アフリカ開発会議(TICAD)
国連開発計画(UNDP)主催
「アフリカ人間開発報告書2016」発表式典
岸田外務大臣スピーチ
(平成28年8月28日13時~14時30分
(ケニヤッタ国際会議場(KICC))


ケニヤッタ大統領閣下,
ズマ・アフリカ連合委員長,
クラーク国連開発計画総裁,
各国,国際機関の代表の皆様
御列席の皆様,
本日,「アフリカ人間開発報告書2016」の発表という重要な機会に立ち会えることを大変光栄に思います。
今回の報告書は,アフリカのジェンダー平等と女性のエンパワーメントの加速という,アフリカの未来への投資に不可欠なテーマに焦点を当てています。
女性の能力の開花こそが一国の未来の可能性を切り拓く鍵です。この認識が,2030アジェンダを始めとする国際的な取組はもちろん,アフリカ自身のアジェンダ2063や,AUが女性の人権を本年のテーマに掲げていることにも明確に示されている中での報告書の発表は,極めて時宜を得たものです。
私自身,2年前にTICADプロセスの一環で訪れたカメルーンで,「アフリカの女性が輝く時,アフリカは必ず輝く」と申し上げました。その確信は,今回,このケニアの地でも多くの女性が活躍する姿を目の当たりにして,ますます強くなっています。
我が国の重要なパートナーであるUNDPが,クラーク総裁の指導の下で,AUと連携して今回の報告書をまとめたことに心から敬意を表します。
御列席の皆様,
この分野で世界の先頭に立とうと決意している我が国は,そのための具体的な指針として,本年5月,G7伊勢志摩サミットに先立ち,女性の権利の尊重,能力の発揮,リーダーシップの向上を重点分野とする「女性の活躍推進のための開発戦略」を策定しました。
この決意を,アフリカの地においても着実に実行していきます。日本は,コンゴ民主共和国での女性警察官の能力強化を含む国家警察民主化研修,スーダンでの母子の疾病・死亡率の改善のためのプライマリーヘルスケア拡大支援を実施しています。
今般のTICADにおける我が国貢献のコンセプトも「Quality and Empowerment」です。G7伊勢志摩サミットで発表した「国際保健のためのG7伊勢志摩ビジョン」の実施,母子保健の促進,女性実業家支援など,アフリカにおける女性の活躍を一層後押しすることをお約束します。
御列席の皆様,
アフリカが世界の希望を担う大陸であるとすれば,その希望を実現する鍵は,アフリカの女性の活躍の推進に他なりません。我が国は,今後とも,UNDPを始めとする国際機関とも一層連携しつつ,アフリカ諸国と手を携えて,この取組を支援していく考えです。
御清聴ありがとうございました。