インドネシア共和国
小田原外務大臣政務官の第9回バリ民主主義フォーラム出席(結果)
1 第9回バリ民主主義フォーラムの概要
(1)経緯
2008年、民主化を達成したインドネシアのイニシアティブにより、アジア地域の民主主義の促進と発展の政府間フォーラムとして設立。閣僚級のフォーラムを毎年開催。
(2)本年のテーマ
本年のフォーラムは「宗教、民主主義と多元主義」をテーマに開催された。
(3)参加国
オブザーバーを含め、82か国・3国際機関から参加。
(4)主な日程
12月8日(木曜日)
- 午前
- ジョコ大統領の開会挨拶等
一般討論 - 昼
- ルトノ外相主催昼食会
- 午後
- 一般討論
2 小田原政務官によるスピーチ
8日午後、小田原政務官は一般討論においてスピーチ(PDF)を行ったところ骨子は以下のとおり。
(1)冒頭
主催国インドネシアが、幾多の困難を乗り越えて民主主義を確立し、本フォーラムなどの取組をもって各国の民主化の進展に貢献していることを高く評価。我が国としても、アジアを始めとする国々に開発・民主化等の支援を行っていく。
(2)日本の取組
昨年我が国は戦後70年を迎えたが、「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。」ということを胸に、平和国家として、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値に重きを置き、これを不断に培ってきた。
(3)宗教、民主主義、多元主義
ア 宗教と多元主義
日本は、アジアにおける宗教の共存社会実現や相互理解促進のため、2004年より、インドネシアの地域社会の中核として大きな役割を果たしているイスラム寄宿塾の教師を日本に招待している。こうした取組を通じ、日本自身もイスラム教を始めとする他の宗教への理解を深め、共存社会に近づいていきたい。
イ 民主主義と多元主義
多元主義は、まさに民主主義に不可欠な制度の一部である。アジア諸国はそれぞれの民主主義の道を歩んできた。日本は、そうした民主主義の実現への努力に惜しみのない支援を行う。多元性を尊重したASEANの統合を後押ししたい。
ウ 女性の活躍
日本は、「女性が輝く社会」の実現を政権の最重要課題の一つとして掲げ、国の内外で様々な取組を進めている。そのような取組を国際的に発信するため、日本は、来週、国際女性会議、WAW!(World Assembly for Women)を開催する。
(4)結語
グローバル化が進む中、世界各国で民主主義のあり方が変わりつつある。このフォーラムは、そうした変化を皆で共有し、敏感に感じ取るための貴重な機会である。日本として、各国と協力して、アジアを始め世界各国の民主化を更に後押ししていく。
3 二国間会談、懇談等
小田原政務官は上記2.のスピーチに加え、第9回バリ民主主義フォーラムに出席した以下の外国政府要人と会談・懇談を行った。
(1)ルトノ・インドネシア外務大臣との懇談
日インドネシア間の友好協力関係の今後の促進の方途について有意義な意見交換を行った。(2)エルワン・ブルネイ外務貿易副大臣との会談
ブルネイの産業多角化への日本の協力、福島県産食品等の輸入規制問題等の二国間関係の課題のほか、ASEANの対日調整国としてのブルネイとの協力関係および南シナ海問題等地域の課題における連携の強化、TPP等について意見交換を行った。
(3)コエーリョ東ティモール外務協力大臣との会談
コエーリョ大臣より日本からの経済協力に対する感謝が述べられた。両国間の人的交流の拡大、東ティモールの政治情勢、北朝鮮問題等について意見交換を行った。