安倍総理大臣

平成26年1月14日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
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 安倍総理は,1月13日(月曜日)から14日(火曜日)までエチオピア連邦民主共和国を訪問したところ,概要は以下のとおり。

1.概要と成果

(1)安倍総理がアフリカ訪問の締めくくりとしてエチオピアを選んだのは,アフリカ連合(AU)の議長国であり,その本部を擁し,「アフリカ政治の首都」とされるアディスアベバにおいて,アフリカ諸国に対するメッセージを発することにあった。安倍総理は,AU本部において『「一人,ひとり」を強くする日本のアフリカ外交』と題する政策スピーチを実施した。人材を大切にし,ボトムアップの創意工夫を大切にする日本の支援や日本企業の組織文化こそがアフリカに必要であると説いて,アフリカが真のパートナーとして選ぶべきは日本であることを訴えた。これにより「日本らしさ」を訴えて,アフリカに対する存在感をアピールすることができた。

(2)二国間関係では,ハイレマリアム首相との首脳会談において,我が国がエチオピアで普及してきた「カイゼン」を基軸としたTICAD産業人材育成センターの設立,ABEイニシアティブ等の人材育成支援,経済構造改革に向けた産業政策対話の実施,インフラや農業分野での支援に対して高い評価を得るとともに,我が国民間企業による一層の投資が行われることへの期待感が表明された。なお,この機会に,二国間航空協定改正のための交換公文に署名し,エチオピア航空の成田空港乗り入れが可能となった。

(3)特に,南スーダン情勢に関しては,周辺国として和平仲介の中心的役割を果たし,アディスアベバで当事者間交渉を主催しているエチオピアに対し,日本としての重大な関心を踏まえた外交を行った。安倍総理からは「政府間開発機構(IGAD:エチオピアが議長国)」による仲介の取組を支持している旨伝え,当事者間の敵対行為の早期停止と今後の国民和解を求めていくことで意見の一致を見た。

(4)また,15民間企業・大学等の代表を率いて,拡大首脳会合において,エチオピアに対する我が国民間セクターの関心をアピールし,両国の投資の促進に向けた議論を行った。アフリカ大陸において最も長い80年以上の外交関係を有する同国と,これまで希薄であったビジネス関係を増進してゆくことにつき,首脳間で確認することができた。

2.具体的な行事の概要

1月13日

(1)故アベベ選手の子息とアスリートとの懇談

 安倍総理は,アディスアベバ到着後,宿舎において,故アベベ・ビキラ氏(1964年東京五輪男子マラソンの金メダリスト)の子息をはじめ,日本とゆかりのあるアスリート(ティキ・ゲラナ選手,ヤコブ・ジャソ選手)等との懇談を行った。安倍総理は,アベベ氏関連の所蔵品や,1964年東京五輪関係の写真を鑑賞した後,エチオピア陸上連盟所属の将来有望な少年少女アスリートに対しランニングシューズを寄贈した。

(2)日・エチオピア首脳会談,航空協定附属書改正E/N署名式及び共同記者発表

 13日17時(日本時間23時)から約70分間,安倍総理は,ハイレマリアム首相との間で日エチオピア首脳会談を行った。引き続き約70分間,日本企業及び団体のトップを交えた拡大首脳会合が行われ,両国の民間関係者から,投資をはじめとする経済関係のさらなる強化への取り組みにつき発言があった。首脳会談に引き続き,安倍総理は,同宮殿内で行われた二国間航空協定附属書改正E/N署名式に出席した後,ハイレマリアム首相と共同記者発表を行った。

(3)ハイレマリアム首相主催晩餐会

 上記に引き続き,安倍総理夫妻はハイレマリアム首相主催の晩餐会に出席した。

1月14日

(1)ムラトゥ大統領表敬及び大統領宮殿内の日本庭園視察

 14日9時(日本時間14日15時)から約30分間,安倍総理は大統領宮殿においてムラトゥ・テショメ大統領を表敬した。安倍総理より,駐日大使経験のあるムラトゥ大統領の大統領就任(昨年10月)に改めて祝意を述べた。これに対し,ムラトゥ大統領より,エチオピアの国づくりに対する日本のこれまでの協力につき謝意が述べられた。  また,終了後,安倍総理は,同大統領と共に宮殿内の日本庭園を視察した。

(2)安倍総理による政策スピーチ(本文別添)

 安倍総理は,アフリカ連合(AU)本部において,アフリカ政策スピーチ(『「一人,ひとり」を強くする日本のアフリカ外交』)を行った。
 安倍総理は,「カイゼン」等の実例も交えつつ,アフリカが発展・成長を続けるために,日本ならではの貢献として何ができるかとの問いへの答として,日本は人材を最も貴重な資源と捉え,「一人,ひとり」の創意と工夫を大切にしてきた,そのような思想を投資とともにもたらす日本企業は,必ずアフリカの人材育成に貢献する,日本及び日本企業との関係を強化することは,アフリカの持続的な成長に繋がる,と訴えた。
 その上で,安倍総理は,アフリカの未来に向け,日本のアフリカ外交の焦点を特に「若者」と「女性」のエンパワーメントに当てる旨表明し,「若者と女性が輝くアフリカ」を実現するため,日本が最大限協力していく旨述べた。
 また,安倍総理は,日本とアフリカ開発銀行の協調融資であるEPSAの融資額(2012年から5年間)の倍増や,南スーダンや中央アフリカを含むアフリカの紛争・災害に対応するため,約3.2億ドルの支援の実施の用意がある旨を表明した。

(3)ズマAU委員長による表敬

 アフリカ政策スピーチに続き,安倍総理はズマ委員長の表敬をAU本部内で受けた。安倍総理は,アフリカ政策スピーチで表明した女性・若者の能力活用等に向けた協力を行っていく旨,更にAUに対する,南スーダンや中央アフリカへの支援を含む500万ドルの新規支援を準備中である旨述べた。
 これに対し,ズマ委員長より,訪問歓迎の辞に続き,上記支援をはじめとする日本の各種支援につき謝意を表するとともに,人材育成及び農業の分野等で引き続き協力していきたい旨述べた。



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