マレーシア

平成27年11月20日
日・マレーシア首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

 11月20日(金曜日)16時15分頃(現地時間)から約40分間,安倍晋三内閣総理大臣は,ASEAN関連首脳会議出席のために訪日中のマレーシア・クアラルンプールにおいて,ナジブ・ラザク・マレーシア首相と会談を行ったところ,概要は以下のとおり。

1 冒頭

 ナジブ首相から,ASEAN・東アジア首脳会議(EAS)議長として安倍総理のマレーシア訪問を歓迎する旨述べた。安倍総理より,本年5月にナジブ首相に訪日頂き,今度は自分がマレーシアを訪問することができた,相互訪問により,日マレーシア関係が更に強化されることは喜ばしい旨述べるとともに,マレーシアと協力し,ASEAN関連首脳会議を是非成功させたい旨述べた。

2 ASEAN関連首脳会議

(1)ASEAN,EAS

 安倍総理から,ASEAN共同体の発足及び新たな統合目標の設定に祝意を示し,10周年を迎えたEASの機能強化や政治・安全保障分野の議論強化の方針を支持し,今後も,全面的にASEAN統合に向けた取組を支援する旨述べた。ナジブ首相からは,議長国としての取組に対する日本の支援に謝意が述べられた。

(2)北朝鮮,南シナ海

 安倍総理から,国連安保理決議に違反した北朝鮮の核・ミサイル開発は地域及び国際社会の重大な脅威であり,北朝鮮に諸懸案の解決を強く促すためにも,国際社会が一致したメッセージを出すべきである旨述べた。
 また,南シナ海に関し,大規模な埋立てや拠点構築,軍事目的での利用等,現状を変更し,緊張を高める一方的行為が依然として継続している状況について深刻な懸念を表明するとともに,埋立て行為自体の既成事実化は認められない旨述べた。これに対し,ナジブ首相は,日本の懸念はマレーシアの有する懸念と同一のものである旨述べた。

3 二国間関係

(1)政治・安全保障

 安倍総理から,先般成立した「平和安全法制(PDF)別ウィンドウで開く」が,地域の平和・安定のためにも,PKOや後方支援等を通じた安全保障分野における国際貢献を一層可能とするものであり,戦後70年,日本の平和国家としての根幹は不変である旨述べた。これに対し,ナジブ首相から,安倍総理の説明によって,本法制についての日本の意図が良く理解できたと述べ,特にPKOを通じて平和に貢献しようとする日本の意図に何ら不安や問題は感じないと述べた。
 また,両首脳は,防衛装備品移転協定や防衛協力覚書を通じて具体的な防衛協力を進めていくことで一致するとともに,マレーシアPKO訓練センターを通じた協力の進展を歓迎した。

(2)海洋

 安倍総理から,マレーシア海上法令執行庁(MMEA)への操船シミュレーターの供与実現に向け,調査の開始を決定した旨述べた。ナジブ首相は,マレーシアの海洋能力の向上に対する支援に感謝の意を表明した。

(3)経済・文化・人的交流

 安倍総理から,「質の高いインフラ・パートナーシップ」に基づくインフラ協力を推進し,特に,マレーシア・シンガポール間高速鉄道では,新幹線導入を改めて強く期待する旨述べた。これに対し,マレーシア側からは,入札に向けた今後のプロセス等に関する説明がなされた。
 「東方政策2.0(PDF)別ウィンドウで開く」については,両首脳は,二国間調整会合の準備会合の開催等両国間の協力が進展していることを歓迎した。

4 その他

(1)安倍総理から,国連安保理非常任理事国選挙でのマレーシアからの支持に謝意を述べた。また,ナジブ首相は,現在の国連は改革されるべきであるとし,21世紀にふさわしい国連とするべく日本と連携していきたい旨述べた。

(2)安倍総理より,大筋合意したTPPの早期署名及び発効に向け連携していきたい旨述べたところ,ナジブ首相は,日本と連携し,特に投資,市場アクセスで協力を進展させるとともに,アジア太平洋地域でTPPが拡大していくことを期待したい旨述べた。


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