中華人民共和国

基礎データ

令和5年9月25日
中華人民共和国国旗

一般事情

1 面積

約960万平方キロメートル(日本の約26倍)

2 人口

約14億人

3 首都

北京

4 民族

漢民族(総人口の約92%)及び55の少数民族

5 公用語

中国語

6 宗教

仏教・イスラム教・キリスト教など

7 略史

年月 略史
1911年 辛亥革命がおこる
1912年 中華民国成立、清朝崩壊
1921年 中国共産党創立
1949年10月1日 中華人民共和国成立

政治体制・内政

1 政体

人民民主専政

2 国家主席

習近平

3 議会

全国人民代表大会

4 政府

  • (1)首相 李強(国務院総理)
  • (2)外相 王毅(中央政治局委員兼中央外事工作弁公室主任兼外交部長)

5 共産党

習近平(総書記)

6 内政

(1)中国共産党結党百周年(2021年)までに「ややゆとりのある社会」(「小康社会」)を全面的に実現する、(2)2035年までに「小康社会」の全面的完成を土台に「社会主義現代化」を基本的に実現したうえで、建国百周年(2049年)の今世紀中葉までに富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国を実現するとの目標を掲げている。

外交・国防

1 外交基本方針

 世界第2位の経済規模を有する一方で、自らを「世界最大の途上国」と位置づけ、中国の発展は他国の脅威とはならないとする「平和的発展」を掲げている。また、(1)国家主権、(2)国家の安全、(3)領土の保全、(4)国家の統一、(5)中国憲法が確立した国家政治制度、(6)経済社会の持続可能な発展の基本的保障を「核心的利益」と位置づけ、断固として擁護し、各国に尊重するように求めている。
 習近平政権は、「中華民族の偉大な復興」のため「特色ある大国外交」を進めるとして、「人類運命共同体」や「新型国際関係」構築の推進といった外交理念を掲げている他、「一帯一路」イニシアチブ、グローバル発展イニシアチブ、グローバル安全保障イニシアチブ及びグローバル文明イニシアチブ等を推進している。

2 軍事力

(1)国防予算
約1兆5.537億元(2023年度)
(第14期全国人民代表大会(全人代)第1回会議にて発表)
(2)兵力
約204万人
(『ミリタリーバランス2022』による)

経済

1 主要産業(2022、国家統計局)

第一次産業(名目GDPの7.3%)、第二次産業(同39.9%)、第三次産業(同52.8%)

(注)労働集約・外需主導型産業がけん引する「世界の工場」として第二次産業を中心に発展してきたが、2012年に第三次産業の比率が第二次産業の比率を逆転。
 2015年に第三次産業の比率は50%を超えた。

2 GDP(名目)

  • 約121兆207億元(2022年、中国国家統計局)
  • 約18兆1,000億ドル(2022年、IMF(推計値))

3 一人当たりGDP

  • 約85,698元(2022年、中国国家統計局)
  • 約12, 814ドル(2022年、IMF(推計値))

4 経済成長率(実質)

3.0%増(2022年、中国国家統計局)

5 物価上昇率

2.0%(消費者物価)(2022年、中国国家統計局)

6 失業率

5.6%(都市部調査失業率)(2022年平均、中国国家統計局)

7 貿易額(2022年、中国海関総署)

  • (1)輸出 3兆5,936億ドル
  • (2)輸入 2兆7,160億ドル

8 主要貿易品(2022年、中国海関総署)

  • (1)輸出 機械類・電子機器、紡績用繊維、卑金属 等
  • (2)輸入 機械類・電子機器、鉱物性燃料品、化学工業生産品 等

9 主要貿易相手国・地域(2022年、中国海関総署)

  • (1)輸出 米国、日本、韓国
  • (2)輸入 台湾、韓国、日本

10 通貨

人民元

11 為替レート

1ドル=約7.0元(2022年12月末、中国国家外国為替管理局)

