
第10回国際エネルギー・フォーラム
及び第2回国際エネルギー・ビジネス・フォーラム
主催国及び共催国による結語(仮訳)
2006年4月22-24日
於:カタール・ドーハ
- 4月22-24日、第10回国際エネルギー・フォーラム(IEF)閣僚会合が、59カ国及び6国際機関の参加を得、カタールのドーハで開催された。世界的にエネルギーへの懸念が高まる中、各国閣僚は「未来への燃料供給-エネルギー安全保障、責任の共有-」とのテーマの下、エネルギー資源と市場、エネルギー部門への投資、協力のための枠組の改善に関する幅広い問題について議論を行った。
- 官民間の対話と協力の重要性を認識しつつ、その後行われる閣僚会合に向け貴重なインプットを行うべく、32のエネルギー関連企業が集った第2回国際エネルギー・ビジネス・フォーラム(IEBF)の場において、閣僚は、主要なエネルギー企業の代表と意見交換を行った。
- 閣僚は、世界の経済成長は、高騰する油価と激しく変動する市場にもかかわらず、依然として強力であることに留意した。閣僚は、高油価が、特に途上国において、経済成長に影響を与えうるとの懸念を表明した。閣僚は、市場変動の減少と価格の安定への関心を共有する旨、再確認した。
- 長年にわたるありあまる安価なエネルギーが、無関心を産み、生活のあらゆる面においてエネルギーの果たす重要な役割を覆い隠してしまった。エネルギーの信頼性、安定性、入手可能性が脅かされ得る状況が一般的になる中、このフォーラムでは、これらの脅威を消し去る、あるいは少なくとも減少させるため、対話と協力を強化する必要性を打ち出した。
- 第9回のアムステルダム会合以来見られるエネルギー供給段階における隘路、欠陥、及び余力不足に対し、真剣な対策をとることが必要である。閣僚は、今後の世界経済の成長と社会発展に対して必要とされる相当のエネルギー需要の増加を満たす、エネルギー需給全段階における投資の増大を求めた。
- IEA及びOPECにより発表された考察に基づき、世界のエネルギー需要を満たすためには今後も化石燃料へ大きく依存し続けるとフォーラムは認識した。予想されるエネルギー需要を満たすための化石燃料資源が十分に利用可能であることに留意した上で、フォーラムは、クリーンな化石燃料技術の開発、代替可能なエネルギー及び効率の向上を加速させる必要性を強調した。
- 新しい投資に加えて、技術もまた、エネルギー供給を増加・多様化させ、エネルギー効率を向上させ、またプロジェクト費用を削減させることにより、将来のエネルギー需要を満たす上で主要な役割を果たす。
- エネルギー業界における政治的要素の影響を、可能な場合には減らすことが有益である旨表明された。
- ビジネス・フォーラムからの意見に同調し、閣僚は、エネルギー業界全体における人材不足を、企業及び政府双方が共に対処すべき問題として認識した。フォーラムは、エネルギー業界における運営・研究の為の専門家を供給するため、エネルギー分野における教育・訓練を促進する必要性を強調した。
- 閣僚は、供給段階全体を通じた、産油国と消費国、そして国営石油企業と国際石油企業の相互及び共同投資の可能性に言及した。これにより相互依存が確立され、エネルギー部門における投資総量が増大し、エネルギー安全保障が向上するであろう。
- フォーラムは、公平で透明性のある経済、財政、法的規制枠組、及び良い統治に支えられた、市場、資源、技術及び金融サービスへのアクセス向上が、産油国、消費国双方の長期にわたるエネルギー安全保障のために必要不可欠であることを強調した。
- フォーラムは、事業計画を支え、世界のエネルギー安全保障を強化するとともに、安定した投資環境を提供する、市場の予見可能性と安定性のため、エネルギー関連データの透明性と交換の重要性を強調した。閣僚は、適時且つ正確なデータをJODIへ提供するというコミットメントを再確認し、やがてはこのイニシアティブを、世界のエネルギー・ミックスにおいて重要な他のエネルギー資源のデータを含むものに拡大する上で協力することを検討した。
- 閣僚は、IEFにおける15年に及ぶ政治レベルの対話の成果を再確認し、対話のプロセス及びIEF事務局の任務遂行への協力を確認した。
イタリアは、2008年の第11回IEFをインド及びメキシコとの共催により開催する。