとおり。
- エネルギー安全保障に関し、EAS各国のエネルギー大臣に対し合意事項の確実な実施を指示することを提案し、前回のEASで日本が表明した協力案件が着実に実施中であることを報告。
- 教育・青少年交流に関し、「21世紀東アジア青少年大交流計画」の着実な実施状況を報告するとともに、本年12月に「東アジアの異なる文化・社会・宗教間対話シンポジウム」を日本で開催することを表明。
- 鳥インフルエンザに関し、抗ウィルス剤計50万人分をASEAN各国に新たに配備することを表明。
- 経済面での協力に関し、東アジア包括的経済連携(CEPEA)構想の民間研究の進捗を評価するとともに、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)の正式設立を歓迎。EASの下でビジネス界との対話の機会を設けることを提案。
- EAS首脳のイニシアティブを着実にフォローアップするためのメカニズムの検討を事務レベルに指示することを提案。
(2)このほか、各国よりは、文明、宗教間の対話をEASの下で推進するべきとの発言があり、また、EAS協力の着実なフォローアップのためのメカニズムにつき、今後検討していくこととなった。
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