バングラデシュ人民共和国
本田外務大臣政務官のバングラデシュ訪問(結果)
7月21日から25日まで、本田太郎外務大臣政務官はバングラデシュを訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。
1 ハシナ首相表敬
24日、本田政務官は、シェイク・ハシナ・バングラデシュ人民共和国首相(H.E. Sheikh Hasina, Prime Minister of the People’s Republic of Bangladesh)を表敬しました。
本田政務官から、安倍元総理の逝去に際するハシナ首相からの弔意に謝意を述べつつ、ハシナ首相と安倍元総理との間で2014年に立ち上げられた二国間の「包括的パートナーシップ」は飛躍的に深化してきており、更なる高みへと引き上げたい旨述べました。
これに対し、ハシナ首相から、改めて弔意の表明があり、本年の外交関係樹立50周年の機会に、二国間関係を更に発展させたい旨述べました。
また、両者は、投資環境改善やマタバリ地域の開発を含むバングラデシュの経済・社会開発や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力、ミャンマー・ラカイン州からの避難民問題についても意見交換を行いました。
2 モメン外務大臣表敬
24日、本田政務官は、A.K.アブドゥル・モメン・バングラデシュ人民共和国外務大臣(H.E. Dr. A. K. Abdul Momen, Foreign Minister of the People’s Republic of Bangladesh)を表敬しました。
本田政務官から、「自由で開かれたインド太平洋」の実現は、バングラデシュの持続的成長及びブルーエコノミーの推進にも資するものであり、引き続き協力していきたい旨述べました。また、「ベンガル湾産業成長地帯(BIG―B)」構想の下、マタバリ地域の開発を含むバングラデシュの経済社会開発に対して今後も協力していく考えを述べつつ、さらなる投資促進のため、投資環境改善について引き続きの協力を依頼しました。
これに対し、モメン大臣から、4月に訪日した際の外相会談は非常に有意義であった旨述べつつ、日本からの支援に対する謝意の表明があり、BIG-B構想に積極的に取り組んでいきたい旨述べました。
両者は、ミャンマー・ラカイン州からの避難民問題についても意見交換を行い、本田政務官から、今回の視察を踏まえ、引き続きバングラデシュの取組を後押ししていく考えを述べ、モメン大臣より謝意が示されるとともに、早期帰還の重要性が強調されました。
両者は、本年の外交関係樹立50周年の機会に、二国間の「包括的パートナーシップ」を更なる高みへと発展させるべく、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
3 アラム外務担当国務大臣との会談
24日、本田政務官は、シャハリアル・アラム・バングラデシュ人民共和国外務担当国務大臣(H.E. Mr. Shahriar Alam, State Minister for Foreign Affairs of the People’s Republic of Bangladesh)と会談し、その後夕食会を行いました。
本田政務官から、バングラデシュは「自由で開かれたインド太平洋」を実現するための重要なパートナーである旨述べ、両者は、国際場裡での協力を含め、二国間の協力を一層推進していくことで一致しました。
ウクライナ情勢につき、本田政務官から、我が国として、国際社会と緊密に連携して、強力な制裁措置及びウクライナ支援に引き続き取り組んでいく旨述べました。アラム国務大臣からも、ウクライナの人道状況を深く憂慮している旨発言がありました。また、両者は、ミャンマー・ラカイン州からの避難民への対応においても引き続き連携していくことを確認しました。
両者は、本年の外交関係樹立50周年の機会に二国間関係を一層強化していくことを再確認しました。
4 ダッカ都市交通整備事業準備調査 慰霊式典の出席
24日、本田政務官は、2016年7月に発生したダッカ襲撃テロ事件で犠牲となった日本人を追悼する「ダッカ都市交通整備事業準備調査 現地慰霊式典」に日本政府を代表して出席し、岸田文雄内閣総理大臣及び林芳正外務大臣からの追悼の辞を代読し、慰霊碑に献花を行いました。
【参考】ダッカ襲撃テロ事件及び慰霊式
2016年7月1日、ダッカ市内のレストランにおいて数名の武装グループが人質を取って籠城し、日本人7名を含む20名を殺害、多数が負傷する事案が発生。
犠牲となった日本人が所属していたコンサルティング会社3社及び国際協力機構(JICA)が慰霊碑を制作し、本年6月にダッカ都市鉄道6号線の車両基地内にある「都市鉄道展示情報センター」内への設置が完了したことを受け、今般、現地慰霊式が開催された。
5 視察等
(1)マタバリ視察
22日、本田政務官は、チョットグラム管区マタバリ地区を訪問し、円借款事業として日本が協力しているマタバリ超々臨界圧石炭火力発電所1・2号機及びマタバリ港を視察しました。
(2)避難民キャンプ視察
23日、本田政務官は、コックスバザールの避難民キャンプを訪問しました。現地では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)による生活生計支援、国連世界食糧計画(WFP)による食料支援、日本赤十字社の診療所、JICAによる高深度の井戸採掘の技術移転の取組を視察した他、JICAによる看護師寮の引き渡し式に出席し、支援活動の従事者や避難民から現地の最新状況等について聞き取りを行いました。また、視察中、ウゴチ・ダニエルズ国際移住機関(IOM)副事務局長との短時間立ち話を行いました。
【参考】コックスバザール避難民キャンプ
バングラデシュ・コックスバザールには、従来からあるクトゥパロン地区のキャンプに加え、同地区及び隣接した地域に2017年8月25日以降に大量流入(70万人以上)した避難民のためのキャンプが存在する。UNHCRの報告によれば、キャンプの避難民総数は約93万人となっている(本年6月30日時点)。
(3)国際機関やNGOの邦人職員との意見交換
22日、本田政務官は、コックスバザールにおいて、2017年以降、ミャンマー・ラカイン州北部の情勢悪化を受けてバングラデシュに流入した避難民が滞在するキャンプで活動する国際機関やNGOの邦人職員と懇談し、避難民の状況や人道支援活動等について意見交換を行いました。
(4)都市高速鉄道(MRT6号線)視察
24日、本田政務官は、ダッカにおいて、円借款事業として日本が協力しているMRT6号線を視察しました。