スリランカ民主社会主義共和国
日・スリランカ外相会談
令和6年5月4日
現地時間5月4日13時55分(日本時間4日17時25分)から約1時間、スリランカ民主社会主義共和国を訪問中の上川陽子外務大臣は、アリ・サブリー・スリランカ民主社会主義共和国外務大臣(Hon. M.U.M. Ali Sabry, Minister of Foreign Affairs of the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)と外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、サブリー外相から、上川大臣のスリランカ訪問を歓迎するとともに、能登半島地震で犠牲になられた方々に対する弔意の表明があり、これまでの日本からの支援への謝意と共に、両国の協力を一層強化していきたい旨の発言がありました。これに対し、上川大臣から、能登半島地震の被害に対するサブリー外相からのお見舞いのメッセージへの謝意を述べた上で、最近の要人往来の活発化は両国関係の深化の証左であり、日本とスリランカの関係強化に向け全力を尽くしたい旨述べました。
- サブリー外相より、ウィクラマシンハ大統領の2度にわたる訪問をはじめ、両国間のハイレベルの訪問が続いていることを歓迎するとともに、債務再編を巡る議論における日本の貢献に改めて感謝する旨の発言がありました。上川大臣から、スリランカ政府による債務問題に関する取組や改革努力を評価する旨述べました。同時に、上川大臣から、債権国会合との債務再編にかかる覚書に早期に署名すること、及び、全ての債権者との間で債務再編を透明性及び公平性が確保された形で速やかに進めていくことの重要性、並びに、IMFとの合意に基づき汚職対策や政策決定過程の透明化に取り組んでいくべき旨述べ、債務再編に関する覚書が署名され、二国間合意の迅速な締結に向けたスリランカ政府の意思が確認された際には、既存の円借款事業に対する貸付を早期に再開させ、スリランカの発展を一層後押ししていく考えを伝えました。サブリー外相から、最近のスリランカの経済状況について説明があり、状況は徐々に改善しつつあるが、引き続き透明性をもって債務再編を進めていく旨の発言があり、円借款事業への貸付の早期再開に係る方針に対し謝意の表明がありました。
- 上川大臣から、国民和解について、スリランカ政府が様々な取組を進めようとしていることを評価しつつ、日本としてもスリランカの取組を後押ししていく旨述べました。サブリー外相から、国民和解に向けたスリランカ政府の取組について説明があるとともに、日本の協力に対し謝意が表明されました。
- 上川大臣から、インド洋のシーレーン上の戦略的要衝に位置するスリランカは重要なパートナーであり、また環インド洋連合(IORA)議長国でもあるスリランカとの間で、インド太平洋地域全体の包括的な成長を実現するために積極的に連携していきたい旨述べました。この関連で、上川大臣から、今後スリランカとの間で海洋分野についても協力を一層強化していく方針であり、その観点から、今般、海図作成に用いるソナーを搭載した船舶を供与することとした旨を伝達しました。サブリー外相から、インド洋の平和と安定に今後も貢献していく旨の表明がありました。
- なお、今回の外相会談においては、能登半島地震における被災地の復興を願い、上川大臣から輪島塗のボールペンを贈呈しました。サブリー外相からは、被災地の方々のことを思い浮かべながら使わせていただきたいとの謝意の表明がありました。