シンガポール共和国

平成28年8月24日

 8月22日,シンガポールにおいて,セラパン・ラマ・ナザン・シンガポール共和国前大統領が逝去したことを受けて,本24日,概ね以下を内容とする安倍晋三内閣総理大臣発リー・シェンロン・シンガポール首相(H.E.Mr. Lee Hsien Loong, Prime Minister, the Republic of Singapore)宛ての弔意メッセージを発出しました。

1 ナザン前大統領のご訃報に接し,日本政府を代表して,シンガポール共和国政府及び同国国民,並びにご遺族の皆様に対し,謹んで哀悼の意を表します。

2 ナザン前大統領は,国民統合の要として,シンガポールの安定と繁栄に大いなる貢献をされました。また,日本語も堪能な大変な親日家でもあられたナザン前大統領は,2009年に国賓訪日をされた今日の日本とシンガポールの友好関係の発展にも並々ならぬご尽力をされました。特に,1974年にいわゆるシンガポール事件が発生した際に,文字通り身を挺してその解決に多大な貢献をいただきました。

3 ナザン前大統領の生前の功績と我が国に対する長年のご厚情を偲びつつ,ご冥福を心からお祈りします。

【シンガポール事件】
 1974年1月31日,武装した日本赤軍メンバー2人とパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のメンバー2人の計4名が,シンガポールのブクム島にある石油精製施設にボートで上陸,施設を爆破後,施設内の従業員移動用ボートを乗っ取り,従業員5人を人質に取ったテロ事件。シンガポール政府は,人質の解放,武器の放棄と引き換えに,安全にシンガポールから脱出するための「保証人団」(Group of Guarantors)の提供を提案。2月8日,ハイジャック犯は,「保証人団」を乗せ,日航機でクウェートへ出発,「保証人団」はクウェートにて解放された。「保証人団」はシンガポール政府役人とシンガポール軍人の計12名で構成され,事件当時,国防省治安情報局長官であったナザン前大統領は,「保証人団」の団長を務めた。


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