アジア
第9回日中韓外相会議
令和元年8月21日



1 冒頭
3外相は,日中韓協力が始まってから20周年となる節目の年に,日中韓外相会議が開催されたことを評価した。河野大臣は,次世代の交流や協力を促進するための未来志向の実務協力の重要性を強調した。また,河野大臣は,二国間の信頼関係が3か国協力の基礎を成すとした上で,二国間関係が困難に直面することがあっても,日中韓協力の歩みを止めるべきではない旨述べた。
2 日中韓協力
(1)3外相は,幅広い分野での3か国協力が着実に進展していることを確認し,具体的な協力の現状や将来の方向性について議論を行った。
河野大臣からは,人的交流の重要性を強調し,とりわけ3か国のリレー開催となるオリンピック・パラリンピック競技大会を契機とする人的交流の拡大を訴えるとともに,「キャンパス・アジア」等の学術交流の進展を歓迎した。
また,河野大臣から,環境分野について,G20大阪サミットで大きな成果のあった海洋プラスチックごみ対策の分野で協力を進めていきたい旨を述べた。
河野大臣から,8月28日から横浜で開催されるTICAD7について紹介し,中国及び韓国からの積極的な参加を促した。アフリカにおいても,「質の高いインフラ投資に関するG20原則」を遵守・推進することの必要性を強調した。
(2)また,G20大阪サミットで共有された自由貿易の基本原則等を念頭に置きつつ,RCEPの年内妥結を目指すこと,及び日中韓FTAの交渉を加速させることで一致した。
河野大臣からは,中韓に対して日本産食品等の輸入規制撤廃を求めた。
(3)さらに,河野大臣から,本年9月に道上尚史(みちがみ・ひさし)釜山総領事が日中韓協力事務局長に就任することに言及した上で,日中韓政府と日中韓協力事務局との一層の連携を図っていきたい旨を述べた。
3 地域・国際情勢
(1)北東アジア情勢
北朝鮮情勢について,3外相は,直近の情勢を踏まえた意見交換を行い,日中韓の共通の目標である朝鮮半島の完全な非核化に向け,国連安保理決議の完全な履行を含め,緊密に連携していくことで一致した。また,河野大臣から拉致問題の早期解決に向けた中韓両国の協力を改めて求め,両国の理解を得た。
(2)自由で開かれたインド太平洋
河野大臣から,自由で開かれたインド太平洋を実現するため,日中韓がASEAN諸国に寄り添う形で協力を進めていくことの重要性を指摘するとともに,11月の東アジアサミット(EAS)に向け連携していきたい旨を述べた。
4 日中韓サミット
3外相は,日中韓外相会議の成果を,中国が議長国として開催の調整を進めている第8回日中韓サミットにつなげるべく,引き続き協力していくことで一致した。