マレーシア
岸田総理大臣のマレーシア訪問(11月4日・5日)
マレーシア訪問中の岸田文雄内閣総理大臣の11月4日及び5日の主な行事の概要は以下のとおりです。
1 日系企業関係者との夕食会
岸田総理大臣は、現地時間11月4日午後9時(日本時間同日午後10時)から約1時間15分間、在マレーシア日系企業関係者との間で、マレーシアでのビジネスの現状や日・マレーシア経済関係の今後の展望等について意見交換を行いました。
2 クアラルンプール日本人墓地献花
岸田総理大臣は、現地時間11月5日午前9時15分(日本時間同日午前10時15分)から約15分間、クアラルンプール日本人墓地を訪問し、献花しました。
3 日・マレーシア首脳会談

岸田総理大臣は、現地時間11月5日午前10時5分(日本時間同日午前11時5分)から約2時間、アンワル・イブラヒム・マレーシア首相(Dato' Seri Anwar bin Ibrahim, Prime Minister of Malaysia)と、マレーシア首相公邸において、日・マレーシア首脳会談を実施したところ、概要は以下のとおりです。会談には、日本側から森屋宏内閣官房副長官、森昌文内閣総理補佐官他が、また、マレーシア側からは、ザンブリー外務大臣、ラフィジ経済大臣、ザフルル投資貿易産業大臣、カレド高等教育大臣、ファミ通信デジタル大臣他が同席しました。なお、会談の冒頭、約25分間は通訳のみを交えた1対1の意見交換を行いました。
(1)冒頭


アンワル首相から、岸田総理大臣のマレーシア訪問を歓迎するとともに、二国間関係の一層の深化に対する期待が示されました。岸田総理大臣から、東方政策を基盤とした良好な二国間関係を更に深化させるとともに、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳が守られる世界を確保すべく、協力していきたい旨述べました。
(2)経済・環境
アンワル首相から、日系企業の更なる投資に期待する旨述べたのに対し、岸田総理大臣から、投資環境の整備等を通じ、日系企業の活動を後押ししていきたい旨述べました。また、岸田総理から、LNGの安定供給、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を含む脱炭素・エネルギー、デジタルやサイバーセキュリティといった分野における連携を進めたい旨述べ、両首脳は、5G技術を含むサイバーセキュリティの推進を含む情報通信分野における協力覚書の更新を歓迎しました。さらに、両首脳は、日本とマレーシアが共同議長を務めた先月の日ASEAN農林大臣会合で採択された「日ASEANみどり協力プラン」の着実な実施に向けた連携を確認しました。また、アンワル首相か ら、ALPS処理水に関し、科学的根拠に基づく日本の取組を評価する旨の発言がありました。
(3)人材育成、人的・文化交流
両首脳は、明年9月の筑波大学マレーシア分校の開校をはじめとする人材育成や人的交流の強化を通じ、国民間の交流を更に促進していくことで一致しました。
(4)安全保障・防衛協力
岸田総理大臣から、地政学的な要衝に位置し、地域の平和と安全に重要な役割を担うマレーシアとの協力を重視している旨述べ、両首脳は、両国間の戦略的な意思疎通を強化していくことを確認しました。
両首脳は、政府安全保障能力強化支援(OSA)の実施に向けた調整を加速していくことを確認するとともに、自衛隊とマレーシア国軍間の共同訓練や交流、海上保安機関間の共同訓練の実施を含め、海洋分野の協力を更に強化していくことで一致しました。
(5)地域・国際情勢
岸田総理大臣から、日・ASEAN関係の強化に向けて、12月の日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議において、将来の日・ASEAN関係の方向性と新たな協力のビジョンを共同で打ち出したい旨述べました。これに対し、アンワル首相から、今後の日・ASEAN関係が一層強化されることへの期待が示されました。
岸田総理大臣から、イスラエル・パレスチナ情勢につき、日本の立場を説明しつつ、全ての当事者が国際法に従って行動すべきこと、周辺国への波及防止と事態の早期沈静化が重要であること、そして、特に今はガザ地区の人道状況の改善が最優先であることを伝えました。
岸田総理大臣は、東シナ海及び南シナ海における力による一方的な現状変更の試みに対する深刻な懸念を表明するとともに、両首脳は、緊密に連携して対応することを確認しました。
両首脳は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応について、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
また、両首脳は、ウクライナ情勢、ミャンマー情勢及び核軍縮・不拡散といった地域及び国際社会の諸課題についても引き続き連携して対応することで一致しました。
4 協力覚書交換式・共同記者発表


両首脳の立ち会いの下、総務省とマレーシア政府との間の情報通信分野の協力に関する覚書の更新文書の交換を行いました。
文書交換式に続いて、両首脳は共同記者発表を行いました。