12 経済概況

 2022年通年の実質GDP成長率は前年比3.0%増となり、同年の目標値である前年比5.5%増前後は達成されなかった。2022年の実質GDP成長率は、新型コロナウイルス感染症の全国的な感染再拡大と、経済の中心地である上海市をはじめとする、各地で行われた厳格な防疫政策に伴う行動制限により、第2四半期に大幅に減速(前年比0.4%増)した。中国政府は経済の下支えのため、下半期からインフラ投資の加速などの措置を行ったものの、行動制限による消費マインドの低迷と需要の縮小、雇用情勢の悪化、サプライチェーンの混乱、不動産市場の低迷、米国・欧州などの景気減速による外需の縮小など、多くの成長の下押し圧力に直面した。
 2023年3月初めに開催された全国人民代表大会では、2023年の実質GDP成長率目標を昨年より0.5%低い、5.0%前後に設定した。2023年第1四半期の成長率は前年比4 .5%増となり、新型コロナウイルス感染症の感染対策が大きく緩和されたことから、サービスを中心に消費が持ち直した。一方で、中国政府は、需要が依然として不十分であると指摘しており、需要の回復・拡大に向けた措置を打ち出している。

経済協力

1 日本の援助実績(2021年度末に全事業終了)

  • (1)有償資金協力(E/Nベース、2007年円借款の新規供与終了) 約3兆3,165億円
  • (2)無償資金協力(E/Nベース、2006年一般無償資金協力の新規供与終了) 約1,576億円
  • (3)技術協力実績(JICA実績ベース) 約1,857億円

 (注)金額は2020年度時点のもの。対中ODAはこれまで日中関係の強化に大きな役割を果たしてきたが、2018年10月、安倍総理大臣(当時)訪中の際、日本政府は、日中両国が対等なパートナーとして、共に肩を並べて地域や国際社会に貢献する時代になったとの認識の下、対中ODAを終了させるとともに、開発分野における対話や人材交流などの新たな次元の日中協力を推進することを発表した。この発表を受けて、対中ODAは2018年度をもって新規採択を終了し、既に採択済みの複数年度の継続案件については、2021年度末をもってすべて終了することとなった。なお、近年の中国に対するODAは、日本国民の生活に直接影響する越境公害、感染症、食品の安全など、協力の必要性が真に認められるものに絞って極めて限定的に実施してきている。

二国間関係

1 政治関係

 中国との建設的かつ安定的な関係は、両国、そして地域及び国際社会のために重要。普遍的価値を共有する国々とも連携しながら、主張すべき点はしっかり主張し、責任ある行動を強く求めると同時に、対話を続け、共通の諸課題について協力していく。
 尖閣諸島等、東シナ海を始めとする海洋・安全保障問題については、引き続き冷静かつ毅然と対応。日本産食品の輸入規制問題については、引き続きあらゆる機会を捉えて輸入規制の早期撤廃の実現に向け、粘り強く働きかけを行う。その他の懸案事項についても引き続き中国側の行動を強く求めていく。気候変動や開発金融などの国際的課題では、中国に責任ある大国として行動するよう働きかける。

