バルバドス

基礎データ

令和7年8月6日
バルバドス国旗

一般事情

1 面積

430平方キロメートル(種子島とほぼ同じ)(世銀)

2 人口

28.1万人(2023年 世銀)

3 首都

ブリッジタウン(行政区としては存在しない)

4 民族

アフリカ系(92.4%)、混血(3.1%)、白人系(2.7%)、インド系(1.3%)、その他 (2010年 同国国政調査)

5 言語

英語(公用語)

6 宗教

キリスト教(英国国教会、プロテスタント、カトリック)、その他

7 略史

年月 略史
1627年 英国植民地
1652年 英国直轄領
1951年 普通選挙制施行
1961年 英国自治領
1966年 英国連邦加盟国且つ英連邦王国として独立
1976年 総選挙、バルバドス労働党(BLP)政権成立、アダムス首相就任
1981年 総選挙、BLP政権継続、アダムス首相再任
1986年 総選挙、民主労働党政権(DLP)成立、バロウ首相就任
1987年 バロウ首相の逝去により、サンディフォード首相就任
1991年 総選挙、DLP政権継続、サンディフォード首相再任
1994年 総選挙、BLP政権成立、アーサー首相就任
1999年 総選挙、BLP政権継続、アーサー首相再任
2003年 総選挙、BLP政権継続、アーサー首相再任
2008年 総選挙、DLP政権成立、トンプソン首相就任
2010年 トンプソン首相の逝去により、スチュアート首相就任
2013年 総選挙、DLP政権成立、スチュアート首相再任
2018年 総選挙、BLP政権成立、モトリー首相就任
2021年 共和制移行、メイソン初代大統領就任
2022年 総選挙、BLP政権継続、モトリー首相再任

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

サンドラ・プルネッラ・メイソン大統領

3 議会

二院制(上院21名、下院30名)

4 政府

  • (1)首相名 ミア・モトリー
  • (2)外相名 ケリー・シモンズ

5 内政

  1. 独立前の1961年以来、民主労働党(DLP)及びバルバドス労働党(BLP)の二大政党による政治運営が行われてきた。(DLP政権:1961~76年、86年~94年、2008~2018年。BLP政権:76年~86年、94年~2008年、2018年~現在)。2013年2月の総選挙(下院選挙)では、DLPが30議席中16議席を獲得して辛勝し、スチュアート首相が再任された。しかし、2018年5月の総選挙において、経済の悪化や選挙日決定の遅れなどから強い批判を受けたそれまでの与党DLPが全ての議席を失い、BLPが30議席全てを獲得して10年ぶりに政権交代し、モトリー政権が発足した。
  2. モトリー政権は、2020年9月に、総督の施政方針演説において、翌年11月の独立記念日までに共和制に移行することを発表。2021年11月30日(独立記念日)に、バルバドスは共和国となり、メイソン総督が初代大統領(政治的権能を持たない象徴大統領)に就任した。なお、共和制移行後もコモンウェルスには残留。モトリー政権は同年末、2022年1月の早期総選挙実施を発表、BLPが再び30議席全てを獲得し、モトリー首相が再任された。
  3. 主要産業である観光業により高所得国に分類される一方、小島嶼国特有の脆弱性を抱え、特に経済を圧迫するエネルギー問題への対処や、2008年金融危機以降、悪化した財政再建と持続的な経済成長を目指している。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)カリブ共同体(CARICOM)原加盟国であり、域内国との協調が基軸。
  • (2)英、米、加との関係を重視しつつ、欧州諸国とも友好関係を維持。
  • (3)諸外国と協力した国内発展を目指す「開発の外交」を標榜し、中東・アフリカ諸国との経済連携も強化。また、2024年9月、アジア、中東・アフリカ及び中南米を中心に全70か国が加盟する気候脆弱性フォーラム議長国に就任するなど、国際的な気候変動分野や国際開発・金融分野で指導力を発揮している。
  • (4)キューバ、中国、北朝鮮とも国交を有する。

2 軍事力

(1)予算
51.6百万米ドル(2024年 ミリタリーバランス2025)
(2)兵役
志願制
(3)兵力
610人(陸軍500人 沿岸警備隊110人)、予備軍430人(2024年 ミリタリーバランス2025)

 カリブ地域安全保障システム(RSS)本部が所在。
(注)RSSは、バルバドス、ガイアナ及び東カリブ諸国機構(OECS)加盟国の8か国にて構成される地域安全保障組織。

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

観光業、金融業

2 GNI

60億5,000万米ドル(2023年 世銀)

3 一人当たりGNI

21,280米ドル(2023年 世銀)

4 GDP成長率

4.1%(2023年 世銀)

5 インフレ率

2%(2025年推定値 IMF)

6 失業率

7.5(2024年 世銀)

7 総貿易額

(1)輸出
4億9,800万ドル(2022年 WTO)
(2)輸入
21億5,100万米ドル(2022年 WTO)

