大洋州
高村外務大臣政務官のパラオ共和国及びミクロネシア連邦訪問(結果)
4月28日から5月4日まで、高村正大外務大臣政務官は、岸田文雄内閣総理大臣の特使としてパラオ共和国及びミクロネシア連邦を訪問しました。本訪問の概要は以下のとおりです。
I パラオ(4月29日~5月1日)
1 政府要人等との面会
(1)スランゲル・S・ウィップス・ジュニア大統領への表敬

4月29日、高村政務官は、スランゲル・S・ウィップス・ジュニア大統領(H.E. Mr. Surangel S. WHIPPS, Jr., President of the Republic of Palau)を表敬しました。
高村政務官から二国間関係の強化やPALM10に向けた協力に関する岸田総理からの親書を手交するとともに、我が国とパラオとは、太平洋で結ばれた「トクベツ」な友人であって、さらに、価値と原則を共有する重要なパートナーであり、本年は日・パラオ外交関係樹立30周年であることも踏まえて、パラオと日本の「キズナ」を一層強化していきたい旨を述べました。
また、これまでもインフラ整備を始め、様々な分野で両国間の協力が進展してきていること、引き続き二国間の協力を強化していく旨述べるとともに、日本の地方自治体とパラオの交流が活性化していることを紹介し、政府としてもこの機運を盛り立ていきたい旨述べました。
さらに、本年7月開催の第10回太平洋・島サミット(PALM10)では、日本はパラオを含む太平洋島嶼国が加盟する太平洋諸島フォーラム(PIF)の掲げる「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」と軌を一にした成果を追求し、気候変動、海洋分野、自由で開かれた国際秩序等、共通の課題に共に取り組んでいく旨述べました。
これに対し、ウィップス大統領から、高村政務官のパラオ訪問を歓迎すると共に、日本とパラオは非常に近い関係にあり、深い「キズナ」があり、「日本・パラオ友好の橋」をはじめとするこれまでの日本のパラオに対する支援について感謝の意を述べつつ、観光促進なども含めた今後の連携を通じて、パラオと日本の「トクベツ」な関係を大切にしたいとの発言がありました。
両者は、人的交流を含めた幅広い分野の様々な協力に加えて、PALM10に向けて緊密に協力していくことを確認しました。
(2)パラオ共和国要人との昼食会兼意見交換

4月29日、高村政務官は、ウィップス大統領、ニルマン北部大酋長、アイタロー国務大臣、マリウール上院副議長、ニライウェット下院副議長、カナイ下院院内総務を招いて昼食会を主催し、今後の二国間関係等について意見交換を行いました。
(3)グスタフ・アイタロー国務大臣(外相)との会談

4月29日、高村政務官は、グスタフ・アイタロー国務大臣(外相)(Hon. Gustav AITARO, Minister of State of the Republic of Palau) と会談しました。
高村政務官から、我が国とパラオとは、太平洋で結ばれた「トクベツ」な友人であるとともに、価値と原則を共有する重要なパートナーであり、本年は日・パラオ外交関係樹立30周年であることもふまえて、パラオと日本の「キズナ」を一層強化していきたい旨を述べました。
これに対し、アイタロー大臣はパラオで活躍するJICAボランティアの活動を始めとする日本の貢献に対する感謝、及び人物交流の重要性等について述べました。
両者は、今後も海洋、漁業、社会・産業育成基盤強化、日本語教育を含めた人的交流・人材育成、環境・気候変動等幅広い分野で二国間の協力関係を強化していくことを確認しました。
(4)閣僚との懇談

4月29日、高村政務官は、メトゥール人的資源・文化・観光・開発大臣、ジェンキンス教育大臣、ウエルベラウ保健・福祉大臣、ビクトル農業・漁業・環境大臣と懇談し、今後の各分野での協力の可能性について意見交換を行いました。各大臣から教育分野、医療分野等でのこれまでの日本の協力に対する感謝を述べられました。
2 旧海軍墓地訪問

4月29日、高村政務官はコロール市内の旧海軍墓地を訪問し、太平洋戦争の戦没者の慰霊碑に献花を行いました。
3 在留邦人との意見交換

4月29日、高村政務官は日系企業や経済協力関係の在留邦人との夕食会を実施し、パラオでのビジネスの現状や日パラオ経済関係の今後の展望等について意見交換を行いました。
4 バベルダオブ島ガラスマオ州視察
(1)ガラスマオ小学校の訪問

4月30日、高村政務官は、日本の草の根・人間の安全保障無償資金協力により校舎改修が行われたガラスマオ小学校を訪問し、同校に派遣されているJICA海外協力隊員による授業を視察しました。また、同校の校庭の階段は日本統治時代の遺構です。
(2)日本統治時代遺構の訪問

4月30日、ガラスマオ州の港を訪問し、日本が統治していた時代に使用されていた同港に残るボーキサイト運搬ロープウェイ機械室跡及び積み出しケーブル基礎の跡を視察しました。
(3)海底ケーブル陸揚局の視察

