インドネシア共和国

令和7年1月11日
石破総大臣への歓迎式典の様子 (写真提供:内閣広報室)
石破総理大臣とプラボウォ・インドネシア大統領との会談の様子 (写真提供:内閣広報室)
共同記者会見後に握手をする石破総理大臣とプラボウォ・インドネシア大統領 (写真提供:内閣広報室)

 現地時間1月11日午前10時10分(日本時間午後0時10分)から約110分間、インドネシアを訪問中の石破茂内閣総理大臣は、プラボウォ・スビアント・インドネシア共和国大統領(H.E. Mr. Prabowo Subianto, President of the Republic of Indonesia)と、大統領宮殿において日・インドネシア首脳会談を実施したところ、概要は以下のとおりです(少人数会合:午前10時10分から約50分間、全体会合:午前11時から約60分間)。なお、会談に先立ち歓迎式典が行われ、また、会談後には共同記者発表及びプラボウォ大統領主催午餐会が行われました。午餐会では、日本とインドネシアの楽曲が演奏されたほか、防衛大学校卒業生でもあるスダルヨノ農業副大臣が防衛大学校校歌を歌うなど、和やかな雰囲気の中行われました。

  1. 冒頭、プラボウォ大統領から、今般の訪問を歓迎する旨述べたのに対し、石破総理大臣から訪問でき嬉しい、大変暖かい歓迎に感謝する旨述べました。続けて、石破総理大臣は、世界中が平和的な方向に向かうよう、世界最大のムスリム人口を有するインドネシアとの協力を重視している旨述べました。これに対し、プラボウォ大統領は、両国の包括的・戦略的パートナーシップを一層強化すべく、様々な分野での協力を具体化していきたい旨述べました。
  2. 二国間関係に関し、主に以下の5つの分野で協力を深化することで一致しました。
    1. 安全保障分野では、両首脳は、本年中に外務・防衛閣僚会合「2+2」開催することで合意するとともに、両国防衛大臣間で、防衛装備品・技術協力を含む両国の海洋安全保障について防衛実務者間 の協議を立ち上げることで一致したことを歓迎しました。また、両首脳は、OSA(政府安全保障能力強化支援)に関し、インドネシア海軍向け高速警備艇の供与についての交換公文の署名を歓迎しました。加えて、両首脳は、防衛協力の要諦は人と人とのつながりとの認識の下、防衛大学校への留学生受入れや佐官級交流を通じた人的ネットワーク形成の重要性を確認しました。
    2. 経済分野では、石破総理大臣から、インドネシアの経済発展を後押ししていきたい旨述べました。両首脳は、エネルギー安全保障の確保と多様な道筋による脱炭素化に向けて、資源・インフラ協力の推進を確認するとともに、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想下のムアララボ地熱発電事業へのJBIC等による協調融資の合意を歓迎しました。
    3. 防災分野について、石破総理大臣は、両国とも災害多発国であることを念頭に、日本の知見を活かし、インドネシアにおける国土強靱化を実現するべく、これからも支援していく旨述べ、プラボウォ大統領から謝意が示されました。
    4. プラボウォ大統領が貧困対策・栄養事情改善の一環で進める給食の普及について、石破総理大臣から、日本の経験を踏まえ、専門家派遣や政府関係者への研修などを通じて貢献したい旨述べたところ、プラボウォ大統領は謝意を示しました。また、両首脳は、食糧問題について議論し、漁業・農業振興への協力の推進で一致しました。
    5. また、両首脳は、人材育成の重要性を強調し、双方向の往来を強化することで一致しました。
  3. また、両首脳は、地域・国際情勢についても意見交換を行い、引き続き連携していくことを確認しました。
    その上で、両首脳は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」や「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」の実現を通じ、世界を協調に導くべく、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化することの重要性を確認し、引き続き連携していくことで一致しました。
    また、インドネシアのOECD加盟プロセスに関し、石破総理大臣から、日本は基本的な価値や原則を共有するインドネシアのOECD加盟を重視しており、プロセスの進展を積極的に支援することを表明しました。
  4. 最後に、石破総理大臣からプラボウォ大統領を本年中に訪日招待する考えを伝え、プラボウォ大統領から招待に感謝する、訪日を楽しみにしている旨述べました。

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