【最近の日中首脳会談・外相会談】

2017年9月1日
日中外相電話会談(河野外相=王毅外交部長)
2017年9月21日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、国連総会(ニューヨーク))
2017年11月11日
日中首脳会談(安倍総理=習近平国家主席、APEC首脳会議(ダナン))
2017年11月13日
日中首脳会談(安倍総理=李克強国務院総理、ASEAN関連首脳会議(マニラ))
2018年1月28日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、河野外相訪中(北京))
2018年4月15日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、王毅外交部長訪日(東京))
2018年5月4日
日中首脳電話会談
2018年5月9日
日中首脳会談(安倍総理=李克強国務院総理、李克強国務院総理訪日(東京))
2018年8月2日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、ASEAN関連外相会談(シンガポール))
2018年9月12日
日中首脳会談(安倍総理=習近平国家主席、東方経済フォーラム(ウラジオストク))
2018年9月28日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、国連総会(ニューヨーク))
2018年10月26日
日中首脳会談(安倍総理=李克強国務院総理、安倍総理訪中(北京))
2018年10月26日
日中首脳会談(安倍総理=習近平国家主席、安倍総理訪中(北京))
2018年10月26日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、安倍総理訪中(北京))
2018年11月30日
日中首脳会談(安倍総理=習近平国家主席、G20サミット(ブエノスアイレス))
2019年4月15日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、河野外相訪中(北京))
2019年6月26日
日中電話外相会談(河野外相=王毅外交部長)
2019年6月27日
日中首脳会談・夕食会(安倍総理=習近平国家主席、G20サミット(大阪))
2019年8月1日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、ASEAN関連外相会議(バンコク))
2019年8月20日
日中外相会談(河野外相=王毅外交部長、日中韓外相会議(北京))
2019年9月26日
日中外相会談(茂木外相=王毅外交部長、国連総会(ニューヨーク))
2019年11月4日
日中首脳会談(安倍総理=李克強国務院総理、ASEAN関連首脳会議(バンコク))
2019年11月25日
日中外相会談及びワーキング・ランチ(茂木外相=王毅外交部長、王毅外交部長訪日(東京))
2019年12月23日
日中首脳会談・夕食会(安倍総理=習近平国家主席、日中韓サミット(北京))
2019年12月25日
日中外相ワーキング・ランチ(茂木外相=王毅外交部長、日中韓サミット(北京))
2019年12月25日
日中首脳会談・昼食会(安倍総理=李克強国務院総理、日中韓サミット(成都))
2020年1月26日
日中外相電話会談(茂木外相=王毅外交部長)
2020年2月15日
日中外相会談(茂木外相=王毅外交部長、ミュンヘン安全保障会議(ミュンヘン))
2020年2月26日
日中外相電話会談(茂木外相=王毅外交部長)
2020年4月21日
日中外相電話会談(茂木外相=王毅外交部長)
2020年7月29日
日中外相電話会談(茂木外相=王毅外交部長)
2020年9月25日
日中首脳電話会談(菅総理=習近平国家主席)
2020年11月24日
日中外相会談(茂木外相=王毅外交部長)
2021年4月5日
日中外相電話会談(茂木外相=王毅外交部長)
2021年10月8日
日中首脳電話会談(岸田総理=習近平国家主席)
2021年11月18日
日中外相電話会談(林外相=王毅外交部長)
2022年5月18日
日中外相テレビ会談(林外相=王毅外交部長)
2022年11月17日
日中首脳会談(岸田総理=習近平国家主席)
2023年2月3日
日中外相電話会談(林外相=秦剛外交部長)
2023年4月2日
日中外相会談(林外相=秦剛外交部長)

2 経済関係

(1)日中貿易(財務省。ドル建ては日本貿易振興機構(JETRO)換算)

ア 貿易額(2022年)
  • 対中輸出 19兆38億円(1,456億ドル)
  • 対中輸入 24兆8,434億円(1,899億ドル) 計43兆8,472億円(3,354億ドル)
イ 主要品目(2021年)
  • 対中輸出 半導体等製造装置、半導体等電子部品、プラスチック 等
  • 対中輸入 通信機、電算機類、衣類 等

(2)日本からの直接投資総額(2022年、財務省、日本銀行。ドル建ては日本貿易振興機構(JETRO)換算)

  • 約1兆956億円(92億ドル)

(3)日中経済概況

 日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、日系企業の海外拠点数で中国は第1位であるなど中国は日系企業にとって引き続き重要な市場であり、日中首脳間でも、両国間の経済・国民交流を後押ししていくことで一致している。
 日本側から中国側に対しては、特に知的財産の保護、産業補助金や強制技術移転、サイバー・データ関連規定、輸出管理法を含め、日本企業の正当なビジネス活動や公平な競争条件の確保につき中国側に提起してきているほか、日本産食品に対する輸入規制措置の撤廃を改めて強く求めている。

3 文化関係・各種交流

(1)人的往来

  • 日本から中国へ約268万人(2019年、中国文化旅遊部統計)
  • 中国から日本へ約959万人(2019年、日本政府観光局(JNTO)統計、2021年は約4万人、2022年は約18.9万人)

(2)文化関係

  • ア 2020年11月、茂木外務大臣を日本側議長、王毅国務委員兼外交部長を中国側議長とする「第1回日中ハイレベル人的・文化交流対話」が東京にて開催された。双方は、青少年、文化、スポーツ、女性、観光、コンテンツ、メディア等の幅広い分野をテーマに、更なる交流強化について議論を行った。
  • イ 日中国交正常化50周年に当たる2022年は、十倉経団連会長を委員長とする日中国交正常化50周年交流促進実行委員会と外務省との連携の下、年間で220件を超える事業が日中国交正常化50周年事業として認定され、文化、経済、教育、観光、地方などの様々な分野における交流が、オンライン形式を含めて日中両国で実施された。50周年の記念日に当たる9月29日には、東京において実行委員会主催の記念レセプションが開催され、岸田総理大臣と習近平国家主席との間で交換を行った50周年を記念するメッセージが紹介された。同日、北京においても中国人民対外友好協会及び中国日本友好協会主催の記念レセプションが開催された。

