カンボジア王国

令和6年7月6日
ソック・ チェンダ・サオピア・カンボジア副首相兼外務国際協力大臣と握手する上川外務大臣
ソック・ チェンダ・サオピア・カンボジア副首相兼外務国際協力大臣と会談する上川外務大臣
ソック・ チェンダ・サオピア・カンボジア副首相兼外務国際協力大臣と円借款と無償資金協力に関する書簡に署名する上川外務大臣

 現地時間7月6日午後5時(日本時間同日午後7時)から約70分間、カンボジア王国を訪問中の上川陽子外務大臣は、ソック・ チェンダ・サオピア・カンボジア王国副首相兼外務国際協力大臣(H.E.Mr. Sok Chenda Sophea, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation of the Kingdom of Cambodia)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。会談後、両外相は、署名式に出席しました。

  1. 日・カンボジア外相会談
    (1)冒頭
     ソック・チェンダ副首相は、上川大臣のカンボジア訪問を歓迎すると述べるとともに、日本の支援で建設された橋が描かれているカンボジア紙幣を示しつつ、日本がカンボジア和平の時代以来カンボジアに寄りそって支援を行ってきたことに謝意が述べられるとともに、「包括的戦略的パートナーシップ」の下で、両国間の協力をさらに発展させていきたい旨述べました。さらに、ソック・チェンダ副首相よりフン・マネット首相からのメッセージとして、カンボジアがパレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)に正式メンバーとして参加する旨述べました。
     これに対し、上川大臣から、日本とカンボジアは、長年の信頼関係構築を経て、両国が連携できる分野は着実に拡大しており、今後の両国間協力では、人材育成と日本の技術活用に重点を置き、カンボジアの持続性強化と更なる社会的価値の共創に向けて、協力していきたい旨述べました。
    (2)二国間関係
     ア 上川大臣から、カンボジアの発展と両国間の協力の実績を踏まえ、「3つの新たな協力アプローチ」として社会基盤整備、海の連結性、地雷分野での協力を進めたい旨発言しました。
     (ア) 社会基盤整備
     上川大臣から、社会基盤整備のうち、水分野では、上水道のプノンペン・モデルの地方展開、プノンペンでは新たな課題である下水道整備のほか、日本企業の進出促進において協力を行う旨述べました。また、デジタル分野において、5Gを含む基幹通信インフラ整備で協力を進めるとともに、サイバーセキュリティ対策でも連携する旨述べました。
     (イ) 海の連結性
     上川大臣から、海の連結性強化に向けて、シハヌークビル港のカンボジア及び地域の中核港かつ物流拠点としての発展に向けた協力のほか、海洋航路の安全確保を含む海上安全保障でも協力していきたい旨述べました。
     (ウ) 日・カンボジア地雷イニシアティブ
     上川大臣から、今次訪問中に発表した「日・カンボジア地雷イニシアティブ」について説明し、地雷対策分野においては、カンボジアは日本にとって特別なパートナーであり、第三国支援や地雷除去関連技術の開発での協力のほか、オタワ条約第5回検討会議等の機会を活用し、国際社会における啓発でも協力していきたい旨述べました。
     イ これに対し、ソック・チェンダ副首相は、これら3つにおける日本のこれまでの支援に謝意を述べるとともに、カンボジア政府の開発戦略である五角形戦略に則ったものであり、上下水道の発展、デジタル社会の発展、連結性の強化としてシハヌークビル港の地域の中核港及び物流拠点としての発展を重視している、また、世界の地雷対策において日本と協力していきたい旨述べ、3つの新たな協力アプローチについての支持が表明されました。両外相は、カンボジアの持続性強化と更なる社会的価値の共創に向けて、協力していくことで一致しました。
     ウ その他、両外相は、カンボジアの民主的発展や経済関係の強化についても、意見交換を行いました。
  2. ODA案件署名式
     上川大臣とソック・チェンダ副首相は、以下の交換公文に署名しました。
    (1)国道五号線改修計画(スレアマアム-バッタンバン間及びシソポン-ポイペト間(第三期)
    (2)人材育成奨学計画

カンボジア王国へ戻る