タイ王国

平成27年11月27日
本27日午後2時から約1時間,菅義偉内閣官房長官は,訪日中のソムキット・チャトゥシーピタク副首相(H.E. Dr. Somkid Jatusripitak, Deputy Prime Minister)との間で,双方の関係閣僚が同席する中でハイレベル合同委員会を開催したところ,概要は以下のとおりです。

1 菅官房長官から,本年8月より副首相としてタイ政府の経済政策の総指揮をとられているソムキット副首相の訪日を歓迎するとともに,昨年以降重ねられてきた日本とタイのハイレベル交流により,東日本大震災以降の食品輸入規制撤廃や,タイ国内の鉄道事業,ダウェー開発等大型インフラの面で具体的な成果が実現してきており,タイは日本にとって最も重要な経済パートナーの一つとなっている旨述べました。さらに,タイが「中進国の罠」を乗り越えて更に発展するために,我が国は多くの役割を果たすことができ,また,タイの発展を日本の成長戦略に取り込むことにもなる,現在,タイでは競争力の強化やイノベーションをどう実現するかが課題となっているが,本日の合同委員会で取り上げられる,鉄道分野の協力,新たな投資政策,TPP,投資環境整備はいずれも大変重要なテーマであり,関係閣僚による率直な議論が行われ,日・タイ両国の協力が更に進むことを期待する旨述べました。さらに,タイには多くの日本企業が進出し,在留邦人も多数滞在していることから,これら邦人の安全確保や,日本企業にとっての良好な投資環境の必要性について指摘しました。

2 これに対し,ソムキット副首相からは,本件会合は,関係閣僚が一同に介して日・タイ間の様々な内容について議論することの出来る貴重な機会であり,開催に向けた菅官房長官のご尽力に感謝する,日本とタイはただ経済のみならず更に広い意味でパートナーであり,タイが国内で様々な改革に取り組む中で日本の経験を知ることは大変意義深い旨述べました。

3 このほか,両国が高い関心を有する諸分野の中で,特に鉄道協力,投資政策・投資環境整備,環太平洋パートナーシップ協定(TPP),観光,科学技術といった分野で,出席閣僚の間で意見交換が行われました。

4 また,右会談に先立ち,菅官房長官は,迎賓館(和風別館)にソムキット副首相他同行閣僚を招き,懇談を行いました。ソムキット副首相からは,数多く訪日しているが,大変美しい日本庭園に感銘を受けた,日本政府が行った訪日タイ人に対する査証免除の結果,大変多くのタイ人が日本を訪れるようになったことを歓迎する,タイ政府は日本人の安全を極めて重視しており,より多くの日本人にタイを訪れて頂きたい旨発言がありました。

【参考1】主要同席者
1 日本側:甘利明・経済再生担当大臣,林幹雄・経済産業大臣,石井啓一・国土交通大臣,木原誠二・外務副大臣,和泉洋人・内閣総理大臣補佐官
2 タイ側:アピラディ商務大臣,アーコム運輸大臣,コプカン観光スポーツ大臣,ピチェート科学技術大臣,アチャカ工業大臣,ウィラサック外務大臣政務官

【参考2】会合冒頭に交換された文書
1 ハイレベル合同委員会に関する日本国政府及びタイ王国政府との間の意図表明覚書
(1)日本側署名者:菅義偉 内閣官房長官
(2)タイ側署名者:ソムキット・チャトゥシーピタック 副首相
概要:日タイ両国間の貿易、投資及び経済協力を深化させるため、ハイレベル合同委員会を設置し、貿易、投資及び経済協力分野の計画及び実施のレビュー、既存・新規の協力分野の連携を担うことを記載。

2 南部経済回廊に関する日タイ鉄道協力覚書
(1)日本側署名者:石井啓一 国土交通大臣
(2)タイ側署名者:アーコム・トゥームピタヤパイシット 運輸大臣
概要:南部経済回廊(カンチャナブリ~バンコク~アランヤプラテート/レムチャバン)に係る在来線の鉄道施設の整備・改良、貨物鉄道輸送事業、鉄道分野の人材育成等、鉄道協力の具体化、加速化を確認するための覚書

3 メコン地域の産業人材育成協力に関する意図表明覚書
(1)日本側署名者:林幹雄 経済産業大臣
(2)タイ側署名者:アピラディ・タントラポーン 商務大臣
概要:経済産業省とタイ商務省の間で、日・メコン首脳会合及び経済大臣会合等を通じて産業発展に向けた協力を進めているメコン地域のバリューチェーン及び中小企業の競争力の強化を目的とした人材育成協力の意図を表明するもの。

タイ王国へ戻る