鳩山総理は、31日、午前9時50分から計約1時間20分間、訪日中の温家宝・中国国務院総理との間で、日中首脳会談を行った(先方:
・外交部長、張平・国家発展改革委員会主任、陳徳銘・商務部長、謝伏瞻・国務院研究室主任、丘小雄・国務院副秘書長兼総理弁公室主任、張志軍・外交部副部長、趙少華・文化部副部長、程永華・駐日大使他、我が方:菅副総理・財務大臣、平野官房長官、岡田外務大臣、直嶋経済産業大臣、前原国交大臣、松野官房副長官、宮本在中大大使他同席。)。会談後、関係当局間の「覚書」等(「日中食品安全推進イニシアティブ」、「省エネルギー・環境総合フォーラムの定例化に関する覚書」、「省エネルギー人材育成に関する覚書」、「電子商取引政策協議会の設置に関する覚書」)への署名が両首脳立ち会いの下行われた。
1.日中関係
鳩山総理から、温家宝総理の訪日を観迎するとともに、今回の訪日の機会に「戦略的互恵関係」の具体化について意見交換を行いたい旨述べた。さらに、鳩山総理から、上海万博の開幕を祝福するとともに、鳩山総理自身の上海万博訪問を含め、本年後半もハイレベルの交流を継続し、「戦略的互恵関係」を進展させていきたい旨述べた。温総理からは、日本側の温かな歓迎に感謝する、中国は日中関係を外交の重点の一つとして重視しており、「戦略的互恵関係」を高いレベルに発展させるために、鳩山総理と共に努力していきたい旨述べた。また、温総理から、ホットラインの積極的な活用について提案があり、双方は、今後、電話会 談を用いて緊密に意思疎通を行っていくことで一致した。
2.人的交流・文化的交流
(1)青少年交流等の充実
鳩山総理から、年間4000名の青少年交流や700名の若手メディア、研究者の訪日招聘等交流が盛んであり、7月中旬には青海省地震復興のため、同省幹部を招聘したい旨表明した。温総理からはこれに対して謝意を表明するとともに、青少年交流等の重要性に賛同する旨述べた。また、温総理から、中国側としてもメディア関係者、社会科学研究者の招聘(毎年100名5年間)、上海万博への青少年招聘(1000名)を行うとともに、四川大地震でお世話になった日本 の救援隊、医療隊の代表の方々も招聘したい旨表明し、鳩山総理もこれらを観迎した。
(2)観光の促進
鳩山総理から、日中間の人的交流を後押しするために、7月1日から中国からの個人観光客について査証の発給条件の緩和等の措置をとることとした旨紹介。温総理からは、これを大いに観迎し、感謝する旨表明した。
(3)文化交流の推進
温総理から、今回の訪日前に映画「おくりびと」を鑑賞した旨紹介するとともに、国民間での相互理解に資するものとして、日中間で「映画、テレビ・ドラマ週間」、「アニメ・フェスティバル」を開催したい旨提案があり、鳩山総理からも、実現に向け、具体的な調整を行っていきたい旨応じた。
3.日中経済・貿易関係の協力の拡大
(1)「日中食品安全推進イニシアティブ」
鳩山総理から、昨年、北京において温総理との間で一致した「日中食品安全推進イニシアティブ」の創設について、作業が進展し、今回、関係閣僚間で署名で きる運びとなったことは喜ばしい旨述べた。温総理もこれに賛同し、この分野での日中間での協力を推進していきたい旨述べた。
(2)省エネ・環境分野や電子商取引等での日中の協力
鳩山総理から、省エネ・環境分野の協力や電子商取引分野の発展を一層促進することは、日中関係の発展にとっても重要であり、閣僚間で関係の覚書に署名できることは喜ばしい旨述べ、温総理もこれに賛同した。
4.日中間の諸問題と協力
(1)東シナ海資源開発問題
これまでの日本側からの働きかけに対し、温総理から、2008年の合意を履行したい旨発言があり、双方は、国際約束締結交渉を早期に開始することで一致した。鳩山総理からは、これを通じて、東シナ海を「友好の海」としていきたい旨述べた。
(2)海洋活動の問題
鳩山総理から、最近の日本の周辺海域での中国側の行動は、我が方の懸念を惹起するものであり、「平和・協力・友好」の海とするとの、首脳間の共通認識を確認する必要がある旨述べ、再発防止を求めた。
(3)日中捜索・救難(SAR)協定、防衛当局間でのホットライン等
双方は、日中捜索・救難協定の早期締結、防衛当局間でのホットライン等の海上連絡メカニズムの早期創設について一致した。
5.韓国哨戒艦沈没事案(冒頭に少人数会合を実施)
鳩山総理から、国際社会のルールに則って、北朝鮮は厳しく批判される必要がある旨等、我が国としての考え方を伝え、双方は、今後の対応等について、緊密に協議を続けていくことで一致した。



