モンゴル国

令和5年12月20日

 10月7日から9日にかけて、外務省主催による「第2回日本・モンゴル学生フォーラム」の合宿が、兵庫県豊岡市で行われたところ、概要は以下の通りです。
 なお、本フォーラムは、事前オンライン学習会と合宿のハイブリッド形式で行われており、事前オンライン学習会では、7月23日、30日、8月6日の3日間にわたり、モンゴルの基礎や合宿のワークショップのテーマに関する計6講座から構成される講義等が行われ、各日約50名の両国学生が参加しました。

 合宿初日には、両国の学生代表による自国紹介プレゼンテーションを含む開会セッションに続き、地域の取組を見学しました。その後、中日は丸一日かけてワークショップに取り組みました(ワークショップ:チンギスハーン空港、大阪・関西万博に関連する有識者がファシリテートして学生達が各テーマについてグループ討論をし、プロポーザルを策定するもの)。最終日には、ワークショップの成果を各グループが発表し、来賓のエンフアムガラン在大阪モンゴル総領事やファシリテーターによる講評が行われました。このほか、昨年の学生フォーラムに参加した学生有志が組織した学生準備委員会「日本モンゴル学生フォーラムSC(Student Committee)2023」が企画した「モンゴルナイト」や「ジャパンナイト」等の交流プログラムも行われました。

 両国の参加学生の大半は、対面では初めて顔を合わせましたが、2泊3日の交流やワークショップを通じてお互いへの理解を深めつつ、グループ毎に一丸となってプロポーザルを策定しました。2つのテーマで策定された各プロポーザルは、エンフアムガラン総領事に提出されました。

合宿の日程・プログラム
  10月7日(土曜日) 10月8日(日曜日) 10月9日(月曜日・祝祭日)
午前   【ワークショップ・セッション】
グループ討論、プロポーザル策定

<テーマ>
A:チンギスハーン空港周辺に両国の若手が活躍できる場をつくる!
B:大阪・関西万博のモンゴルパビリオンをデザインする!
【閉会セッション】
  • 合宿振り返り
  • グループ発表&質疑
  • 講評
    ブヤンジャルガル氏(ファシリテーター)
    中島たかを氏(ファシリテーター)
    エンフアムガラン在大阪モンゴル総領事
午後 【開会セッション】
 外務省挨拶
 両国学生代表プレゼン
【地域の見学】
 日本・モンゴル民族博物館
(モンゴル伝統文化展示・地域の取組の視察、民族衣装試着等)
【ワークショップ・セッション】
グループ討論、プロポーザル策定




折り紙、バナー作り
 
【モンゴルナイト】
モンゴル料理作り、伝統的な遊び、文化展示、モンゴル文字、モンゴル舞踊
【ジャパンナイト】
落語、かるた、けん玉、射的、輪投げ、花火、盆踊り
 
宿泊 ホテルシルク温泉やまびこ ホテルシルク温泉やまびこ  

 合宿には、事前オンライン学習会の参加者の中から選抜された、全国24校の多様な教育機関から合計38名の学生が参加しました。

<参加者の所属教育機関一覧:50音順>
愛知学院大学、桜美林大学、岡山理科大学、お茶の水女子大学、京都産業大学、秋田大学、上智大学、清泉女学院大学、大阪大学、帝京大学、東京大学、東京外国語大学、東京日本語教育センター、東京理科大学、同志社大学、名古屋芸術大学、名古屋大学、一橋大学、広島大学、明治学院大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、麗澤大学

合宿の模様

1 初日

(1)開会セッション

日本側代表から主な産業の課題やその対応の取組。
モンゴル側代表から文化に関する最近の話題等を紹介。

(2)豊岡市立日本・モンゴル民族博物館視察

民族衣装を皆で試着。
館内に再現された移動式住居のゲルの見学を通じ、遊牧民の生活様式を学習。
日本・モンゴル民族博物館の前での記念撮影。

(3)モンゴルナイト

BBQとモンゴル料理作りで共同作業。
ボーズ作りは、皮包みなど苦労はしたけれど、仕上がりは上々。
羊のくるぶしを使った遊び。日モ混合で白熱。
文化展示。綺麗な写真や絵等が日本の学生を魅了。
モンゴル文字で名前を記入。綺麗に書こうと皆真剣。
日モの学生の書き込みで美しい寄せ書きに。
約3分間の伝統舞踊。皆で振り付けの意味を学びつつ練習。
難しい動きも、最後は息のぴったり合った踊りに。

2 合宿2日目

(1)テーマ別ワークショップ

1班、2班のグループ討論の様子。
付箋を使ってアイデアを絞り出しながら、グループ討論している1班、2班の様子。
テーマA:『チンギスハーン空港周辺に両国の若手が活躍できる場をつくる!』
3班、4班のグループ討論の様子。
付箋を使ってアイデアを絞り出しながら、グループ討論している3班、4班の様子。

 各班とも、付箋を使ってアイデアを絞り出しながら、「もしも自分が『若手』だったら」との目線で空港周辺の開発案を検討。

a-1班、a-2班のグループ討論の様子。
a-1班とa-2班は、実際にモンゴルの参加が見込まれる、建物を複数国で共有する「タイプC」のパビリオン案をデザイン。
テーマB:『大阪・関西万博のモンゴルパビリオンをデザインする!』
b班のグループ討論の様子。
b班は、建物ごと独自に設計・建設する「タイプA」のパビリオン案をデザイン。

(2)折り紙、バナー作り

折り鶴作り。両国学生とも器用に折り込んでいく。
バナーは筆で、1文字ずつ手分けして制作。

(3)ジャパンナイト

夕食会の席にて日本の学生による落語。
かるたでは両国学生が激闘。
両国参加者にけん玉の名人(けん玉が上手な参加者)が技を見せている様子。
射的には長い行列も。
輪投げは見ているよりも難しく、こちらも白熱。
日モ学生とも、花火の美しさに魅了。
夏の風物詩の1つである盆踊りの説明している様子。
皆で曲に合わせて輪になって踊り、ジャパンナイトを締めくくり。

3 合宿最終日

(1)各グループによるプロポーザル発表

1班は、モンゴル産牛乳を活用した温泉事業等を行う日本町を含む、複合商業施設をつくることを提案。
2班は、モンゴルのIT等の人材を活かした、中央アジアとの交流も含む技術都市をつくることを提案。
テーマA:『チンギスハーン空港周辺に両国の若手が活躍できる場をつくる!』
3班は、行政や公共交通等のサービスの電子化、キャッシュレス化を充実させた都市をつくることを提案。
4班は、世界的なアーティストや大規模イベントを開催できる機能を備えた「ウランバートルドーム」をつくることを提案。
a-1班は、3面の壁で過去、現在、自然を感じられる展示を用意し、中央部はチベット仏教寺院を再現、天井にはゲルの屋根を模したパビリオン。
a-2班は、過去、現在を、伝統文化の展示、生活音や匂い等で体感しながらたどり、未来のゲルを休息空間として利用できるパビリオンをデザイン。
テーマB:『大阪・関西万博のモンゴルパビリオンをデザインする!』
b班は、地平線まで広がる大草原をイメージした建物を建設し、内部には国内の主要な文化、歴史、自然等の名所、ウランバートルのビル群を再現し、旅行体験しながらモンゴルの未来を想像できるパビリオンをデザイン。

(2)来賓挨拶(講評)

来賓挨拶するエンフアムガラン在大阪モンゴル総領事。
各グループからプロポーザルを提出。
第2回日本・モンゴル学生フォーラムの記念撮影の様子
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