外交史料館

概説と主な展示史料

平成25年7月22日
 1613年(慶長18年)、仙台藩主伊達政宗(だて・まさむね)は、大御所(前征夷大将軍)徳川家康(とくがわ・いえやす)の許可を得て、スペインに向け支倉常長(はせくら・つねなが)を大使とする使節を派遣しました(慶長遣欧使節)。支倉一行は、日本人として初めて太平洋と大西洋を横断し、翌1614年にスペインに到着し、国王フェリペ3世(FelipeIII)への謁見を果たしています。彼らはスペインに対する日本からの最初の公式な使節であり、その派遣は日本・スペイン関係の端緒となる重要な出来事として歴史に刻まれています。
 今回、慶長遣欧使節に関する資料として、伊達政宗がセビリア市宛に送った書状のレプリカを在日スペイン大使館から出展していただきました。
 この書状は、1614年10月27日、支倉常長からセビリア市長に捧呈されました。書状には、使節に同行した宣教師ルイス・ソテロ(Luis Sotelo)が仙台藩にキリスト教を伝え、その素晴らしさを理解したので、キリスト教徒になることを希望する。そこで、スペイン国王とローマ教皇にこちらの願いが叶うように依頼するため、ソテロに頼み、支倉常長を遣わしたこと。また、セビリア市は繁栄しており、格別に重要に思っているので、毎年日本からセビリアに渡航させたいことなどが記されています。

展示史料
展示史料伊達政宗よりセビリア市宛書状(レプリカ)

在日スペイン大使館提供(原本はセビリア市文書館所蔵)

  • (写真)伊達政宗よりセビリア市宛書状(レプリカ)(提供:在日スペイン大使館)
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