アジア
高村外務大臣政務官のマレーシア及びベトナム訪問(結果)
9月22日から26日まで、高村正大外務大臣政務官は、マレーシア及びベトナム(ホーチミン市等)を訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。
I マレーシア訪問
1 政府要人との会談
モハマド・アラミン・マレーシア外務副大臣との会談
23日、高村政務官は、モハマド・アラミン・マレーシア外務副大臣(Mr. Mohamad bin Haji Alamin, Deputy Minister of Foreign Minister, Malaysia)と会談を行いました。
高村政務官から、両国首脳の往来等を通じ、日・マレーシア関係が着実に進展してきた、両国の「包括的・戦略的パートナーシップ」の下、二国間協力を更に強化していきたい旨述べました。また、来年の東アジア首脳会議(EAS)20周年という重要な節目にマレーシアがASEAN議長国を務めることに触れつつ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け、二国間、日ASEAN間の双方で緊密に連携していきたい旨述べました。
これに対し、モハマド外務副大臣から、政府安全保障能力強化支援(OSA)の下での、マレーシア国軍に対する警戒監視用機材の供与について、マレーシアの安全保障能力の向上に繋がる協力であるとして改めて謝意が示されるとともに、本年、海上自衛隊とマレーシア国軍との間で実施された共同訓練を歓迎する等述べました。また、同副大臣は、来年、マレーシアがASEAN議長国を務める中、日本も関与する多数のASEAN関連会合を通じ、日本との協力を更に強化していきたい旨述べました。
さらに、高村政務官から、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想に触れつつ、エネルギー移行や脱酸素化に向けた協力を強化したい、経済安全保障、5Gを含むデジタルやサイバーセキュリティといった分野での協力や、9月に開校した筑波大学マレーシア校等を通じた人材育成・人的交流も進めたい旨を述べました。
これに対し、モハメド外務副大臣から、マレーシアはAZECの理念に強く共感しており、その実現に向け、日本との協力を更に進めたい、また、日本からマレーシアへの観光客は本年大幅に増加しており、このような人的交流も促進していきたい旨述べました。
また、両者は、地域・国際情勢についても幅広く意見交換を行い、様々な分野で両国間の連携を一層緊密にしていくことで一致しました。
2 視察等
(1)日本人墓地への献花
23日、高村政務官は、明治32年に開設されたクアラルンプール日本人墓地を訪れ、献花を行いました。
(2)筑波大学マレーシア校視察
23日、高村政務官は、9月初めに開校した筑波大学マレーシア校を訪れ、同校関係者から、同校の特長等につき説明を受けました。さらに高村政務官は、同校の授業を見学するとともに、同校の新入生との対話を行いました。
(3)マレーシア人元日本留学生との意見交換
23日、高村政務官は、東方政策元留学生同窓会(ALEPS)及びマレーシア元留日学生協会(JAGAM)の幹部である元日本留学生と、日本留学で得た経験や日・マレーシアの更なる交流促進等に関し、意見交換を行いました。
(4)日系企業関係者との意見交換
23日、高村政務官は、マレーシアでのビジネスの現状や現在直面している課題等について、最前線で活動する日系企業関係者と意見交換を行いました。
II ベトナム(ホーチミン市等)訪問
1 地方政府要人との会談
(1)ヴォー・ヴァン・ホアン・ホーチミン市副人民委員長との会談
24日、高村政務官は、ヴォー・ヴァン・ホアン・ホーチミン市副人民委員長(H.E. Mr. Vo Van Hoan, Vice Chairman of Ho Chinh Minh City People’s Committee) と会談を行いました。
高村政務官から、7日に襲来した台風で甚大な被害が出たことに対しお見舞いの言葉を述べるとともに、3月にホーチミン市を訪問した際に参加したジャパン・ベトナムフェスティバルにおいては約42万人が来場し、日本とベトナムの絆の深さを改めて実感した旨述べました。また、昨年の日越外交関係樹立50周年を機に、両国関係は「包括的戦略的パートナーシップ」へと格上げされたことに触れ、新たなパートナーシップの下、両国間の協力を更に強固なものとすべく、連携していきたい旨述べました。
