公邸料理人

平成25年8月26日
外務大臣表彰式授与式(吉川大使夫妻と)
厨房で料理をしている様子
橋田大三公邸料理人と大皿にきれいに盛り付けられたフルーツ

 パリに所在する経済開発協力機構(OECD)日本政府代表部の公邸料理長である橋田大三(はしだ・だいぞう)さんは、私が駐スペイン大使を務めていた頃から、和食を専門とする公邸料理人として、日夜活躍してもらっています。途中、私が本省勤務となった約1年2ヶ月の間は、地中海の国キプロスで日本食レストランの料理長を務めていましたが、2010年8月からOECD代表部大使を務めることとなった私のために同店を辞し、再び公邸料理人として私の外交活動を支えていただいています。

 橋田さんはタオルが有名な愛媛県今治市の出身で、今治、京都、横浜など国内各地の日本料理店で働いた豊富な経験を持った料理人ですが、スペイン南部のマラガで一時期働いた経験から、再度スペインに行く機会を探していた折りに私とのご縁があり、マドリードに来ていただいたという経緯があります。

 日本政府の代表として日本の立場や考え方をOECDの場で正しく主張し理解を得るためには、政治、経済のみならず、芸術やファッションなど広範な分野で国際的に活躍している方からも広く情報や知見を得ることが大切です。このため、パリ郊外のヌイィ・シュール・セーヌ市に所在する公邸にお招きする相手は、OECD関係者や各国の外交官にとどまりません。また、会食の回数は、世界中にある日本の公館の中でも屈指の数にのぼります。更に、毎年6月には総勢400名を超えるガーデンパーティーを、また、時には著名なピアニストやデザイナーのご協力を得てホーム・コンサートを催すなど様々な機会を通じて、日本食を中心とする「和のおもてなし」文化を大勢のお客様に堪能していただくよう心がけています。

 橋田料理長は、舌の肥えたお客様を相手に、和食調理を通じて「おもてなし」の心を見事に体現してくれています。私の日々の外交活動は、橋田料理長の働きなしには語ることができません。橋田さんは、2010年10月、在スペイン日本大使館の公邸料理長として勤務した際の貢献が評価され、優秀公邸料理長として外務大臣表彰を受賞されました(上記写真)。

OECD日本政府代表部大使 吉川元偉

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