アジア

平成28年10月13日
第2回アジア協力対話(ACD)首脳会合にて発言する小田原政務官
第2回アジア協力対話(ACD)首脳会合にて発言する小田原政務官
10月10日,タイ・バンコクにおいて,第2回アジア協力対話(ACD)首脳会合(注)が開催され,我が国から小田原外務大臣政務官が出席したところ,概要以下のとおり。なお,小田原政務官は,この機会に,アラム・バングラデシュ外務担当国務大臣及びウィラサック・タイ外務政務官と二国間会談を行った。

(注)アジア協力対話は,2002年に発足した,東アジアから東南アジア,南アジア,中央アジア,西アジアに及ぶ広範な国々(計34か国)が参加する対話の枠組み。毎年閣僚会合が開催されており,首脳会合は4年ぶり2回目。

1 議長国タイの主導により,これまで20あったアジア協力対話の協力分野を,6つの優先協力分野(「食料・エネルギー・水の安全保障の連携」、「連結性」、「科学技術とイノベーション」、「教育と人材育成」、「観光と文化」、「包括的かつ持続可能な発展のための代替的アプローチ」)に再編し,活動していくこととなった。多くの国がこれを支持し,いくつかの国は特定の優先協力分野を主導していく意図を表明した。また,多くの国が「連結性」ないしインフラ投資の重要性を指摘した。

2 小田原外務大臣政務官は,概要以下の発言を行った。

(1)アジア協力対話は,文化的・宗教的バックグラウンドが多様性に富んでいる国の集まり。既存の地域枠組みの強化・補完という同対話の役割を一層強化するために,アジア協力対話の特徴である「多様性」や「潜在力」を活かしていくことが重要。

(2)「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成には,全ての国,企業,市民社会,そして女性や障害者も含むあらゆるステーク・ホルダーが役割を果たすことが不可欠。今般,アジア協力対話の優先協力分野がSDGsに沿って6分野に再構成されたことを高く評価。

(3)アジアは世界の成長センターとして高い潜在力を有している。これを開花させるには,連結性を高めることが重要。我が国は,引き続き,アジア各国に質の高いインフラ投資を供給することにより,アジアの連結性を高めることに貢献していく。

(4)アジア地域の成長にはインフラ整備だけでなく,各国の産業を担う人材をすることも必要不可欠。官民で連携し,各国のニーズも踏まえ効果的かつきめ細かい支援を着実に実施していく。
アラム・バングラデシュ外務担当国務大臣との会談
ウィラサック・タイ外務政務官との会談
3 成果文書

「バンコク宣言」,「アジア協力のためのアジア協力対話ビジョン2030」,「連結性パートナーシップを通じた成長強化に関するアジア協力対話声明」が採択された。
このうち「ビジョン2030」において,我が国の「質の高いインフラ拡大イニシアティブ」が明記された他,「連結性パートナーシップ声明」では,我が国が従来から主張しているように,インフラ投資においては,ライフサイクル・コスト,安全性,強靱性・持続性,雇用創出,能力構築,専門性・ノウハウの移転,社会・環境面への配慮といったことが重要である旨が明記された。

4 バイ会談

アラム・バングラデシュ外務担当国務大臣との会談では、ダッカ襲撃テロ事件を踏まえた邦人の安全確保やバングラデシュの治安能力向上に関する協力を確認した。ウィラサック・タイ外務大臣政務官との会談では、インフラ支援、人的交流等に関する二国間協力を確認した。

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