高橋千秋外務副大臣は,7月19日及び20日にワシントンDCを訪問し,世界サービス・サミット(注)に出席した他,米国政府関係者との間で会談を行ったところ,概要以下のとおりです。
(注)米サービス産業連盟(金融,IT,郵便など,サービス分野における45の米国企業・団体からなる連盟)が主催する,サービス貿易の拡大及びサービス産業の競争力向上等を目的とした会合。第1回は2009年10月,第2回は2010年9月に開催。今回はそれに次ぐ3回目。
1. 世界サービス・サミット(7月20日午前)
「アジア経済のダイナミズム」をテーマとし,カーク米国通商代表,フェラーリ・メキシコ経済大臣,各国の高級事務レベル及びサービス産業界幹部等,官民双方の多数の出席者を得て,アジア地域におけるサービス産業及び貿易に関する最新の議題について幅広く議論が行われました。
高橋副大臣は,「アジア地域における競争環境」との議題で講演を行い,東日本大震災への対応状況や各国からの支援についての感謝を述べた上で,サービス貿易における中国の役割,我が国が昨年議長を務めたAPECやEPA・FTA交渉での我が国の取組についても説明しました。また,高橋副大臣から,今後もアジア地域におけるサービス貿易の促進やそのための21世紀型のルール作りに積極的に関与し続ける旨を表明しました(講演英文及び和文仮訳)。
さらに,高橋副大臣が参加したパネルディスカッションでは,アジア地域とのサービス貿易をどのように強化していくのかについて議論が行われました。
2. 米国政府関係者との会談(7月20日午後)
マランティス次席通商代表との会談では,日米二国間の貿易・投資関係,TPPを含むEPA/FTA等について意見交換を行い,今後も経済面での協力を深めていくことを確認しました。また,11月のAPEC首脳会議に向けて協力を進めていくことで一致しました。
ナイズ国務副長官との会談では,東日本大震災後の我が国の対応を含め,様々な分野にわたって意見交換を行いました。この中で,先方から今後の我が国のエネルギー政策の見通しについて照会があり,また,エネルギー分野で日本との協力を深めていきたいとの発言がありました。更に,「復興に関する日米官民パートナーシップ」をさらに進展できるよう協議を深めていくことで一致しました。