チリ共和国

チリ共和国(Republic of Chile)

基礎データ

平成30年10月22日

  • チリ共和国国旗

一般事情

1 面積

756,000平方キロメートル(日本の約2倍)

2 人口

1,791万人(2016年 世銀)

3 首都

サンティアゴ

4 民族

スペイン系75%,その他の欧州系20%,先住民系5%

5 言語

スペイン語

6 宗教

カトリック(全人口の88%)

7 略史

年月 略史
1818年 事実上の独立
1970年 アジェンデ社会主義政権誕生
1973年 クーデターによりピノチェット軍事政権誕生
1980年 新憲法草案に対する国民投票の実施
1981年 新憲法発効
1988年 ピノチェット大統領信任投票
1989年 大統領選挙,国会議員選挙
1990年 エイルウィン政権成立(民政移管)
1994年 フレイ政権成立
2000年 ラゴス政権成立
2006年 バチェレ政権(第一期)成立
2010年 ピニェラ政権(第一期)成立
2014年 バチェレ政権(第二期)成立
2018年 ピニェラ政権(第二期)成立

政治体制・内政

1 政体

立憲共和制

2 元首

セバスティアン・ピニェラ・エチェニケ大統領(任期4年,連続再選不可)

3 議会

上下両院制(上院 50名,下院 155名)

4 政府

(1)首相名
なし
(2)外相名
ロベルト・アンプエロ・エスピノサ

5 内政

 1973年にクーデターにより発足したピノチェット軍事政権(1974年に大統領就任)は,1988年10月の国民信任投票で敗北。1989年末の選挙で反軍事政権諸党連合を母体とするエイルウィン大統領が選出され1990年に民政移管を実現。以後,フレイ大統領,ラゴス大統領,バチェレ大統領(第一期政権)と,4期連続して中道左派政権が継続した。

 その後,2010年に民政移管後初の中道右派政権として誕生したピニェラ政権は,経済政策に対する評価は高かったものの,2011年に本格化した教育改革を求める学生デモへの対応,税制改革,エネルギー政策の転換等国内の諸課題に対し具体的成果を出すことができなかった。

 これを受けて2013年末の大統領選挙及び決選投票では,従来の中道左派連合に共産党が加わった新多数派の擁立するバチェレ前大統領が勝利し,2014年3月に第二期政権が発足した。バチェレ政権は,就任直後から税制改革,選挙制度改革,教育制度改革等の重要法案を相次いで議会に提出し,制度改革を着実に進めたが,一方で,改革を性急に進める手法への反発や親族の不正土地売買疑惑,さらには資源価格等の下落による経済成長の減速等が影響して支持率は低下した。

 2017年11月の大統領選挙及び12月の決選投票の結果,野党会派「チリ・バモス」のピニェラ候補が勝利し,2018年3月,第二期ピニェラ政権が発足した。ピニェラ大統領は大統領就任式後の初演説において,チリのさらなる発展に向けて,社会政策重視の姿勢を打ち出した。なかでも,子どものための政策を最優先課題とし,具体的な取組みを進めている。その他,経済分野(税制改革,投資回復政策),社会保障分野(年金改革),教育分野(質・アクセスの向上及び就学前教育の無償化),治安対策(警察機構の組織改革)等,多角的に国内の課題に取組むことを表明している。

外交・国防

1 外交基本方針

 対外政策は一貫して,チリ経済の国際化,中南米地域における安定した外交関係の構築,平和維持及び民主主義を確保するための活動への参加が基本政策。また,輸出市場の安定確保及び拡大を目指して自由貿易に立脚した多角的経済外交を展開し,自由貿易協定(EPA/FTA)を積極的に締結している。1994年にAPEC,2010年にOECDに加盟。2012年にはメキシコ,コロンビア,ペルーと共に太平洋同盟を発足させ,自由貿易に基づくアジア太平洋地域との連携をますます強化する動きを見せている。

 バチェレ前政権は近隣諸国との関係強化とともに,アジア太平洋地域との関係を重視。経済外交分野においては二国間のEPA/FTAの締結・深化,また2018年3月にTPP11の署名式を主催する等,自由貿易促進に向けた積極的な取組みを実施した。

 ピニェラ政権においても,このような基本的外交政策を踏襲しつつ,近隣諸国及びアジア太平洋地域との関係強化に取り組み,開放的な経済政策を軸に外交を展開する姿勢を打ち出している。

2 軍事力

(1)国防予算
39億ドル(2017年)
(2)兵役
2005年より志願制
(3)兵力
77,200人(陸軍46,350人,海軍19,800人,空軍11,050人)(ミリタリーバランス2018年版)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

鉱業,農林水産業,製造業(食品加工,木材加工)

2 GDP

2,632億ドル(2017年 IMF)(暫定値)

3 一人当たりGDP

14,315ドル(2017年 IMF)(暫定値)

4 経済成長率

1.4%(2017年 IMF)(暫定値)

