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平成19年12月
平成19年度南西アジア高校生招聘は、アフガニスタン、インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブの8か国から各国5名ずつ(高校生4名、引率教師1名)計40名を招聘し、11月19日から28日までの期間に実施されました。
南西アジア高校生招聘は、南西アジアにおける対日理解を青少年層おいて深めることを目的として、平成13年度より実施され、今年度の実施で7回目となります。今年度より、本招聘事業は、青少年交流を通じた対日理解促進を目的とする「21世紀東アジア青少年大交流計画」(本年1月に開催された第2回東アジア首脳会議(EAS)において、安倍総理(当時)より表明)の一環として、我が国が南アジア地域協力連合(SAARC)に対して拠出している日本・SAARC特別基金を活用して実施されることとなり、被招聘国数は6か国から8か国に(全SAARC加盟国)、招聘人数も30名から40名へと拡大しました。また本年度の招聘では、対日理解の促進を図るとともに、近年国際社会が全体で取り組むべき喫緊の課題とされる環境問題への理解を深めてもらうことにも焦点をあて、主に以下のプログラムを実施しました。
参加者達は全日程の最初のプログラムである日本語教室において、日本人と基本的なコミュニケーションがとれるよう簡単な挨拶や質問の仕方などを教わりました。参加者達は自発的に声に出して練習し、分かりにくい部分についてはお互いに助け合って、積極的に取り組んでいました。
宇野大臣政務官主催歓迎レセプションには招聘された高校生及び引率教師の計40名の他、在京大使及び在京大使館関係者、南西アジア諸国関連有識者及びホストファミリーなど総勢約100名が出席しました。冒頭、宇野大臣政務官より、被招聘者の出身国の言語により挨拶を行い、今年度の南西アジア高校生招聘のテーマである「環境問題」に関し、高校生達が各環境関連施設の訪問を通じて自らの考えを深めること、及び今次招聘が将来の日本と南西アジア諸国の友好関係のさらなる発展に貢献することに対する期待が述べられました。
次に、各国より1名の代表がスピーチを行い、その後各国の高校生による詩の朗読、歌、伝統舞踊などのパフォーマンスが披露されました。このパフォーマンスではどの国の高校生達も、自国の文化を披露することに非常に意欲的に取り組んでいました。また、パキスタンの高校生達がパキスタンの音楽に合わせてダンスを披露した際には、他国の参加者を誘って一緒に踊る場面も見られました。
参加者は埼玉大学を訪問し、埼玉大学大学院理工学研究科の藤野准教授より環境問題の基本的な講義を受けました。その後弓道部を訪問し、日本の伝統的武道である弓道を鑑賞し、学生との交流を行いました。高校生の中には、「エンジニアを志しているが、今回の大学訪問で、将来日本に留学したいと思った」と日本留学に興味を持つ参加者もおり、非常に有意義な訪問となったようです。
環境に関しては、パナソニックセンター、中央防波堤埋立処分場、東京都下水道局水リサイクルセンター、ストップおんだん館など、省エネルギー、水問題、温暖化、ゴミ問題といった様々な環境分野に関連する施設を見学しました。東京都下水道局水リサイクルセンターでは、汚水が綺麗な水になっていく過程を大変興味深く見学していました。ストップおんだん館では温暖化の問題を実験を中心に体感しながら学びました。参加者たちは今回の視察で学んだ環境の知識及び日本の環境関連施設の高い技術を、自分の国の人にも伝えたいと感想を述べていました。
各参加者は一泊二日のホームステイで、日本の一般家庭の生活を体験しました。各家庭で日本食を体験し、お台場や六本木ヒルズなどの観光スポットに出かけ、楽しい時を過ごしました。
広島では、平和記念資料館にて広島市国際平和推進部の職員より平和への取組について講義を受けた後、被爆者の被爆体験に基づく講話を聞きました。どの参加者達も広島での平和に関する話は、非常に印象深く、原爆がもたらした惨状に心が痛んだと感想を述べていました。
京都では金閣寺や三十三間堂を訪問し、その後ハンカチ染め体験など、日本の伝統文化に触れました。
平成19年度南西アジア高校生招聘は、埼玉大学の皆様、各訪問施設の職員の皆様、ホストファミリーの皆様のご協力を頂きまして、有意義な滞在となりました。この招聘をきっかけに、参加した高校生達が日本と自国との架け橋となり、日本と南西アジア諸国の友好関係が一層深まることを期待します。