タイ王国

平成27年11月16日
本16日,9時30分から約50分間,アジア太平洋経済協力(APEC)閣僚会合に出席のためフィリピンのマニラを訪問中の岸田文雄外務大臣は,ドーン・ポラマットウィナイ・タイ外務大臣(H.E. Mr. Don Pramudwinai)と会談を行いました。概要は以下のとおりです。

1 岸田外務大臣から,ドーン外務大臣の就任をお祝いした上で,バンコク中心部での爆発による多数の犠牲者に対するお悔やみを伝え,日本人被害者へのタイ政府からの支援に謝意を表明しました。更に,パリで発生したテロ行為は,日タイが共有し守ろうとする価値に対する挑戦であり,国際社会が一致団結し,断固非難すべき,日本としてタイを含む国際社会と緊密に連携し,テロ対策に取り組んでいく旨述べました。
ドーン外務大臣からは,バンコク爆発事件へのお悔やみに感謝する,パリでのテロ行為について,日タイ両国は同じ価値観を共有しており,テロとの闘いにおいて日本と協力していきたいとの発言がありました。

2 岸田外務大臣から,「戦略的パートナー」たる日タイ間で活発なハイレベル交流が行われていることをうれしく思う旨述べ,多くの日本人がタイに滞在し,日本企業の活動も極めて活発であることから,在留邦人の安全確保や日本企業にとって良好な投資環境の維持と発展を要請しました。また,タイ国内の鉄道等のインフラ整備をはじめとする,様々な分野の日タイ協力を推進していきたい,就中,ダウェー開発の特別目的事業体への出資を速やかに実現すべく検討を進めている,タイ国境からダウェーまでの道路に関する調査も来年1月に完了予定であり,JICA専門家も活用し,日本の関与を本格化したい旨述べました。7月の外相会談で作成に合意した農業協力に係る文書についても早期に合意し,農業協力を更に進めていきたい旨述べました。更に,これらの協力の進展のためにも,タイの民政復帰のプロセスが速やかに進むことを祈念する旨伝えました。
ドーン外務大臣からは,日本からタイへ多くの投資が行われており,6.4万人の在留邦人がおられると承知している,また,日本がタイに関心を有している南北の鉄道や東西の道路,そしてダウェー開発において我々は協力することができる,ついては,経済連携協定や特別経済地域,将来の投資や貿易の展望に関し,二国間で協力していきたい旨述べました。

3 岸田外務大臣から,南シナ海の安定確保は,地域の平和と繁栄に極めて重要であり,日本として「法の支配」に基づく平和的解決を訴えてきている旨説明し,来たるASEAN関連首脳会議においては,ASEANが一体となって取り組み,強いメッセージを発出すべき旨伝えました。また,国連安保理改革を含め,国際場裏の協力についても確認しました。
ドーン大臣からは,南シナ海についてのASEAN対中調整国であった時期でのタイの取り組みについて説明があった他,対話を通じた問題の解決とASEANが一体となって取り組むことの重要性について言及がありました。さらに,国際場裏において日本とタイの間で引き続き協力したい旨発言がありました。

4 ドーン外務大臣より,自分としても訪日を希望しているが,まずは岸田大臣を早期にタイにお迎えしたい旨述べました。また,ドーン大臣からタイの民政復帰のプロセスについて説明があり,民主化に際しての改革に関する日本からの経験に学びたいとの発言がありました。

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