モンゴル国

令和7年4月30日

 令和7年2月22日から24日にかけて、外務省主催による「第3回日本・モンゴル学生フォーラム」の合宿が、栃木県那須塩原市および鹿沼市で行われたところ、概要は以下の通りです。
 なお、本フォーラムは、事前オンライン学習会と合宿のハイブリッド形式で行われており、事前オンライン学習会では、令和7年1月18日、19日の2日間にわたり、モンゴルの基礎や合宿のワークショップのテーマに関する計6講座から構成される講義等が行われ、各日約50名の両国学生が参加しました。

 合宿初日には、両国の学生代表による自国紹介プレゼンテーションを含む開会セッションに続き、地域の取組を見学しました。その後、中日は丸一日かけてワークショップに取り組みました(ワークショップ:AI、内陸国の発展戦略に関連する有識者がファシリテートして学生達が各テーマについてグループ討論をし、プロポーザルを策定するもの)。最終日には、ワークショップの成果を各グループが発表し、ファシリテーターであるアグチバヤル・アマルサナー氏などによる講評が行われました。このほか、昨年の学生フォーラムに参加した学生有志が組織した学生準備委員会「日本モンゴル学生フォーラムSC(Student Committee)-2024-」(以下、SC)が企画した「モンゴルナイト」や「ジャパンナイト」等の交流プログラムも行われました。

 両国の参加学生の大半は、対面では初めて顔を合わせましたが、2泊3日の交流やワークショップを通じてお互いへの理解を深めつつ、グループ毎に一丸となってプロポーザルを策定しました。

合宿の日程・プログラム
  2月22日(土曜日) 2月23日(日曜日) 2月24日(月曜日・祝日)
午前   【日本文化体験】
雅楽鑑賞
【閉会セッション】
  • グループ発表&質疑
  • 講評
  • 合宿振り返り
午後 【開会セッション】
 外務省挨拶
 SCによるアイスブレイク
【地域の見学】
 南ヶ丘牧場
(乳製品ブランドづくり研修)
【ワークショップ・セッション】
オープニングセッション
グループワーク
<テーマ>
A:AIの可能性を探る!
B:内陸国の発展戦略を作る!
 
【モンゴルナイト】
モンゴル料理作り、伝統的な遊び、文化交流、モンゴル文字、モンゴル舞踊
星空観察
【ジャパンナイト】
福笑い、羽子板、けん玉、日本の紙幣の歴史、記念品作り
 
宿泊 モンゴリアンビレッジ 古峯神社  

 合宿には、事前オンライン学習会の参加者の中から選抜された、全国31校の多様な教育機関から合計38名の学生が参加しました。

<参加者の所属教育機関一覧:50音順>
岩谷学園よこはまITビジネス専門学校、桜美林大学、大阪大学、小山工業高等専門学校、京都産業大学、慶應義塾大学、埼玉県立大学、埼玉大学、上智大学、聖心女子大学、創価大学、千葉商科大学、千葉大学、中央大学、帝京大学、東京外国語大学、東京大学、同志社大学、東北大学、豊橋技術科学大学、名古屋外国語大学、日本航空学園、新潟県立大学、一橋大学、防衛大学校、北海道大学、山梨学院大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立命館大学、早稲田大学

1 合宿初日

(1)開会セッション

本研修参加者が集合している様子
本研修参加者の自己紹介の様子

(2)モンゴルナイト

モンゴルのお正月と挨拶の紹介。参加者全員で楽しみながら学習しました。
モンゴルの民族衣装を着て記念写真を撮りました。

2 合宿2日目

(1)テーマ別ワークショップ

テーマ別ワークショップの様子。各チームとも日本やモンゴルの明るい未来を想像し、テーマに沿った深い議論を行いながら、真剣にアイデアを出し合いました。
テーマ別ワークショップの様子

 テーマA:AIの可能性を探る!―持続可能な社会・経済発展に向けた活用の在り方とは?―
 テーマB:内陸国の発展戦略を作る!―海洋国との連結に向けて―

(2)ジャパンナイト

みんなでけん玉に熱中。
モンゴル人学生の名前を日本語に当てて半紙に書きました。

3 合宿最終日

(1)各グループによるプロポーザル発表

映し出された資料の説明をしている参加者
映し出された画面を指しながら説明をしている参加者
聞いている参加者に向かって発表をしている参加者
  • テーマA:AIの可能性を探る!―持続可能な社会・経済発展に向けた活用の在り方とは?―
    • チーム1:AI教育が大学に普及しない現状に対して、学生の立場から、学生のAI技術の習熟と産学官連携による学生団体の立ち上げを提案。
    • チーム2:遊牧民族文化の維持・継承と平等な教育による持続的な経済成長に対して、AIによる個別学習システムの導入を提案。
    • チーム3:医療インフラの不足や感染症の脅威に直面する地方や遊牧民地域の課題に、AIと自動運転技術を活用した無人病院および薬局を提案。
    • チーム4:学校での電力供給不足による継続的教育提供の困難という課題に、AIに管理された再生可能エネルギー、蓄電池の導入を提案。
  • テーマB:内陸国の発展戦略を作る!―海洋国との連結に向けて―
    • チーム1:医療従事者と設備の不足、技術の遅れ、学生支援・奨学金の拡充、医療分野への関心向上、留学支援による人材育成を提案。
    • チーム2:地方におけるインフラ整備の遅れとそれを担う技術者の不足という課題に対し、日本企業との技術協力と人材育成を提案。
    • チーム3:国外依存やインフラ不足などの構造的な問題と社会的な公平性の解決を課題に、国際モンゴル留学生会を創設し、モンゴル人留学生の人脈形成を構築する提案。
    • チーム4:都市への一極集中による環境問題と貧富・教育格差の広がりという課題に対し、地方に大学中心都市を設置し、若者の地方流入を促進する方法を提案。

(2)講評・授賞式

講師の講評の様子
外務省の講評の様子
テーマAの優勝者、チーム2の皆さんの様子 授賞式の様子。テーマAはチーム2が優勝しました。
授賞式の様子。テーマBはチーム2が優勝しました。
集合写真の様子
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