北朝鮮
国連安全保障理事会決議第2397号の我が国における実施に関する同理事会への報告
平成30年3月27日
1 我が国の基本的立場
- (1)北朝鮮による2017年9月の核実験実施や我が国上空を通過するものを含む度重なる弾道ミサイルの発射は国際社会への直接の挑戦であり、北朝鮮の核・ミサイル開発は、我が国を含む地域の平和と安全に対する、これまでにない重大かつ差し迫った脅威である。また、北朝鮮による核実験及び弾道ミサイル発射は関連安保理決議に明白に違反するものであり、核兵器不拡散条約(NPT)を中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦である。北朝鮮は、南北対話を進めているが、核・ミサイル開発を継続している。
- (2)国連安保理決議第2397号は、北朝鮮に対する制裁措置を前例にないレベルまで一層高め、核武装した北朝鮮は決して受け入れられず、北朝鮮に政策を変えさせるため圧力を最大限まで高めなければならない、との国際社会の意思を具体的行動として示したものである。北朝鮮が、今般採択された安保理決議第2397号を始めとする一連の安保理決議を遵守し、朝鮮半島の非核化に向けた真剣な意思と具体的行動を示すことを強く求める。
- (3)日本は、これまで決議第1718号、第1874号、第2087号、第2094号、第2270号、第2321号、第2356号、第2371号、第2375号及び第2397号を実施するために必要な措置を着実に実施してきた。
- (4)日本は、引き続き北朝鮮制裁委員会及び専門家パネルと緊密に協力し、作業に貢献する。
2 決議第2397号に基づく主な措置
(1)金融面の措置
決議第2397号で指定された16個人・1団体を外為法に基づく資産凍結の対象として追加指定。
(2)人の流れに対する措置
- ア 決議第2397号で指定された16個人について、入国管理法に基づく入国及び領域通過防止の対象として追加指定。
- イ 決議第2397号で北朝鮮労働者等の送還が決定されたが、日本は、以前から北朝鮮籍者の入国をその目的にかかわらず原則禁止している。
(3)物資の流れに対する措置
決議第2397号で北朝鮮への原油、石油精製品、工業機械類、輸送車両、鉄、鉄鋼及びその他金属、新品・中古の船舶の輸出禁止、及び北朝鮮からの食料・農産物、機械類、電気機器、土石類、木材及び船舶の輸入禁止等の措置について規定されたが、日本は、以前から外為法に基づき、目的又は性質にかかわらず、北朝鮮との間の全ての品目の輸出入禁止措置をとっている。
(4)海上輸送に対する措置
- ア 貨物検査法、海上保安庁法等に基づき、北朝鮮を仕出地又は仕向地とし、関連安保理決議により輸出入が禁止されている貨物を積載している疑いのある船舶の検査を実施する。
- イ 関連団体に対し、関連安保理決議上禁止された活動又は禁制品の輸送への関与が疑われる船舶に、船舶分類サービスの提供及び保険・再保険の付与を含め、決議上禁止されている行為を行わないよう要請。
3 我が国の追加的対北朝鮮措置
2017年12月15日、日本政府は、過去の報告書により既に報告済みの我が国独自の措置に加え、資産凍結の対象となる個人・団体を追加指定する措置の実施を決定。