5 物価上昇率

2.2%(2017年 チリ国家統計局(INE))

6 失業率

6.6%(2017年 チリ中央銀行)

7 総貿易額(2017年 チリ中央銀行)

(1)輸出
683億ドル
(2)輸入
614億ドル

8 主要貿易品目

(1)輸出
銅鉱,木材チップ,モリブデン,サケ・マス
(2)輸入
自動車,石油・天然ガス,タイヤ,自動車部品

9 主要貿易相手国(2017年)

(1)輸出
中国,米国,日本,韓国,ブラジル
(2)輸入
中国,米国,ブラジル,アルゼンチン,ドイツ,メキシコ,日本

10 通貨

ペソ

11 為替レート

1米ドル=649ペソ(2017年平均)

12 経済概況

 チリは,1970年代初めより他の中南米諸国に先駆けて,国家主導型産業育成政策から民間主導の開放経済へと政策転換。その後1980年代初めの債務危機を克服し順調に持続的成長を達成させたことから,中南米の「優等生」と評され,国際社会における評価も高い。

 1990年代以降,輸出及び資源価格の伸びに支えられ経済は概ね順調に拡大し,積極的な外資誘致政策と自由貿易に立脚した経済外交によって長期にわたる高度成長を実現した。他方,依然として輸出品目の大半を銅を中心とした鉱物資源が占めており,産業の多角化が長年の課題である。

 経済連携については,メキシコ,カナダ,EU,米,韓国,中国等とFTAを,メルコスール,中米諸国と経済補完協定を締結する「FTA先進国」であり,TPP署名国でもある。我が国とは,2007年3月に日チリEPAが署名され同年9月に発効した。経済のみならず,政治的な協力強化の観点から,メルコスールに1996年,アンデス共同体に2006年に準加盟し,2012年には太平洋同盟を発足させた。

経済協力(単位 億円)

1 日本の援助実績

  • (1)有償資金協力(2015年度までの累計)270.70
  • (2)無償資金協力(2015年度までの累計)103.75
  • (3)技術協力実績(2015年度までの累計)446.74

2 主要援助国(2014年(単位:百万ドル))

  • (1)ドイツ(177.17)
  • (2)フランス(15.05)
  • (3)日本(3.88)

二国間関係

 チリは,中南米においてアジア太平洋地域への高い関心を有する国の一つである。我が国との間では,1897年の日本チリ修好通商航海条約署名以来,伝統的に友好な二国間関係を構築してきている。両国は,自由,民主主義,法の支配,人権等の基本的価値を共有する重要なパートナーであり,特に経済分野では鉱業分野を中心に我が国からの投資が盛んで,2011年から2013年の3年間,単年度で対チリ直接投資額(チリ外国投資委員会)において日本は1位を記録した。近年は,学術,科学分野の交流も活発化し,裾野の広い成熟した二国間関係が築かれている。また,日本とチリは地震や津波といった自然災害の多発国であり,防災分野における協力も進展している。

 2014年7月には,1996年の総理訪問から18年ぶり,2004年のチリAPEC会合への総理出席からは10年ぶりとなる安倍総理大臣のチリ訪問が実現した。また,2017年は日チリ外交関係樹立120周年を記念し,秋篠宮同妃両殿下のチリ御訪問を始め様々な交流が行われた。2018年2月にはバチェレ大統領(当時)が訪日し,日チリ首脳会談において両国関係を「戦略的パートナー」に格上げすることで一致。今後の二国間関係の一層の深化が期待される。

 国際場裏においても,両国は,国連改革,人権,軍縮,環境等の諸課題において共通の立場を取ることが多く,緊密な協力関係にある。

1 政治関係

1897年9月25日
外交関係開設
1952年10月17日
外交関係再開

2 経済関係

(1)対日貿易(2017年)(出典:財務省貿易統計)
(ア)貿易額
輸出 7,146億円
輸入 1,967億円
(イ)主要品目
輸出 銅鉱,サケ・マス,木材チップ,リチウム,モリブデン等
輸入 自動車・同部品,自動車用タイヤ,建設・鉱山用機械等
(2)日本からの直接投資(2016年までの累計)(チリ外国投資委員会)
107.69億ドル
(3)2007年3月に日チリ経済連携協定(EPA)に両国外相が署名,同年9月に発効。
(4)2016年1月に日・チリ租税条約(「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とチリ共和国との間の条約」)に署名,同12月に発効。

3 文化関係

文化無償 29件,992百万円(2016年度まで)

4 在留邦人数

在留邦人1,660人(2016年),在住日系人(推定)約3,000人

5 在日当該国人数

928名(2017年)

