東アジア首脳会議(EAS)

令和6年10月11日
東アジア首脳会議に出席する石破総理大臣 (写真提供:内閣広報室)
東アジア首脳会議が行われている様子 (写真提供:内閣広報室)

 現地時間10月11日午前10時10分(日本時間同日午後0時10分)から約2時間30分、ラオス人民民主共和国・ビエンチャンにて第19回東アジア首脳会議(EAS)が開催され、石破茂内閣総理大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 総論・地域協力

  石破総理大臣から概要以下のとおり述べました。

  • 激動する国際情勢の中で、主権・領土一体性の尊重、国際法に基づく紛争の平和的解決、武力行使の禁止といった国連憲章の原則の重要性が高まっている。
  • 世界中のどこであれ、力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはならない。地域を分断と対立ではなく協調に導くため、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくことが不可欠。
  • 日本はASEANの中心性・一体性を支えるとともに、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を一貫して支持し、AOIPの推進と主流化を積極的に後押ししていく。
  • 日本は米豪印などのEAS参加国と連携し、インド太平洋での具体的協力を推進している。
  • 日本は法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け、EASを始めとするASEAN主導の枠組みを通じた協力を強化していく考え。

2 北朝鮮

  1. 石破総理大臣から概要以下のとおり述べました。
    • 北朝鮮は、安保理決議違反の核・ミサイル活動に邁進し、また露との軍事協力を進展させていることを、深刻に懸念。
    • 朝鮮半島の平和と安定は我々全員の共通利益。国際的な不拡散体制堅持のためにも、北朝鮮の完全な非核化の実現に向け、国際社会全体の力強い対応が重要。また、拉致問題の即時解決に向け、引き続き各国の理解と協力を要請。
  2. 他の参加国からも、北朝鮮の挑発行動への懸念、ロシアとの軍事協力への懸念、朝鮮半島の非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性、拉致問題を含む人権状況への懸念等に関する発言がありました。

3 東シナ海・南シナ海、台湾等

  1. 石破総理大臣から概要以下のとおり述べました。
     東シナ海で、日本の主権を侵害する活動や挑発的な軍事活動が継続・強化されていることに強く反対する。南シナ海でも軍事化や威圧的な活動が継続・強化されており、深刻に懸念。国連海洋法条約に基づかない不当な海洋権益の主張や海洋における活動は認められない。日本は一貫して海における法の支配を支持している。比中仲裁判断の当事国がこの判断に従い、紛争が平和的に解決されることを期待する。また、台湾海峡の平和と安定は地域・国際社会にとって重要である。
     日中両国関係に関しては、東南アジア地域を含め国際社会の平和と繁栄にとって共に重要な責任を有する国であり、中国とは引き続きあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図っていく。
  2. 他の参加国からも、東シナ海・南シナ海における状況への懸念、航行・上空飛行の自由の重要性、国際法に沿った紛争の平和的解決の重要性等について発言があった他、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する発言がありました。

4 ミャンマー情勢

  1. 石破総理からミャンマー情勢について、深刻な懸念を表明し、状況の改善を求めました。さらに日本は、「5つのコンセンサス」の実施を含むASEANの取組を最大限後押しするとともに、引き続き人道支援を実施していく旨述べました。
  2. 他の参加国からも、ミャンマー情勢への深刻な懸念が表明され、「5つのコンセンサス」の履行や人道的状況への対応の重要性が強調されました。

5 ロシアによるウクライナ侵略

  1. 石破総理から、今なお続くロシアによるウクライナ侵略は国際法の明白な違反であることを指摘し、一日も早くウクライナにおける公正かつ永続的な平和を実現することが必要であると強調しました。また日本は今後ともウクライナ支援と対露制裁を継続していく旨を述べました。
  2. 他の参加国からも、ロシアによるウクライナ侵略を非難する旨の発言がありました。

6 中東情勢

  1. 中東情勢について、石破総理から、情勢のエスカレーションが地域及び国際社会全体にとって極めて危険であることは明らかであるとした上で、一致して全ての関係者に最大限の自制を働きかけるよう呼びかけました。またガザを含む人道状況改善も喫緊の課題であり、共に取り組んでいきたいと述べました。
  2. 他の参加国からも、中東情勢や人道状況に関する懸念の表明がありました。
(参考)議長声明(和文概要(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く

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