マーシャル諸島共和国

令和7年5月8日

 5月3日から6日まで、生稲晃子外務大臣政務官は、マーシャル諸島共和国を訪問しました。訪問の概要は以下のとおりです。

1 マーシャル諸島政府要人等との意見交換

(1)ヒルダ・C・ハイネ・マーシャル諸島共和国大統領への表敬

ハイネ大統領と記念撮影する生稲政務官
ハイネ大統領を表敬する生稲政務官の様子

 5日、生稲政務官は、ヒルダ・C・ハイネ・マーシャル諸島共和国大統領(H.E. Dr. Hilda C. Heine, President of the Republic of the Marshall Islands)を表敬しました。
 生稲政務官から、初めての太平洋島嶼国訪問としてマーシャル諸島を訪問したことに触れつつ、3月の東京での日・マーシャル首脳会談に引き続き、両国が共有する基本的価値及び原則を土台として、マーシャル諸島との「キズナ」を一層強化していきたい旨述べました。これに対し、ハイネ大統領から、生稲政務官の訪問を歓迎するとともに、両国が信頼、価値の共有及び相互交流に基づいて深い絆で結ばれており、今後とも協力を強化していきたい旨の発言がありました。
 また、生稲政務官から、アマタ・カブア国際空港ターミナル改修など二国間の取組を力強く進めつつ、第10回太平洋・島サミット(PALM10)のコミットメントを着実に実行していく旨述べました。これに対し、ハイネ大統領からは同案件をはじめとする日本の様々な支援への感謝を述べるとともに、本年3月に発表された、太平洋諸島フォーラム(PIF)の「太平洋強靱化ファシリティ(PRF)」への日本の拠出等、気候変動分野の協力に謝意が示されました。
 ALPS処理水の海洋放出に関し、生稲政務官は、ALPS処理水の海洋放出は安全に実施されている点を強調し、引き続き科学的根拠に基づき透明性をもって対応し、安心を高めていく旨述べました。また、IAEAを通じた太平洋島嶼国に対するモニタリング能力構築支援に係る日本の取組を説明しました。ハイネ大統領からは、日本の透明性のある情報提供への歓迎とともに、モニタリング能力構築支援に係る日本の取組に期待が示されました。
 本年は戦後80年であることも踏まえ、生稲政務官は、「東太平洋戦没者の碑」に献花したことに触れ、遺骨収集事業へのマーシャル諸島の協力に感謝する旨述べました。ハイネ大統領からは、日本の遺骨収集事業の取組に理解が示されました。
 このほか、生稲政務官から、大阪・関西万博が開幕したことに触れ、9月4日はマーシャル諸島のナショナルデーであり、多くの来場者を歓迎する旨述べ、ハイネ大統領からは、大阪・関西万博をホストする日本のリーダーシップに敬意が示されました。
 さらに、両者は、地域を取り巻く環境が一層複雑化する状況を踏まえて、地域情勢に関しても意見を交わしました。

(2)ジェラルド・ザキオス・マーシャル諸島共和国外務・貿易大臣代行(教育・スポーツ・職業訓練大臣)との会談

ザキオス外務・貿易大臣代行と会談する生稲政務官の様子
ザキオス外務・貿易大臣代行と記念撮影する生稲政務官の姿

 5日、生稲政務官は、ジェラルド・ザキオス・マーシャル諸島共和国外務・貿易大臣代行(Hon. Gerald M. Zackios, Acting Minister of Foreign Affairs and Trade, the Republic of the Marshall Islands)(Minister of Education, Sports and Training)と会談しました。
 生稲政務官から、マーシャル諸島は、日本と歴史的に深い「キズナ」で結ばれた大切な友人であり、共有する基本的価値及び原則を土台として、マーシャル諸島との協力関係を一層強化していきたい旨述べました。ザキオス大臣代行からは、生稲政務官のマーシャル諸島訪問を歓迎するとともに、日本との友好関係を更に発展させていきたい旨の発言がありました。
 また、生稲政務官から、地域の戦略環境が複雑さを増す中でも、日本は、昨年実施したPALM10における成果のフォローアップを含め、地域の連結性や強靱性を強化する取組を支え、太平洋島嶼国と共に歩んでいく旨述べ、本年2月に決定した給水システム整備支援などを通じ、マーシャル諸島に寄り添った協力を実施していきたい旨述べました。これに対し、ザキオス大臣代行からは、日本の支援はマーシャル諸島の持続可能な発展のために極めて重要であり、引き続き連携したい旨の発言がありました。
 さらに、生稲政務官から、海上保安庁によるモバイル・コーポレーション・チーム(MCT)の派遣等による能力向上支援や、海上自衛隊の令和7年度インド太平洋方面派遣(IPD25)による共同訓練実施計画など、両国間で海上保安・安全保障の協力が進展していることを歓迎しました。
 このほか、生稲政務官から、今回の訪問でJENESYSプログラムの参加者と懇談したことを紹介し、青少年による交流は、相互理解と友好促進の礎であり、将来の両国の架け橋となる人材を育てる上で、交流事業は不可欠である点で一致しました。
 また、地域を取り巻く環境が一層複雑化する状況を踏まえて地域情勢に関しても意見を交わしました。

