アジア

平成26年6月6日
 6月5日及び6日、長崎市において「新日中友好21世紀委員会長崎意見交換会」が開催されたところ、概要以下のとおり。
 なお、今次意見交換会は、第3回会合実施以降、正式会合が実施されていない状況を打開するために、率直な意見交換を行う非公式会合としての位置づけで開催されたもの。

1 日程

6月4日(水曜日)
  • 日本側主催歓迎夕食会
6月5日(木曜日)
  • 開幕セッション:両座長による基調講演
  • 第1セッション~第3セッション
  • 長崎県知事、長崎市長との会見
  • 長崎県主催歓迎夕食会
6月6日(金曜日)
  • 第3セッション(5日の続き)
  • 閉幕セッション:両座長による総括発言
  • 中国側答礼宴
  • 長崎県による地方セミナー
  • 長崎大学におけるキャンパス・セミナー

2 議論のポイント

第1セッション

  • 第1セッションでは、主に現在の日中関係の懸案について議論し、緊張緩和と事態の安定に向けた方策を議論。
  • 東シナ海および南シナ海における海洋を巡る問題、安全保障政策、尖閣諸島、靖国神社参拝を含む歴史認識の問題、日中双方のナショナリズム、メディアの影響、両国間の相互不信等について、率直な議論が展開された。
  • 現在の日中関係がいかにこれまでとは違う、厳しい状況に直面しているかについて双方が認識を新たにすると同時に、不測の事態がエスカレートする危険を避けるための危機管理の重要性や相互不信の悪循環を断ち切ることの必要性といった点について、双方委員の見解が一致。
  • 日中それぞれが相手の言動やその背景についていかなる認識を持っているのか、相手方についてどのような誤解があるのか、そうした認識や誤解が生まれる要因として何があるのかということについて、一層理解を深めた。

第2セッション

  • 主に中長期的な観点から、近年、日中間に懸案が多発する構造的な要因、それを克服して日中間に信頼を醸成するための方策を議論。
  • 日中間に懸案が多発する構造的な要因として、双方の国民感情の悪化があり、これを改善することが最も重要であるという点について日中双方が一致。
  • 相手国の現状をどのように認識するのか、それぞれの内政上の要因が外交・安全保障政策に与えている影響をどう評価すべきか、日中の国民性の違いが二国間関係にどのように影響しているのかといった点についても活発に議論。さらに、メディアの報道に惑わされず事実関係を直接確かめることの重要性についても多くの委員から指摘がなされた。
  • アジア太平洋地域において日中が果たすべき役割についての議論の中で、米国の対アジア政策や将来的なコミットメントの強さをどう評価すべきかといった論点も提起された。
  • 最大の懸案である双方の国民感情の改善に向けた方策としては、様々な分野及びあらゆるレベルで直接の人的交流を図ること、エネルギー、環境等の日中共通の課題において協力を実施・強化していくことなどが必要であるとの意見が出され、こうした点について日中双方は概ね一致。

第3セッション

  • 民間有識者の諮問機関としての本委員会の本来の役割にかんがみ、現在の情勢下で両国の民間が果たすべき役割について議論。
  • 第2セッションに引き続く形で、民間交流、文化交流、地方交流、科学技術や自然科学における交流と協力、青少年交流の必要性や、気候変動・持続可能な開発といった地球規模の課題の解決に向けた日中間の協力の重要性について議論。
  • 日中双方の委員から、自らの得意分野やこれまでの体験に即した具体的かつ説得力のある提案が行われた。
  • また、本委員会の今後の活動に関しては、原則として、次回会合は正式会合として今年下半期に中国で開催し、その際に何らかの形で両国政府に対する提言をまとめるべく、今後更に調整し、努力していくこととなった。

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