報道発表
ALPS処理水の取扱いに関する安全面のレビューの一環としての作業員の内部被ばくモニタリングにおける裏付けに関するIAEA報告書の公表
令和7年3月25日
3月24日、国際原子力機関(IAEA)は、「東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の取扱いに関する安全面のレビュー:内部被ばくモニタリングの裏付け」についての報告書を公表しました。本報告書は、ALPS処理水の取扱いに携わる作業員の内部被ばく線量を評価することを目的に、東京電力が実施する、放射能測定の能力を裏付けるために調査を実施し、結果をとりまとめたものです。
- 本調査は、IAEAとの間で2021年(令和3年)7月に署名されたALPS処理水の取扱いの安全面のレビューに関する付託事項(TOR)に基づき実施されているものです。
- 今回公表された報告書においては、IAEAの研究所及び東京電力を含む参加分析機関が内部被ばく線量を評価するためのバイオアッセイ(生物学的試験)を行い、分析値の比較を行っています。比較結果に基づき、以下の結論が述べられています。
- 東京電力は、測定精度と技術力において高いレベルを示している。
- 分析手順は、技術的に有効な結果を得るために必要な適切な基準に従っている。
- ALPS処理水の海洋放出の安全性について、信頼性や透明性を確保し、国内外の一層の理解を醸成していく上で、原子力分野で国際的権威のあるIAEAによる独立したレビューは極めて重要です。日本政府は、ALPS処理水に対する国内外の一層の理解が得られるよう、今後ともしっかりと取り組んでいきます。
(参考1)ALPS処理水
ALPS処理水とは、ALPS(多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System))等により、トリチウム以外の放射性物質の濃度が確実に安全規制基準を満たすよう処理された水である。海洋放出に当たっては、海水により十分に希釈されるため、トリチウムを含む放射性物質の濃度は、安全規制基準をはるかに下回る。
(参考2)関連リンク
- IAEAプレスリリース(英語)
- IAEA報告書(英語)(PDF)
- 東京電力福島第一原発におけるALPS処理水の安全性レビューに関するIAEA包括報告書(英語)(PDF)
令和5年7月4日に公表された包括報告書は、IAEAによるALPS処理水の海洋放出開始前の一連のレビューを総括するもの。 - ALPS処理水の取扱いに関する安全面のレビューの一環として職業上の外部被ばくモニタリングにおける裏付けに関するIAEA報告書の公表
昨年11月11日に公表された本報告書は、ALPS処理水の取扱いに携わる作業員の外部被ばく線量を評価することを目的に、IAEAが調査を実施し、結果をとりまとめたもの。