(3)ラニー・カブア・マーシャル諸島共和国伝統的首長評議会議長への表敬

カブア伝統的首長評議会議長と記念撮影する生稲政務官の姿

 5日、生稲政務官は、ラニー・カブア・マーシャル諸島共和国伝統的首長評議会議長(Iroij Lanny Kabua, Chairman for the Council of Iroij, the Republic of the Marshall Islands)を表敬しました。
 生稲政務官から、日本とマーシャル諸島は、歴史的に深い「キズナ」で結ばれており、共有する基本的な価値と原則に基づき、その「キズナ」を一層強化していきたい旨を述べた上で、日本の離島開発における経験や知見を元に、太平洋島嶼国との共通の課題に共に取り組んでいきたい旨述べました。
 これに対し、カブア伝統的首長評議会議長から、これまでの日本によるマーシャル諸島への協力に感謝の意が示され、日本との歴史的なつながりを大切にしながら、日本との友好関係を発展していきたい旨の発言がありました。

2 マーシャル諸島議会関係者との意見交換

ブレンソン・ワセ・マーシャル諸島共和国国会議長及び日系議員との懇談

議会関係者と記念撮影する生稲政務官の姿

 5日、生稲政務官は、ブレンソン・ワセ・マーシャル諸島共和国国会議長、ジェラルド・ザキオス教育・スポーツ・職業訓練大臣(外務・貿易大臣代行)、オタ・キシノ保健・福祉大臣等、4名の日系議員と懇談を行いました。生稲政務官からは、マーシャル日系人会の初代会長を務めたワセ議長をはじめとする日系議員による日本とマーシャル諸島との友好関係への貢献に対する謝意を示すとともに、マーシャル諸島との協力関係を一層強化していく旨述べました。出席者からは、これまでの日本政府及び国民によるマーシャル諸島に対する協力に感謝の意が表明されるとともに、今後の協力への期待が寄せられました。

3 慰霊碑への献花

「東太平洋戦没者の碑」訪問・献花

慰霊碑へ頭を下げる生稲政務官の姿
慰霊碑の画像

 4日、生稲政務官は、「東太平洋戦没者の碑」を訪問し、献花しました。

4 意見交換

(1)在留邦人との意見交換

在留邦人と記念撮影する生稲政務官の様子

 4日、生稲政務官は、マーシャル諸島に駐在する国連機関や民間企業関係者等と懇談し、マーシャル諸島における課題や今後の協力の可能性等について意見交換を行いました。

(2)JICA海外協力隊との意見交換

JICA海外協力隊と記念撮影する生稲政務官の姿

 4日、生稲政務官は、マーシャル諸島で活動するJICA海外協力隊員と懇談し、マーシャル諸島での活動について説明を受けるとともに、二国間関係の更なる強化について意見交換を行いました。

(3)JENESYS参加経験者との懇談

JENESYS参加者と記念撮影する生稲政務官の姿

 4日、生稲政務官は、対日理解促進交流プログラム(JENESYS)に参加したマーシャルの若者と懇談し、若い世代の交流が日・マーシャル間の友好関係の土台となり、出席者が将来両国の懸け橋となって活躍することに期待を寄せました。また、出席者の日本訪問時のエピソードや帰国後の経験談について話を聞き、日・マーシャル間の更なる関係の緊密化について意見交換を行いました。

5 ODAサイト視察

(1)マジュロ橋の視察

マジュロ橋を見上げる生稲政務官
友好親善のためのマーシャル・日本橋、と書かれたマジュロ橋記念プレート前の生稲政務官

 4日、生稲政務官は、マジュロ環礁の中心区から外洋へ通じる水路にかかるマジュロ橋の視察を行いました。マジュロ橋は、1983年に日本の協力によって建設されました。

(2)国立マジュロ病院の視察

国立マジュロ病院を視察する生稲政務官の様子

 5日、生稲政務官は、日本の協力案件である国立マジュロ病院を訪問し、オタ・キシノ保健・福祉大臣、同病院副院長及びJICA海外協力隊員 の案内の下、コールド・チェーン倉庫や追加病棟、X線機材や救急車等を視察しました。

(3)廃棄物処理場の視察

廃棄物処理場を視察する生稲政務官の様子

 5日、生稲政務官は、マジュロ環礁内で唯一の廃棄物管理機関が運営する廃棄物処理場を訪問し、同廃棄物処理場管理責任者及びJICA海外協力隊員の案内の下、マーシャル諸島において深刻化しているごみ問題や対策等について説明を受けました。同処理場には、日本の無償資金協力により、廃棄物処理機材(廃金属圧縮機及びペットボトル圧縮機等)が供与されています。

(4)貯水池の視察

貯水池を視察する生稲政務官の様子

 5日、生稲政務官は、マジュロ環礁内の貯水池の建設現場を訪問し、日本の無償資金協力による同プロジェクトの進捗状況や、完成後に期待される給水サービス改善について説明を受けました。


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