ASEAN(東南アジア諸国連合)

令和6年7月27日
壇上で手を組み合って写真撮影に応じるASEANと日中韓各国外相
会議の様子
発言する上川外務大臣

 現地時間7月27日午前9時00分(日本時間同日午前11時00分)から約90分間、ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンにて第25回ASEAN+3(日中韓)外相会議が開催され、上川陽子外務大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 開会挨拶

 上川大臣から、この地域がインド太平洋地域、さらに世界の成長の中心として安定的な経済成長を続けるためには、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化することが不可欠である旨強調した上で、本年5月末に開催された日中韓サミットでも、日中韓3か国が、ASEAN中心性・一体性に対する強い支持を表明し、法の支配及び国際法に基づく国際秩序に対するコミットメントを再確認した旨述べました。また、日本は、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」や「ASEAN+3協力作業計画」に沿って、多くの分野で積極的な取組を実施しているとしつつ、特に経済・金融、持続可能な社会、平和・安全保障における協力の重要性を強調しました。

2 ASEAN+3協力

  1. 日中韓側より、ASEAN+3協力をこれからも推進したい旨発言があったことに対し、ASEAN各国より、日中韓サミット開催への歓迎の意が示されるとともに、ASEAN+3協力を深めることの重要性が示され、それぞれの取組や、保健、食料安全保障、金融協力、GX・DX等を始めとする、優先すべき協力分野について発言がありました。
  2. これに対し、上川大臣から、具体的に3点述べました。
    第一に、経済・金融面での協力について、チェンマイ・イニシアティブの更なる機能強化に向けた緊急融資ファシリティの創設に正式合意したことを歓迎しました。また、RCEP協定の透明性のある履行の重要性について述べました。
    第二に、持続可能な社会に向けた協力について、ASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)を通じた支援の継続、ASEAN食料安全保障情報システム(AFSIS)の組織強化に係る議論の主導、及びASEAN感染症対策センター(ACPHEED)への全面的な支援について述べました。
    第三に、平和と安全保障に係る協力について、災害対応、防災及び減災の分野における女性の参画とリーダーシップの重要性を指摘しつつ、WPS(女性・平和・安全保障)に係る協力を追求したい旨述べました。

3 地域・国際情勢

  1. 上川大臣から、朝鮮半島の安定と北朝鮮の全ての大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄の実現は、ASEAN+3メンバー皆の共通利益であると説明し、関連安保理決議の完全な履行に向け協力を強化したい旨述べました。加えて、拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であるとし、即時解決に向けた各国の理解と協力を求めました。また、ミャンマー情勢への深刻な懸念を表明し、国軍に対して、安全で阻害されない人道アクセスを認めるよう改めて求めるとともに、ASEANの取組を引き続き、最大限後押ししていく旨述べました。
  2. これに対し、他の参加国からは、朝鮮半島の非核化など地域の問題の平和的解決の重要性などの指摘がありました。

4 閉会挨拶

 最後に、上川大臣から、AOIPの掲げる原則とその優先4分野に従った協力をASEAN+3の下で実施していくことの重要性を改めて確認できたとしつつ、日中韓プロセスの議長国となった日本として、中国、韓国ともよく意思疎通し、ASEAN側の期待に応えたい旨述べました。

[別添]
 議長声明(和文概要(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く


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