これに対し、ホアン副人民委員長は、ホーチミン市主催の行事に日本政府の代表として参列いただいたことへの深い感謝を示すとともに、台風被害へのお見舞いの言葉に感謝する旨、ホーチミン市と日本との間の要人往来が活発化している現状を歓迎する旨、日本とホーチミン市はこれまで様々な分野で協力を積み重ねており日ベトナム関係は過去最良の状態にある旨、今後も交通分野を中心としたインフラ整備、半導体分野を含む労働者のスキル向上のための人材育成等の分野で日本と協力していきたい旨、日本企業誘致のためにハイテク産業用工業団地の整備も含め投資環境を改善していきたい旨述べました。
また、両者はODAの再活性化によるインフラ整備につき意見交換するとともに、地方間交流をより一層促進していくことが重要であるとの認識で一致しました。
(2)グエン・ヴァン・ロイ・ビンズオン省党委員会書記との会談
25日、高村政務官はグエン・ヴァン・ロイ・ビンズオン省党委員会書記(H.E. Mr. Nguyen Van Loi, Party Secretary of Binh Duong Province) と会談を行いました。
高村政務官から、昨年の日越外交関係樹立50周年を機に、両国関係は「包括的戦略的パートナーシップ」へと格上げされたことに触れ、新たなパートナーシップの下、両国間の協力を更に強固なものとすべく連携していきたい旨、日本の地方自治体とビンズオン省との交流が活発化している現状に触れ、ビンズオン省が日本企業の投資誘致に力を入れていることを歓迎するとともに、更なる投資が進むよう、投資環境の整備を引き続き進めていただきたい旨述べました。
これに対し、ロイ書記から、高村政務官に対して、訪日時に山口県に歓待いただいたことに感謝の意を示すとともに、過去20年間、そして特に直近の10年間、重要なパートナーとして、日本がビンズオン省の発展に貢献してきたことに対する感謝を述べました。また、ビンズオン省に関する経済指標や、今後のビンズオン省の発展の見通しについて述べつつ、日本企業のビンズオン省進出が一層進むよう、環境整備を促進していきたい旨述べました。
さらに高村政務官から、ビンズオン省においてはインフラ整備、製造業、サービス業など多くの日本企業が進出している他、日本企業と現地公営企業が大規模の都市開発を実施しており、こうした案件を通じ両国の経済関係が強化されることを期待する旨述べました。また、日本とビンズオン省間のスポーツ交流に触れ、こうした交流を通じて、両国の若い世代の交流が更に促進され、二国間関係がより強固となることを期待している旨述べました。
また、両者は日本とビンズオン省との更なる連携の強化や今後のODAの活用等についても意見交換を行いました。
2 ホーチミン市主催行事への参加
(1)「フレンドシップ・ダイアログ」への出席
24日、高村政務官は、ホーチミン市主催の国際フォーラム「フレンドシップ・ダイアログ」に外国からのゲストの一員として出席し、ホーチミン市の産業変革・産業発展に向けた議論の中で、スピーチを行いました。スピーチにおいて、冒頭台風による被害についてのお見舞いと、昨年度日本とベトナムとの間の関係が包括的戦略的パートナーシップへと格上げされたことに触れつつ、「GX、DX分野における日越間の協力」「日系企業の投資環境整備のための取組の推進」「人材交流・人材育成の一層の促進」の3点につき具体例等を紹介しつつ、ベトナムの産業発展への日本の貢献につき説明しました。
これに対し、高村政務官が参加したセッションの司会を務めていたマイ・ホーチミン市人民委員長は、同スピーチを受けてお見舞いの言葉に感謝する旨、今後の議論に向けて重要となる分野での日本の協力につき説明いただき感謝する旨のコメントを述べました。
(2)ホーチミン市友好モニュメント竣工式への出席等
24日、高村政務官は、ホーチミン市と各国都市との友好関係を象徴するモニュメントの竣工式に参列するとともに、25日には、ホーチミン市主催のガラディナーに日本政府代表として参加し、ホアン副人民委員長を始めとしたホーチミン市幹部と親交を深めました。
3 視察等
(1)越日工業大学、HUTECH(フーテック)大学視察
24日、高村政務官は越日工業大学、HUTECH大学を視察し、日本語の通訳や翻訳者を目指す学生や、日本の大学から取り入れたプロジェクトデザインに関する授業を受講する学生達と交流した他、各大学の関係者から、交換留学やインターンシップ等の取組を通した日本語教育プログラムについて説明を受けました。
(2)VJCC(ベトナム日本人材開発インスティチュート)
24日、高村政務官は、ODA事業の下、JICAと外国貿易大学との協力により設置されたVJCC(ベトナム日本人材開発インスティチュート)を視察しました。日本的経営についてベトナムの経営者達が学ぶ「経営塾」の授業視察や同塾の同窓会組織のメンバーとの意見交換を行いました。
(3)ビンズオン省における大規模都市開発案件視察
25日、高村政務官は、東急株式会社がベトナム・ベカメックス社と共同で開発しているビンズオン省の新都市開発事業を視察し、ビンズオン省における投資事業の現状につき説明を受けました。