ASEAN(東南アジア諸国連合)
第27回ASEAN+3(日中韓)首脳会議
令和6年10月10日



現地時間10月10日午後2時(日本時間午後4時)から約90分間、ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンにて第27回ASEAN+3(日中韓)首脳会議が開催され、石破茂内閣総理大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。
1 開会発言
石破総理大臣から、概要以下のとおり述べました。
- ASEAN+3は、1997年のアジア金融危機を契機に発足し、地域のセーフティネット強靱化のための実務協力において重要な役割を果たしてきた。
- この地域は、多様性に富むダイナミックな世界経済の成長センター。日中韓とASEANのGDP総額は、世界全体の25%を超えており、ASEAN+3の協力には大きなポテンシャルがある。
- 地域の安定と繁栄のために、ASEAN+3協力を更に発展させ、ASEAN+3各国と共に未来を創り、未来を守りたい。
- 具体的には、本年5月、日本が主導し、チェンマイ・イニシアティブの下、緊急融資ファシリティの創設に合意した。また、日本が主導する災害リスク・ファイナンスが、被災国の迅速な復旧に貢献するもの。
- 日本は、ASEAN+3緊急米備蓄の取組を主導してきた。ASEAN食料安全保障情報システムの組織強化を含め、食料安全保障分野での協力についても議論を主導していく。
- ASEAN防災人道支援調整センターへの日本人専門家の派遣を実施する。
- 日本は、ASEANの一体性・中心性を支えるとともに、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を一貫して支持してきた。
- 開放性、透明性、包摂性、国際法の尊重などAOIPが掲げる諸原則は、不確実性が増している時代においてこそ重要である。日本は、引き続きAOIPの主流化を力強く後押しする。
2 ASEAN+3協力
- 石破総理大臣から、概要以下のとおり述べました。
- 本年の議長国のテーマである「連結性と強靱性の強化」を強く支持。
- 日本は、「日ASEAN包括的連結性イニシアティブ」の下、ハード、ソフトの両面で、質の高い強靱なインフラの整備に取り組んでいる。また、新たな課題であるグリーン・トランスフォメーション(GX)やデジタル・トランスフォメーション(DX)に関する協力も進め、地域の連結性・強靱性の強化に努める。
- さらに、ASEAN感染症対策センターへの日本人専門家の派遣等を通じ、地域の感染症の面での強靱性の強化に努める。
- 日中韓サミットの議長国として、日本が韓中両国と連携し、ASEANに資する形で3か国協力を進めていく。
- これに対し、他の参加国から、各国の進めている取組や重視する協力分野について触れつつ、ASEAN+3の枠組みでの協力への期待が表明されました。
3 地域・国際情勢
- 石破総理大臣から、概要以下のとおり述べました。
- この地域の安全保障環境が、ますます厳しさを増している。世界中のどこであれ、力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない。地域の安定と繁栄のため、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくことが不可欠である。
- 北朝鮮については、安保理決議違反の核・ミサイル活動に邁進していることを深刻に懸念。
- 朝鮮半島の平和と安定は我々全員の共通利益。国際的な不拡散体制堅持のためにも、北朝鮮の完全な非核化の実現に向け、安保理決議の完全な履行を始め、国際社会全体の力強い対応が重要。
- 拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を要請する。
- 他の参加国からは、ミャンマー情勢への言及や、朝鮮半島の非核化の重要性等の指摘がありました。