公邸料理人

(在モントリオール総領事館・角田健公邸料理人)

平成25年5月8日
(写真)新井総領事講演会「和食入門」でのデモンストレーション(2013年2月11日) 新井総領事講演会「和食入門」でのデモンストレーション
(2013年2月11日)
(写真)総領事公邸夕食会のための準備(2013年5月1日) 総領事公邸夕食会のための準備
(2013年5月1日)
 角田健(つのだ・たけし)氏がモントリオールに来て1年が経ちました。北米のカナダにありながら,フランス語を話し,昔のフランス文化が色濃く残るこの街では,10年ぐらい前から,日本食,特に「Sushi」がブームとなりました。しかし,日本食レストランの多くは,十分な和食の修行を受けていない料理人が調理していることもあり,本当の日本の味に出会える場所は,モントリオールでもそう多くはありません。

 角田氏は高校を卒業し,調理師専門学校で技術を磨き,その後は東京でも名高い日本料理店で,さらにロンドンの日本料理店で勤務した経験を持つ,日本食のスペシャリストです。総領事公邸での会食では,当地で調達できる食材を,アイデアを絞りながら使用し,毎回異なる懐石料理を出し,招待者を感嘆させています。招待者からは,「モントリオールで最も美味しい日本食が食べられる場所」とも言われています。

 器に季節を表現する葉などをあしらい,見た目でまず招待客を驚かせ,次に味でうならせます。デザートでは,時間をかけて練り菓子を作ったり,また,豚骨スープを前日から用意し,日本のラーメンを紹介したりすることもあります。一回,一回の会食を大切に,時間をかけ用意し,外交活動を裏側から支えています。

 着席の会食だけでなく,季節の良い夏には,庭を開放して大勢の招待客を呼んで,レセプションを行うこともしばしばあります。若い招待客が多いときには,和風バーベキューをしたり,海苔巻きを沢山作ったりと,工夫をしています。

 角田氏の活動範囲は,公邸だけにとどまりません。毎年,秋に,日本料理を紹介する文化事業をモントリオール市植物園で行っていますが,前回は,日本人料理人の一人として前日から用意を行い,当日はボランティアとして盛りつけ等を担当しました。また,新井在モントリオール総領事が「和食入門」と題して講演会を開催した際は,お寿司の作り方をデモンストレーションするなど,「本当の日本食」の普及に尽力しています。

 まだまだ若い角田氏。今後,モントリオールで,「本当の日本食」を知ってもらうために,さらに活動の場を広げることでしょう。
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