(3)青少年交流

  • ア 2018年10月の安倍総理大臣訪中時に、李克強国務院総理との間で、双方向の国民交流、特に若い世代等の交流を更に拡大する必要があるとの認識で一致し、「日本国政府と中華人民共和国政府との間の青少年交流の強化に関する覚書」が両外相の間で署名され、2019年を「日中青少年交流推進年」と銘打って、今後5年間で3万人規模の青少年交流を実施していくことで一致した。
  • イ 2019年には、青少年を含む人的交流事業である「JENESYS2019」により、中国から高校生や若手社会人など約460人を日本に招へいした。2020年から2022年までは、新型コロナウイルス感染症の影響により国境を越える往来が制限される中、両国の学生・研究者の相互理解及び対日理解促進を目的とするオンライン対話を開催するなど、新たな交流の在り方を模索しつつ、日中の青少年交流を継続した。

4 在留邦人数(外務省海外在留邦人数調査統計)

102,066名(2022年10月1日現在)

5 在日中国人数(法務省在留外国人統計)

744,551名(2022年6月末現在)

6 要人往来(国際会議等出席のための訪問も含む)

(1)日本から中国へ(1972年以降)
年月 要人名
1972年9月 田中総理大臣
1979年12月 大平総理大臣
1982年9月 鈴木総理大臣
1984年3月 中曽根総理大臣
1986年11月 中曽根総理大臣
1988年8月 竹下総理大臣
1991年8月 海部総理大臣
1992年10月 天皇皇后両陛下
1994年3月 細川総理大臣
1995年5月 村山総理大臣
1997年9月 橋本総理大臣
1999年7月 小渕総理大臣
2001年10月 小泉総理大臣
2001年10月 小泉総理大臣
2002年4月 小泉総理大臣
2006年10月 安倍総理大臣
2007年12月 福田総理大臣
2008年8月 福田総理大臣
2008年10月 麻生総理大臣
2009年4月 麻生総理大臣
2009年10月 鳩山総理大臣
2011年12月 野田総理大臣
2014年11月 安倍総理大臣
2016年9月 安倍総理大臣
2018年10月 安倍総理大臣
2019年12月 安倍総理大臣
(2)中国から日本へ(1978年以降)
年月 要人名
1978年10月 鄧小平副総理(公賓)
1979年2月 鄧小平副総理
1980年5月 華国鋒総理(中国共産党主席)(国賓)
1980年7月 華国鋒総理
1982年5月~6月 趙紫陽総理(公賓)
1983年11月 胡耀邦党総書記(公賓)
1989年4月 李鵬総理(公賓)
1992年4月 江沢民総書記(公賓)
1994年10月 栄毅仁国家副主席
1995年11月 江沢民総書記
1997年11月 李鵬総理(公賓)
1998年4月 胡錦濤国家副主席
1998年11月 江沢民国家主席(国賓)
2000年10月 朱鎔基総理(公賓)
2007年4月 温家宝総理(公賓)
2008年5月 胡錦濤国家主席(国賓)
2008年7月 胡錦濤国家主席
2008年12月 温家宝総理
2009年12月 習近平国家副主席(実務訪問賓客)
2010年5月 温家宝総理(公式実務訪問賓客)
2010年11月 胡錦濤国家主席
2011年5月 温家宝総理
2018年5月 李克強総理(公賓)
2019年6月 習近平国家主席
2019年10月 王岐山国家副主席

7 二国間条約・協定

発効年 条約・協定名
1974年 航空協定
1974年 貿易協定
1975年 海運協定
1975年 日中漁業協定(旧協定)
1978年 商標保護協定
1978年 日中平和友好条約
1979年 文化交流協定
1980年 科学技術協定
1981年 渡り鳥保護協定
1984年 租税協定
1986年 原子力協定
1989年 投資保護協定
1994年 環境保護協力協定
2000年 漁業協定(新協定)
2006年 税関相互支援協定
2008年 刑事共助条約
2010年 領事協定
2018年 映画共同制作協定
2019年 社会保障協定
2019年 海上捜索救助協定
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