外務大臣

平成25年4月11日
 4月10日12時30分頃から約1時間40分,ロンドンの駐英日本大使公邸において,岸田文雄外務大臣は,ラヴロフ,セルゲイ・ヴィクトロヴィチ・ロシア連邦外務大臣(Lavrov, Sergey Viktorovich, Minister of Foreign Affairs of the Russian Federation)との間で,ワーキングランチ形式で外相会談を行ったところ,概要は以下のとおり。岸田外務大臣とラヴロフ外務大臣の会談は,2月に行われた電話会談を除き,今回が初めて。1955年から56年にかけて松本・マリク両全権間で日ソ国交正常化交渉が行われた歴史的な場所である駐英日本大使公邸で,率直な意見交換が行われた。

1.冒頭,岸田大臣から,安倍晋三内閣総理大臣は,ロシアとの関係を重視しており,岸田大臣自身,安全保障,経済を含むあらゆる分野で協力を進めていくことが日露両国の国益に資すると確信している旨述べた。また,岸田大臣から,今度の安倍総理の公式訪露を,今後の日露関係の発展に弾みと長期的方向性を与えるものとすべく,ラヴロフ外相との間で緊密に協力していきたい旨述べた。これに対しラヴロフ外相から,安倍総理の日露関係発展に向けた意欲を完全に共有する,安倍総理の訪露の成功に強い関心を持っている旨述べた。

2.岸田大臣から,総理訪露の意義として(1)安倍総理とプーチン大統領の個人的信頼関係の構築,(2)日露関係全体の発展の方向性を示す,(3)北方領土交渉の再スタートの三つを挙げ,ラヴロフ外相との間で認識を共有した。

  • 岸田大臣から,(1)の関連で,首脳や外相同士の緊密な会談・協議の機会を設けることが重要である旨述べ,ラヴロフ外相から賛意が示された。

  • (2)の関連で,安全保障分野,経済分野,国際場裡の協力等の様々な分野で日露協力を進展させることで一致し,特に,安全保障については,アジア太平洋地域をはじめ世界の戦略環境が変化する中で,国際テロリズムやサイバーセキュリティなどの分野も含め,日露両国が安全保障・防衛分野で協力や交流を深めることにつき見解が一致した。また,北朝鮮が繰り返している挑発的言動に対して,国際社会が一致して断固たる対応をとることが重要との点で一致した。

  • (3)の関連で,岸田大臣から,日露二国間の最大の懸案である北方領土問題の解決に向けて,安倍総理の訪露の際に交渉の再スタートにつき合意することが重要である旨強調し,この点について意見交換が行われた。

3.岸田大臣から,総理訪露のフォローアップとして,総理訪露終了後適切なタイミングでのラヴロフ外相の訪日を招請し,また,その後然るべき時期に自分自身(岸田大臣)が訪露することを楽しみにしている旨述べた。         

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