ASEAN地域フォーラム(ARF)

令和6年7月27日
会議場の様子
日本代表団の席に座る上川外務大臣

 現地時間7月27日午後2時50分(日本時間午後4時50分)から約3時間15分、ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンにて、第31回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合が開催され、上川陽子外務大臣が出席したところ、概要以下のとおりです。

1 冒頭

 上川大臣から、世界が複合的危機に直面する中での、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化の重要性に触れ、ARFの重要性の高まりを強調した上で、概要以下のとおり述べました。

  1. 力による一方的な現状変更の試みは、東シナ海など日本を囲む海のみならず、世界のどこであれ決して認められない。特に南シナ海では、軍事化や威圧的な活動が継続。南シナ海に関する行動規範(COC)は、全てのステークホルダーの正当な権利や利益を尊重するものとなるべき。また、2016年の比中仲裁判断は最終的で、紛争当事国を法的に拘束する。当事国が従うことを強く期待。台湾海峡の平和と安定は地域・国際社会にとって重要である。
     他の参加メンバーからは、南シナ海情勢への懸念、航行・上空飛行の自由の重要性、国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性について発言がありました。
  2. 北朝鮮の核・ミサイル開発と露朝軍事協力の進展を深刻に懸念。北朝鮮に対し、全ての大量破壊兵器及び弾道ミサイルのCVIDの実現に向け、具体的な行動及び対話の再開を求める。また、拉致問題の即時解決に向け、引き続き各国の理解と協力を求める。
     他の参加メンバーからは、北朝鮮の挑発行動への懸念、朝鮮半島の非核化や拉致問題解決の必要性に関する発言がありました。
  3. ミャンマー情勢の悪化を深刻に懸念。「5つのコンセンサス」の実現のためASEANの努力を最大限後押し。
     他の参加メンバーからは、ミャンマー情勢への深刻な懸念が表明され、「5つのコンセンサス」履行の重要性が強調されました。
  4. ロシアによるウクライナ侵略は明白な国連憲章違反。ロシアの核による威嚇、ましてや使用はあってはならない。ロシアがすべての軍事力を撤退させ、一日も早く公正かつ永続的な平和を実現することが重要。
     他の参加メンバーからは、ウクライナ情勢に関する深刻な懸念の表明、ロシアによるウクライナ侵略を非難する等の発言がありました。
  5. ガザ情勢は、人質解放と停戦等の交渉妥結に向けて極めて重要な局面にある。人道支援に加え、復興・平和構築プロセスの国際社会全体による後押しが必要。
     他の参加メンバーからは、ガザにおける即時停戦、国際社会の協力を求める旨の発言がありました。
  6. 日本は、唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」に向けた国際的な取組を主導することに力強くコミットしており、「ヒロシマ・アクション・プラン」をはじめ、現実的かつ実践的な取組を進めていく。

2 結語

 最後に、上川大臣から、31回目を迎えたARFはこれまで多くの成果を積み重ねてきた旨述べつつ、日本としてARFの発展に引き続き協力していきたい旨述べました。

[別添]
   議長声明(和文概要(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く


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