8 主要貿易品目

(1)輸出
燃料、農産物(アルコール飲料)(2021年 WTO)
(2)輸入
燃料、輸送機械、農産品(2021年 WTO)

9 主要貿易相手国

(1)輸出
米国、ジャマイカ、ガイアナ、トリニダード・トバゴ、EU(2021年 WTO)
(2)輸入
米国、トリニダード・トバゴ、EU、英国、中国(2021年 WTO)

10 通貨

バルバドス・ドル(BD.$)

11 為替レート

1米ドル=2.0BD.$(固定相場制)

12 経済概況

 観光産業を中心とする経済構造。2006年1月、CARICOM単一市場(CSM)が実施された。2008年の金融危機以降、観光業の落ち込みにより経済状況が悪化、2018年には公的債務のGDP比が126%に達するなど、財政再建が課題となった。
 モトリー政権は、2018年8月に経済再建・改革計画を発表。2019年は財政再建が順調にすすめられたが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により17.9%のマイナス成長を記録したものの、引き続き、国際開発金融機関等と連携の下、公的債務削減に努めており、2036年までに公的債務のGDP比60%を目指している。

経済協力

日本の援助実績(累計)

1 有償資金協力
(2020年度まで、交換公文ベース) なし
2 無償資金協力
(2020年度まで、交換公文ベース) 1.10億円
3 技術協力実績
(2020年度まで、JICAベース) 13.00億円

二国間関係

1 政治関係

 1966年11月30日の独立と同時に、日本はこれを承認。1967年9月27日外交関係開設(当初は我が方は在ベネズエラ大使館が兼轄)。1980年2月より在トリニダード・トバゴ大使館が兼轄。日本は在ブリッジタウン名誉総領事を任命していたが、2016年1月、在バルバドス大使館を開設。なお、バルバドスは駐日大使館未設置。

2 経済関係

対日貿易(2022年 財務省貿易統計)
(1)貿易額
対日輸出 1,673.1万円(2022年財務省貿易統計)
対日輸入 48億5,320.7万円(2022年財務省貿易統計)
(2)主要品目
対日輸出 アルコール飲料(蒸留酒)(2022年財務省貿易統計)
対日輸入 輸送用機器(船舶類・自動車・バス・トラック等)(2022年財務省貿易統計)

3 文化関係

1989年10月 日本舞踊公演(国際交流基金事業)
1997年9月 江崎玲於奈筑波大学長による講演
2007年11月 古武道デモンストレーション(外交樹立40周年記念行事)
2017年9月 日本人アニメ専門家による講演
2024年2月 高橋光輝デジタル・ハリウッド大学教授によるアニメ講演
2024年4月 地唄舞公演
2024年10月 日本映画祭
日本祭り
2024年11月 柔道を通した国際対話事業

4 在留邦人数

22人(2025年5月)

5 在日当該国人数

42人(2023年12月末)(法務省)

6 要人往来

(1)往訪(1989年以降)
年月 要人名
1989年 山下徳夫衆議院議員
2008年6月 木村仁外務副大臣
2017年5月 武井俊輔外務大臣政務官
2018年5月 佐藤正久外務副大臣
2018年9月 平木大作経済産業大臣政務官
2018年12月 城内実環境副大臣
2023年5月 林芳正外務大臣
2025年7月 英利外務大臣政務官
(2)来訪(1971年以降)
年月 要人名
1971年 バロウ首相
1983年 セント・ジョン通産相
1985年 アダムス首相
1986年 ヘインズ大蔵相
1988年 サンディフォード首相
1989年 サンディフォード首相
1990年5月 サンディフォード首相
1990年11月 グリーブス副首相(即位の礼)
1991年4月 サンディフォード首相
1993年11月 ティト外相(英連邦ミッション)
1994年9月 ゴッダード外務担当閣外相(ITU京都会議)
1997年11月 トンプソン保健相(COP3京都会議)
1999年8月~9月 カミンス・バルバドス博物館・歴史協会会長(文化人招聘)
2000年11月 ミラー副首相兼外務・外国貿易相(第1回日・カリコム外相会議)
2004年2月 ミラー外務兼貿易相(英連邦貿易担当大臣ミッション)
2005年4月 ミラー外務兼貿易相
バーカー財務省政務官(IDB総会)
2005年8月 シモンズ外交貿易担当閣外相(高級実務者招へい)
2009年11月 ボイス財務・投資・通信・エネルギー担当閣外相
2010年9月 マクレーン外務・外国貿易相(第2回日・カリコム外相会議)
2012年10月 シンクラー財務・経済問題相(IMF・世銀東京年次総会)
2019年9月 キング創造的経済・文化・スポーツ相
2019年10月 メイソン総督(即位の礼)
2023年11月 ハンフリー国民強化・高齢者問題相
2024年12月 シモンズ外務・貿易相(第8回日・カリコム外相会合)

7 二国間条約・取極

  • 1986年 査証相互免除取極
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