中華人民共和国
日中外相会談
令和5年11月25日
現地時間11月25日17時30分(日本時間同じ)から約100分間、日中韓外相会議に出席するため韓国・釜山を訪問中の上川陽子外務大臣は、王毅(おう・き)中国外交部長と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、上川大臣から王毅部長に対し、11月16日の日中首脳会談で確認された「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、日中関係の新たな時代を切り開くべく「建設的かつ安定的な日中関係」を構築するという大きな方向性に沿った日中関係の発展に向け、今後、貴部長と緊密に連携したい旨述べ、王毅部長からも同様の考えが示されました。その上で、双方は、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていくことを確認しました。その中で、外相相互の訪問について互いに招請があり、それぞれ検討していくこととなりました。
- 上川大臣から、ALPS 処理水の海洋放出について、日本産食品輸入規制の即時撤廃を強く求めました。また、双方は、お互いの立場に隔たりがあると認識しながら、建設的な態度をもって協議と対話を通じて問題を解決する方法を見い出していくこととしました。
- また、上川大臣から、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海情勢、ロシアとの連携を含む中国の我が国周辺での軍事活動の活発化、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区等の状況等に対する深刻な懸念を表明し、日本のEEZに設置されたブイについて即時撤去を求めました。その上で、双方は、安全保障分野における意思疎通を緊密化するため、日中安保対話を早期に開催することで一致しました。さらに、上川大臣から、台湾海峡の平和と安定の重要性につき述べ、また、邦人拘束事案について早期解放を強く求めました。
- 双方は、11月16日の日中首脳会談で一致した環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケアを始めとする二国間協力の推進、さらには様々な分野における国民交流の拡大に向け、適切な時期に開催する日中ハイレベル経済対話と日中ハイレベル人的・文化交流対話を活用していくべく調整を進めることで一致しました。
- 両外相は、グローバル課題についても意見交換を行い、気候変動政策、感染症対策を含む国際保健等について外交当局間で意思疎通を強化することで一致しました。また、上川大臣から女性・平和・安全保障(WPS)分野で緊密に協力していきたい旨述べ、王毅部長から賛意が示されました。
- 両外相は、拉致問題を含む北朝鮮情勢等についても意見交換しました。両外相は国際場裡において引き続き緊密に意思疎通していくことで一致しました。