アフリカ
TICAD官民円卓会議第1回会合
議事要旨
1.日時
平成25年12月19日(木曜日)15時00分~16時40分
2.場所
外務省講堂(新庁舎7階)
3.出席者
(1)外務省(岡村アフリカ部長,梅田国際協力局長他),経済産業省,財務省,
政府系機関(JICA,JBIC,JOGMEC,JETRO,NEXI),その
他関係省庁
(2)経団連,経済同友会,民間企業31社の関係者
(3)逢沢一郎日AU議連会長,在京国際機関,その他団体
4.議題
(1)官民円卓会議の趣旨及び今後の活動に関する説明
(2)アフリカビジネス振興サポートネットワークポータルサイトに関する説明
(3)TICADVフォローアップの現状及び今後の情報提供のあり方についての
政府側からの発言・説明
(4)質疑応答・意見交換
5.議事概要
(1)冒頭,岡村外務省アフリカ部長より,2013年6月に開催されたTICA
DVではアフリカを「ビジネスパートナー」と位置づけたこと,官民連携,すなわ
ちビジネスの進出とODAの発動,政府間の協議を適確に連動させることにより,
アフリカに対する我が国の取組をより戦略的かつ効果的に進めることの重要性に
言及しつつ,TICADVに先駆けて開催された「TICADV推進官民連携協議
会」での議論と提言が,TICADVで我が国が打ち出したアフリカ支援策に結実
した旨述べた。
また,TICADVを契機に高まった対アフリカビジネスの期待を維持・発展さ
せるために,アフリカビジネスを促進するための官民連携の枠組として「TICA
D官民円卓会議」を発足させたこと,第1回会合では,政府側からTICADVフ
ォローアップの現状及びアフリカビジネスに関する情報提供のあり方について報
告を行い,参加企業からの意見交換を通じて,今後の具体的な取組の方向性を見出
したい旨述べた。
(2)加瀬経団連サブサハラ地域委員会委員長より,TICADVに先立ち提出し
た経団連の提言(戦略的重点地域を特定したODAの集中と選択,ビジネス環境の
整備など)が「横浜行動計画2013-2017」(以下,行動計画)に反映され
たことを評価する,行動計画で発表された日本政府の施策は官民一体の取組を推し
進める期待通りの内容であり,経団連としてもフォローアップし,出来る限りの協
力をしていきたい旨述べた。
また,官民の対話の枠組である「TICAD官民円卓会議」の設置を評価し,日
本政府の施策の実施を加速するための方法を提案していく,現地で日本企業がビジ
ネスを行うには多くの課題があり,投資協定の締結の拡大や現地政府を巻き込んだ
官民政策対話の整備が対アフリカビジネス促進では重要であること,経団連として
もビジネスを通じてアフリカの発展に貢献していきたい旨述べた。
(3)関山経済同友会TICADV支援・フォローアッププロジェクトチーム委員
長より,中長期的な視点からアフリカ支援に対する提言(人づくり・国づくりへの
貢献,戦略的・柔軟なODAの活用,地域経済共同体(RECs)への支援など)
を2013年2月に政府に提出したこと,日本政府が発表したアフリカ支援パッケ
ージは,インフラ整備や人材育成を重視しており,経済同友会の提言内容が反映さ
れており評価する旨述べた。
また,日本側の取組や支援策の進捗状況をアフリカ側に伝える情報発信の強化が
必要であり,円卓会議がアフリカビジネスの情報発信の強化につながるよう経済同
友会としても協力していきたい旨述べた。
(4)官民円卓会議の趣旨及び今後の活動に関する説明
外務省より,官民円卓会議は,(1)TICADV支援策の実施に関する官民の情報
共有及び意見交換,並びに(2)アフリカビジネスに関する情報集約及び対外発信,を
目的に活動する旨説明。また,実務レベル会合の随時開催,アフリカビジネス振興
サポートネットワークポータルサイトの立ち上げ,関連行事(セミナーなど)の開
催についても説明。
(5)アフリカビジネス振興サポートネットワークポータルサイトに関する説明
アフリカ開発銀行アジア代表事務所より,1月21日にオープン予定のアフリカ
ビジネス振興サポートネットワークポータルサイト(AB-NET)