4月30日、高村政務官は、ガラスマオ州にある、海底ケーブルの陸揚局を視察しました。日本のNECが実施するこの海底ケーブル敷設は、日米豪の官民が共同で資金を提供する「インド太平洋におけるインフラ投資に関する三機関間パートナーシップ」の下で実施される初めてのプロジェクトです。
5 JICA海外協力隊員との意見交換

4月30日、高村政務官は、パラオで教育、スポーツ、生態調査、青少年活動等の分野で活躍するJICA海外協力隊員との昼食会を主催し、日パラオ二国間関係の強化への貢献に対する謝意を伝えつつ、各隊員の活動や現地のニーズ等について意見交換を行いました。
II ミクロネシア(5月1日~3日)
1 政府要人等との面会
(1)ウェズリー・W・シミナ・ミクロネシア大統領への表敬

5月1日、高村政務官は、ウェズリー・W・シミナ・ミクロネシア大統領(H.E. Wesley W. SIMINA, President of the Federated States of Micronesia)を表敬しました。
高村政務官から、二国間関係の強化やPALM10に向けた協力に関するシミナ大統領宛の総理親書を手交するとともに、ミクロネシア連邦は、太平洋で結ばれた大切な友人で、価値と原則を共有する重要なパートナーであり、今回の訪問を通じ、両国の150年以上の歴史に育まれた「キズナ」を一層強化していきたい旨述べました。
また、日本はPIFの一体性や「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」を支持しており、PALM10では、これと軌を一にした成果を追求し、気候変動、海洋分野、自由で開かれた国際秩序等、共通の課題に取り組んでいきたい旨述べました。
これに対し、シミナ大統領から、ミクロネシアと日本の歴史的なつながりや長年の「キズナ」をうれしく思うとして、また、人的交流を含めた相互の協力を通じて二国間関係が発展することの重要性について発言がありました。また、日本政府による協力や青少年交流への取組が、ミクロネシアの経済・社会環境の向上に貢献していることに感謝の意が表明されました。
両者は、幅広い分野で様々な協力をしていくことを確認するとともに、PALM10に向けて緊密に協力していくことを確認しました。
(2)ローリン・S・ロバート・ミクロネシア連邦外務大臣との会談

5月1日、高村政務官は、ローリン・S・ロバート・ミクロネシア連邦外務大臣(Hon. Lorin S. ROBERT, Secretary of the Department of Foreign Affairs of the Federated States of Micronesia)と会談しました。
高村政務官から、ミクロネシア連邦と日本は、太平洋で結ばれた大切な友人同士であり、価値と原則を共有する重要なパートナーであり、今回の訪問を通じ、両国の150年以上の歴史に育まれた「キズナ」を一層強化していきたいと述べました。
また、日本は、太平洋島嶼国の持続可能で強靱な経済発展や連結性強化に協力してきており、先般新たに海底ケーブル接続への支援を発表した旨述べました。
これに対し、ロバート大臣からは高村政務官の訪問を心から歓迎するとともに、ミクロネシアにとって日本との「キズナ」はかけがえのないものである旨発言がありました。また、ロバート大臣からは、海底ケーブル等インフラ整備における日本の支援や、日本NGO連携無償資金協力で実施しているチューク州における戦没船油漏れ対策事業に対する謝意が述べられました。
また、両者は、地域情勢についても意見交換し、PALM10に向けて緊密に協力していくことを確認しました。
2 国家緊急対応センターの視察

5月1日、高村政務官は、日本政府が国連開発計画(UNDP:United Nations Development Programme)との連携で増築した、国家緊急対応センターを訪問しました。ヤティルマン環境・気候変動・危機管理大臣の案内で同センターにおいて、日本が供与したラジオ機材を使用して、現在干ばつによる深刻な水不足の状況にあるヤップ州の離島の状況を確認する現場を視察しました。
3 在留邦人・日系人との意見交換
5月1日、高村政務官はミクロネシアの経済界で活躍する日系人や日系企業、経済協力に携わる在留邦人との夕食会を主催し、日ミクロネシア関係について意見交換を行いました。
4 ポンペイ港視察

5月2日、高村政務官は、ミクロネシアの首都パリキールが所在するポンペイ州のポンペイ港において、港湾関係者からの説明を受け、現場を視察しました。
5 慰霊碑等訪問

5月2日、高村政務官は、コロニア市内で戦前ポンペイで亡くなった日本人や、第二次世界大戦の戦没者の慰霊碑に献花を行いました。また、日本統治時代の史跡等を視察しました。
6 ロバート外務大臣主催歓迎昼食会

5月2日、高村政務官は、ロバート外務大臣主催の歓迎昼食会に出席し、ミクロネシア外務省高官との親交を深めるとともに、二国間関係のさらなる発展について意見交換しました。
7 ナン・マドール遺跡視察

5月2日、高村政務官は、ミクロネシア外務省の案内で、世界遺産であるナン・マドール遺跡を視察しました。ナン・マドール遺跡は、世界でも類を見ない大規模な海上都市遺跡であり、世界遺産登録あたって、日本政府はミクロネシア政府を支援しました。