オーストラリア連邦
日豪首脳会談
11月12日(水曜日)14時(日本時間12日(水曜日)16時30分)すぎから約50分間,ASEAN関連首脳会議出席のためミャンマーを訪問中の安倍内閣総理大臣は,トニー・アボット・オーストラリア首相(The Hon Tony Abbott, Prime Minister of Australia)との間で日豪首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
(1)冒頭,アボット首相から,日豪の「特別な関係」を更に強固に,そして広範囲で多元的な関係にしていきたい,防衛・防衛装備品の協力も今後ますます強化していきたい,日豪の友好協力関係は,両国間の貿易投資や,人と人とのつながりに象徴されており,豪州の戦後の繁栄は日本の協力なしには考えられないとの発言がありました。
(2)これを受け,安倍総理からは,アボット首相からの御嶽山噴火についてのお見舞いへの御礼,我が国の海自護衛艦「きりさめ」も参加した11月1日のアルバニー船団100周年記念式典成功に対する祝意を伝達しました。また,G20ブリスベン・サミットの議長としてのアボット首相の指導力を評価し,サミットで具体的成果が得られるよう最大限貢献したい旨述べました。
2 二国間関係
(1)共同運用や訓練を円滑化する協定など安全保障・防衛分野の協力に関して,両首脳間で前回(9月)のニューヨークでの首脳会談以降の進捗が確認されました。
(2)来年のアボット首相の訪日について,双方の都合が良い時期に実現すべく,具体的な調整を進めることで一致しました。
(3)安倍総理から,両国関係について有識者が議論する「日豪会議」を再編・強化したい旨提案し,今後,その詳細を検討していくことになりました。
(4)経済関係に関しては,日豪EPAの早期発効を目指して両国の国内手続を促進すること,また,TPPについては早期妥結,RCEPについては2015年末までの交渉完了を目指して日豪が連携することを確認しました。またエネルギー分野での一層の協力についても意見交換を行いました。
3 地域・国際場裡における協力
(1)北朝鮮や南シナ海等の地域の平和と安定に関する問題,エボラ出血熱,ISILといった国際的課題への対応等について東アジア首脳会合(EAS)の場を含め,日豪で連携・協力することが確認されました。
(2)また,日豪米3か国首脳会議の成功に向けて,更には来年創設70周年を迎える国連の改革においても,協力していくことを確認しました。
(3)さらに,安倍総理から,10日に北京で行われた日中首脳会談を含む日中関係に関する最近の一連の動きに言及し,日中両国が「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻り,関係を改善させていく第一歩を記すことができた旨述べました。これに対しアボット首相からは,今回の会談をきっかけにして,日中間の対話が更に進むことを期待する旨発言がありました。