6 要人往来

(1)往(1959年以降)
年月 要人名
1959年 岸総理大臣
1979年 園田外務大臣
1981年 田中(六)通商産業大臣
1990年 遠藤要参議院議員(特派大使)
1992年 海部前総理大臣
1993年 常陸宮同妃両殿下
1994年 中山日チ友好議連会長,田中秀征衆議院議員(特派大使)
1996年7月 斎藤参議院議長
1996年8月 橋本総理大臣
1997年6月 亀井建設大臣
1997年9月 常陸宮同妃両殿下
2000年3月 井上裕参議院議員
2001年1月 中曽根元総理大臣等(APPF総会)
2001年3月 荒木外務副大臣(FEALAC外相会合出席)
2002年8月 植竹外務副大臣
2003年4月 瓦力衆議院議員他(IPU総会)
2003年8月 茂木外務副大臣
倉田参議院議長
2004年1月 中川秀直日智友好議連会長一行
2004年4月 河村文部科学大臣(APEC教育大臣会合)
2004年9月 谷垣財務大臣(APEC財務大臣会合)
2004年11月 町村外務大臣・中川昭一経済産業大臣(APEC閣僚会議)
小泉総理大臣(APEC首脳会議/チリ公式訪問)
2006年3月 中川秀直衆議院議員(特派大使)
2008年6月 近藤基彦衆議院議員,小平忠正衆議院議員,山際大志郎衆議院議員,鶴保庸介参議院議員(第60回IWC年次会合)
2010年3月 吉良外務大臣政務官(特派大使)
2013年3月 福井文部科学副大臣(アルマ完成記念式典)
2013年5月 秋葉厚生労働副大臣・復興副大臣
2013年9月 三笠宮彬子女王殿下(公式訪問)
2014年3月 塩谷立衆議院議員(特派大使)
2014年7月 安倍総理大臣(チリ公式訪問)
2014年8月 土屋厚生労働副大臣
2015年5月 西村国土交通副大臣
2015年5月 西銘総務副大臣
2016年9月 水落文部科学副大臣
2017年1月 薗浦外務副大臣
2017年3月 薗浦外務副大臣,越智内閣府副大臣
2017年9月 秋篠宮同妃両殿下(公式訪問)
2018年1月 水落文部科学副大臣
2018年3月 茂木経済再生担当大臣
塩谷立衆議院議員(特派大使)
2018年9月 林文部科学大臣,牧原厚生労働副大臣
(2)来(1985年以降)
年月 要人名
1985年 ビュッヒ大蔵相
1987年 ビュッヒ大蔵相,コンチャ経済相
1988年 ビュッヒ大蔵相
1989年 エラスリス外相(大喪の礼)
セゲル蔵相,ラロンド経済相
1990年 オミナミ経済相,シルバ・シマ外相(即位の礼)
1991年 ハミルトン鉱業相
1992年 エイルウィン大統領(シルバ・シマ外相,フォクスレイ蔵相,フィゲロア農業相同行)
1993年 シルバ・シマ外相
ボーニンゲル大統領府官房長官
1994年 エイルウィン前大統領
フレイ大統領(インスルサ外相,ガルシア経済相同行)
1995年 フレイ大統領(インスルサ外相他同行)
1996年3月 テプリスキー鉱山相
1996年12月 ディエス上院議長
1997年8,9月 フレイ大統領(インスルサ外相他同行)
1999年11月 バルデス外相(外賓)
2002年5月 カンポス農業相
2002年9月 サルディバル上院議長
2002年11月 アルベアル外相
2003年2月 ラゴス大統領
2003年9月 アジェンデ下院議長
2003年11月 バロス外務次官
2004年11月 パエス列国議会同盟(IPU)議長
2005年4月 エイサギレ蔵相
2005年5月 エイサギレ蔵相,カンポス農業相
2007年3月 フォックスレイ外相
2007年9月 バチェレ大統領(フォックスレイ外相,フェレイロ経済相同行)(公式実務訪問賓客)
2008年1月 フレイ上院議長
2010年4月 モレノ外相
2010年11月 ピニェラ大統領,モレノ外相,ゴルボーン鉱業相
2012年3月 ピニェラ大統領(実務訪問賓客),モレノ外相
2012年11月 ソルミニャック鉱業相
2012年12月 エラスリス運輸・通信相(JETRO招待)
2013年5月 ソルミニャック鉱業相
2014年6月 ウィリアムス鉱業相
2015年2月 ウィチャラフ通信次官(総務省招待)
2015年3月 リベロス外務次官(第3回国連防災世界会議出席)
2015年9月 ロブレド国防次官(戦略的実務者招へい)
2015年10月 フレイ元大統領
2016年8月 セスペデス経済・振興・観光相
2017年9月 エスピノサ下院議長
2017年10月 フレイ元大統領
2018年2月 バチェレ大統領(ムニョス外相,スケジャ・スポーツ相同行)(実務訪問賓客)
2018年9月 アンプエロ外相

7 二国間条約・取極

  • 1969年 査証免除協定
  • 1978年 技術協力協定
  • 1996年 青年海外協力隊派遣取極
  • 2007年 日本・チリ経済連携協定(EPA)
  • 2016年 日チリ租税条約
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