ラオス人民民主共和国
日・ラオス首脳電話会談
令和3年4月7日
4月7日、午後2時10分頃から約30分間、菅義偉内閣総理大臣は、パンカム・ヴィパヴァン・ラオス人民民主共和国首相(H.E. Dr. Phankham Viphavanh, Prime Minister of the Lao People’s Democratic Republic)と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。なお、今回の電話会談は、両国間で初めての首脳級の電話会談となりました。
- 冒頭、菅総理大臣から、4日にラオス中部ビエンチャン県で発生した遊覧船事故により犠牲となった方々の御遺族への哀悼の意、及び負傷者の方々へのお見舞いの意を表しました。続いて、先月末のパンカム首相の首相就任への祝意を表し、日ラオス関係強化の功績で2019年に旭日大綬章を受章されたパンカム首相と手を携えて、両国の「戦略的パートナーシップ」関係を一層発展させ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を進めたいと述べました。これに対し、パンカム首相から謝意が伝えられるとともに、菅総理大臣と緊密な協力の下、両国関係の更なる増進に全力を尽くしたい旨述べました。
- 両首脳は、両国関係の飛躍的な発展に向けた指針となる「日ラオス戦略的パートナーシップの前進に向けた行動計画」の発表を確認しました。 菅総理大臣からは、両国間の特に重要な協力として、(1)新型コロナ・ワクチン接種に不可欠な保冷設備等コールド・チェーン整備のための約2億円の支援を行うこと、(2)ラオスが重視するベトナムとの連結性強化に必要な支援を推進し、空の連結性強化のため、ラオスの国際空港の機能改善のための協力を行う用意があること、(3)防衛協力に関して、災害救助や不発弾処理の分野で一層高度な能力構築支援事業を実施すべく準備を進めていくことを伝達しました。これに対して、パンカム首相から、これまでの日本政府及び国民からの多大な支援によりラオスは発展してきたと述べ、改めて謝意が表されました。また、菅総理大臣が述べた協力の全てがラオスの持続的な発展・開発に欠かせないものであるとし、ラオス政府としても実施に向けて全面的に協力したいと述べました。
- ミャンマー情勢について、菅総理大臣から、現在の情勢に重大な懸念を有しており、多数の死傷者が発生し続けている状況を強く非難するとともに、国軍に対して民間人への暴力の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含む関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を引き続き働きかけていく旨述べました。さらに、菅総理大臣から、ASEANによる事態打開に向けた取組を評価しつつ、ミャンマーの近隣国としてのラオスの役割にも期待する旨述べ、両首脳は今後の情勢を注視することで一致しました。また、菅総理大臣から、中国海警法を含む東シナ海及び南シナ海における最近の動向について深刻な懸念を表明しました。さらに、北朝鮮について、菅総理大臣から先般の弾道ミサイルの発射を強く非難するとともに、拉致問題の早期解決に向け理解と協力を求め、改めてパンカム首相から支持が表明されました。
[参考]
別添1:日・ラオス戦略的パートナーシップの前進に向けた行動計画概要(PDF)
別添2:日・ラオス戦略的パートナーシップの前進に向けた行動計画本文(英文)(PDF)

別添3:日・ラオス戦略的パートナーシップの前進に向けた行動計画本文(和文仮訳)(PDF)
