外務本省

松本外務副大臣のエチオピア訪問・AU閣僚執行理事会出席(概要)

平成23年1月31日

 1月25日及び27日から28日まで,松本外務副大臣は,アフリカ連合(AU)閣僚執行理事会が開催されているアディスアベバ(エチオピア)を訪問したところ,概要は以下のとおり。

ポイント:AU53ヶ国の外相及び域外国よりの閣僚等の前で日本代表としてスピーチを行った他,日AUハイレベル政策協議,エチオピアを含む15名の外相等との二国間会談を実施する等,充実した訪問となった。

1.日AUハイレベル政策協議の実施 (25日)

 25日,AUのジャン・ピン委員長との間で,日・AU関係強化に関する意見交換を実施。本協議は昨年8月のピン委員長訪日時に発出された「日・AU協力強化に関する共同コミュニケ」のフォローアップとして初めて開催されたハイレベル政策協議であり,松本副大臣からは,AU委員会(AUC)をTICAD共催者に迎えた最初の年である本年,TICADプロセスにおいて緊密に連携していきたい旨発言するとともに,我が国は開発分野,平和・安全保障分野におけるAUの取組を支持し,引き続き貢献を行っていく旨述べた。AUC側からは,TICADプロセスをはじめとする日本の長年の支援に対する感謝が述べられ,AUCが取り組む平和・安全保障,経済,農業,教育等の各分野に亘って今後も協力を強化したい旨発言。また,気候変動や安保理改革等のグローバルな課題に対しても日本とAUCが協力して取り組んでいくことが確認された。

2.AU閣僚執行理事会開会式でのスピーチ (27日午前)

AU閣僚執行理事会開会式でスピーチをする松本外務副大臣

 27日,AU閣僚執行理事会に参加したアフリカ各国の閣僚級代表を前にスピーチ(和文英文仏文)を行い,我が国はスーダン,ソマリア,チュニジア,コートジボワールの地域問題にも触れつつ,「平和と安定への貢献」,「開発支援と貿易投資の拡大」そして気候変動や安保理改革等の「グローバルな課題への対応」という3本柱を中心に対アフリカ外交を力強く展開していく旨述べ,次回のTICAD IV閣僚級フォローアップ会合を本年4月末から5月第1週の間にセネガルにて開催予定であることを発表,アフリカ各国外相に出席を呼びかけた。また,「日・AU協力強化に関する共同コミュニケ」」を軸として,今後も引き続き日・AU間の協力関係を一層強化していく方針であることを述べた。

3.日・エチオピア二国間会談 (27日昼)

 27日,ハイレマリアム・エチオピア副首相兼外務大臣と会談を実施。我が方からは「ハ」大臣の訪日を招請するとともに,エチオピアの5カ年開発計画(GTP)への支援の方針を伝えた。また,東アフリカの地域情勢にかかる意見交換を行った。エチオピア側からは我が国の支援に対する感謝が表明され,今後ともカイゼン・プロジェクトをはじめとする産業開発支援,貿易・投資の促進等を通じて良好な二国間関係を強化していくことで意見が一致した。

4.二国間会談 (27・28日)

  1. (1) ドラミニ・スワジランド外務・国際協力大臣,カマール・ハサン・アリー・スーダン外務担当国務大臣,カク・ジェルヴェ・コートジボワール外務大臣,オマール・ソマリア「外務大臣」,オイヌ・トーゴ外務・協力大臣,メンベ・タンザニア外務・国際協力大臣,エウスタキオ赤道ギニア外務・国際協力・仏語圏大臣,サイトティ・ケニア国内治安・州行政大臣(外務大臣代行),パンデ・ザンビア外務大臣,ニョン・セネガル外務大臣,ムシキワボ・ルワンダ外務・協力大臣,クーサー・リビア対外連絡・国際協力担当書記,アウグスト・アンゴラ外務長官,アイニマ・ナミビア大統領特別補佐官(及びハイレマリアム・エチオピア副首相兼外務大臣)の計15名と二国間会談を実施。これに加え,ラッド・オーストラリア外務大臣,ジャン・ピンAU委員長,マシャバネ・南アフリカ国際関係・協力大臣,カーン・パキスタン外務担当国務大臣他と挨拶を交わした。
  2. (2) 各会談において,松本副大臣からは,以下の点等を中心に発言。
    1. (イ) 我が国は,アフリカの平和と安全保障およびガバナンスの重要性を認識し,今後も協力を進めていく。
    2. (ロ) アフリカへの開発支援,貿易投資の拡大に向けても,引き続きTICAD IVにて発表した公約を着実に実施しつつ,協力を行っていく。次回のTICAD IV閣僚級フォローアップ会合は,本年4月末から5月第1週の間にセネガルで開催する予定。
    3. (ハ) 気候変動に関する交渉の前進に向けて緊密な協力を行っていきたい。日本はアフリカ諸国を含む途上国への支援を実施する。
    4. (ニ) 国際社会を代表するにふさわしい正統性を備えた国連安保理の実現に向けた改革の早期実現に向け,アフリカとの協力を強化していきたい。
  3. (3) 各国外相等からは,日本のアフリカ重視の姿勢や我が国からのTICADをはじめとする協力に対する高い評価が表明される(セネガルで開催予定の第3回TICAD IV閣僚級フォローアップ会合への出席希望も多数表明)とともに,更なる協力強化に向け,各国の重視する分野や喫緊の課題にかかる協力につき要請や期待の表明があった。安保理改革をはじめとする国際場裡における協力に関しては,目標実現のための協力強化の必要性について一致した。

5.その他 (28日午後)

 松本副大臣は,28日午後,アディスアベバ・ラピ・ジャパン小学校(我が国のノン・プロジェクト無償資金協力により建設),コーヒー品質管理所,カイゼン・サイト(「マル」金属加工所。我が国が「カイゼン・プロジェクト」で技術協力を実施)をそれぞれ視察した。

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