安倍総理大臣
安倍総理のオーストラリア訪問(キャンベラでの日程)
平成26年7月9日
安倍総理はオーストラリアを訪問し、豪政府の「公式賓客」として、7月7日~8日にかけてキャンベラにおける行事に参加したところ、結果概要以下のとおり(日本の総理が訪豪したのは、2007年の安倍総理のAPEC以来7年ぶり、二国間の文脈での訪豪は2002年の小泉総理以来12年ぶり。)。
安倍総理は、9日には西オーストラリア州ピルバラの鉄山を視察の後、州都パースに赴く予定。
1 主要日程

(写真提供:内閣広報室)

(写真提供:内閣広報室)
7月7日
アボット首相主催少人数夕食会
7月8日
無名戦士の墓献花、戦争記念館視察
歓迎式典
日豪ビジネス界による歓迎昼食会
日豪首脳会談
日豪EPA、日豪防衛装備品技術移転協定署名
共同記者会見
豪閣議メンバーとの懇談
豪国立大学視察、ビジネス関係者とのレセプション
ショーテン野党(労働党)党首による表敬
アボット首相主催晩餐会
2 日豪首脳会談


(1)冒頭発言
アボット首相から、冒頭の歓迎の辞に続いて、安倍総理からアボット首相の心のこもった歓迎に感謝を述べ、両首脳は日豪が新たな特別な関係に至ったことを確認するとともに、両首脳の相互訪問の定例化、日豪関係を一層高めることを確認。
(2)安全保障・防衛
安全保障・防衛について意見交換を行い、安倍総理は、アボット首相との間で、船舶の流体力学分野に関する共同研究の実施。
なお、首脳会談後、両首脳は、共同運用及び訓練を円滑化するための協定に向けた交渉の開始で合意。防衛装備品・技術の共同研究,開発及び製造を通じて日豪間のより深化した協力を容易にする日豪防衛装備品・技術移転協定に署名。
(3)経済
安倍総理から、6月に公表した日本の新たな「日本再興戦略」について説明。
また、首脳間で、本日署名する日豪EPAを早期に発効させること、エネルギー・鉱物資源分野での関係を強化していくこと(高効率石炭火力発電所の導入の促進、市場原理に基づいた競争力ある価格による液化天然ガス(LNG)の安定的で安全な貿易と投資の継続的な重要性)を確認。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉については、早期妥結に向け日豪で協力することを確認。加えて、安倍総理から、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)についても豪と連携したい旨述べた。
更に、安倍総理から、11月に開催されるG20ブリスベン・サミットにむけたアボット首相の指導力を高く評価し、貿易自由化、インフラ投資の促進、雇用創造等の取組、女性の活躍の推進を重視する旨述べた。
(4)人的交流
首脳間で、日本政府の留学生制度や豪政府の「新コロンボ計画」等を通じて、双方向の留学交流の促進、豪における日本研究及び日本における豪研究への支援、並びに日本語教育の促進、議員交流を含む新たな日豪間の交流計画「日豪東経135度構想」を実施することを確認。
(5)地域・国際情勢
首脳間で、地域や国際社会における協力、とりわけ日豪米三国の協力を一層強化していくことを確認。日中関係について、安倍総理から、引き続き対話を積み重ね、日中関係の改善を図っていきたいとの日本の基本的立場について説明。
3 豪州閣議メンバーとの懇談

(1)安倍総理から、日豪EPAの意義、デフレ脱却をはじめとした日本の成長戦略について説明した後、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、日本が進める安全保障政策、特に、先般閣議決定した安全保障法制の整備の方針につき説明。これに対し、アボット首相から、支持を表明。
(2)安全保障について意見交換を行い船舶の流体力学分野に関する共同研究の実施、共同運用及び訓練を円滑化するための協定に向けた交渉の開始、6月11日に開催された第5回日豪「2+2」の防衛協力に関する提案を実施していくことを確認。
(3)その他、海洋安全保障、北朝鮮(拉致・核・ミサイル)、教育・経済の各分野について、安倍総理と関係閣僚との意見交換を行った。