(http://ab-network.jp/)の内容について説明。同サイトは,政府機関,在京ア
フリカ大使館,民間企業など様々なアフリカビジネス関係者の協力を得て,アフリ
カビジネス促進のための共通のプラットホームを民間企業に提供することを目的
に開設した旨説明。
(6)TICADVフォローアップの現状及び今後の情報提供のあり方についての
政府側からの発言・説明
(ア)外務省
戦略的マスタープランの進捗状況について説明するとともに,2013年11月
に実施したアフリカ貿易・投資促進合同ミッションの派遣(コンゴ共和国,ガボン,
コートジボワール),ビジネス環境改善に向けた取組の進捗状況,アフリカの政治・
経済情勢に関する情報の提供について報告。
(イ)経済産業省
「信頼できるビジネスパートナー」をテーマに打ち出した支援策(日本企業のア
フリカ進出・投資促進,インフラ整備の推進,雇用創出・人材育成,環境分野の協
力・地域社会との共生)の進捗状況につき説明。
(ウ)財務省
アフリカ開発銀行(AfDB)を通じたアフリカ支援を始め、財務省によるアフ
リカ開発支援(JBICのアフリカ貿易投資促進ファシリティの倍増など)を紹介。
(エ)JICA
産業政策アドバイザー,TICAD産業人材育成センター,アフリカの若者のた
めの産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)の進捗状況について説
明するとともに,JICAホームページの掲載情報紹介と,これら情報のAB―N
ETへの提供を通じた情報提供について報告。
(オ)JETRO
JETROの新アフリカ戦略(日本企業の対アフリカ投資支援,双方向の貿易支
援,日本企業のインフラ整備参画支援,アフリカの地場産業や人材育成に貢献)に
ついて説明するとともに,在アフリカ進出日系企業実体調査結果について報告。
(カ)JBIC
アフリカ貿易投資促進ファシリティ,2013年の主要承諾案件について説明す
るとともに,セミナー・調査,個別面談等を通じた情報提供について報告。
(キ)JOGMEC
地質リモート・センシングセンターを通じた人材育成,鉱山防止等セミナー開催
などJOGMECのアフリカにおける活動を説明するとともに,講演会や定期刊行
物を通じた情報提供について報告。
(ク)NEXI
アフリカ向け貿易保険引受方針の緩和の取組及び実績等について説明するとと
もに,NEXIホームページや個別相談を通じた情報提供について報告。
(7)逢沢日AU議連会長より,TICADVを契機にアフリカ要人と頻繁に会う 機会が増え,政治対話や議員交流が活発になったことに触れつつ,日本の支援策の 着実な実施やビジネスの拡大に向け官民と共に協力していきたい旨述べた。また, アフリカ側との対話を通じて,援助よりも貿易の拡大を通じて国を発展させるとい う期待が大きい事を実感し,日本流のビジネス(納期を守るなど)を通じてアフリ カに貢献出来ることは大いにあり,今後とも官民円卓会議の活動を支援していきた い旨述べた。
(8)質疑応答・意見交換
参加者から出された主な質問及び意見は以下のとおり。
(ア)戦略的マスタープランなど越境的な広域プロジェクトを実施していく上での
留意点(問題が生じたときの解決方法など)。
(イ)戦略的マスタープランにおける重点国の拡大の可能性について。
(ウ)日本及びアフリカ双方のビジネス関係者による民間対話の枠組の設立の可能
性について。
(エ)アフリカの資源開発にとってインフラ整備は不可欠な要素であり,日本政府
の取組を期待。
(オ)民・民でのビジネスフォーラムの開催は難しく,官が関与して日アフリカの
民間対話の土台を作っていく必要がある。
(9)閉会
外務省より,これまでの議論を総括するとともに,TICADVを契機にアフリ
カビジネス促進の官民連携は進んでおり,地に足の着いたものにしていくには官民
による対話が重要であることにつき一致したこと,参加者より指摘のあった点につ
いては施策の実施に繋げていくこと,アフリカビジネスを展開する上で制約となっ
ている問題については,政治レベルや実務レベルなど様々な機会を活用して相手国
政府にビジネス環境の改善を働きかけていく旨述べた。