報道発表
松本外務大臣政務官のコートジボワール共和国訪問(結果)
12月14日から18日まで、松本尚外務大臣政務官はコートジボワール共和国を訪問したところ、概要は以下のとおりです。
1 第3回日・アフリカ官民経済フォーラムへの出席
- 12月16日、松本政務官は、コートジボワール共和国のアビジャンにおいて開催された第3回日・アフリカ官民経済フォーラムに参加しました。本フォーラムは、2016年の第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)の際に、安倍総理大臣(当時)により立ち上げが表明されたもので、日本とアフリカの民間企業の協力とアフリカにおける日本企業のビジネス活動の促進を目的に、官民関係者が参加し、意見交換を行うものです。
- 今回のフォーラムには、我が国からは松本政務官のほか、大串正樹経済産業省副大臣、加留部淳日本経済団体連合会アフリカ地域委員長、井出達也経済同友会中東・アフリカ委員長ら企業関係者、共催国(ホスト国)コートジボワールからはロベール・マンベ=ブグレ・コートジボワール共和国首相を含む複数の閣僚が出席しました。また、アフリカ諸国から約20名の閣僚級を含め40か国が参加するとともに、政府やスタートアップミッション参加企業5社を含む企業関係者が参加し、約1,000名規模のフォーラムとなりました。
- 松本政務官は、同フォーラムにおいて、来年(2025年)に日本で行われるTICAD 9及び大阪・関西万博について発信しました。その中で、日本が立ち上げ、以来30年以上にわたり進めてきたTICADプロセスに関し、本年8月のTICAD閣僚会合における取組について紹介しました。また、来年8月20から22日に横浜で行われるTICAD9は、アフリカと革新的な課題解決策を共創することを目指し、各国国家元首や政府、ビジネス、国際機関、そしてNGOの各関係者が日本で一同に会す場として、参加者全員にとって大きなチャンスとなることを強調しました。さらに、来年4月に開幕する大阪・関西万博に関し、アフリカからも多くの国に参加表明を頂いていることを歓迎する旨述べました。
2 コートジボワール要人との会談
アドム・外務・アフリカ統合・在外自国民大臣
16日、松本政務官はカク・ウアジャ・レオン・アドム・コートジボワール共和国外務・アフリカ統合・在外自国民大臣(H.E. Mr. Kacou Houadja Léon ADOM, Minister of Foreign Affairs, African Integration and Ivorians Abroad of the Republic of Côte d’Ivoire)と会談しました。
まず、松本政務官から、本年8月の東京でのTICAD閣僚会合に同大臣に参加・訪日いただいたことに加え、今回の日・アフリカ官民経済フォーラム開催にあたってのコートジボワール政府の多大な協力に感謝する旨述べました。また、日本企業によるコートジボワールへの期待が高まっている中で、透明なビジネス環境を維持することの重要性について強調しました。さらに、国連安保理改革等の国際場裡における協力について議論を行いました。
これに対し、アドム大臣からは、第3回日・アフリカ官民経済フォーラムをホストできたことは喜ばしく、これをきっかけにさらに多くの日本企業による投資が行われることに期待する旨発言がありました。
最後に、両者は、ロシアによるウクライナ侵略、北朝鮮情勢への対応、その他東アジアの情勢を含む様々な課題についても議論を行うとともに、両国の間で、自由、民主主義、法の支配といった価値観に基づき連携していくことで一致しました。
3 フォーラムに参加した第三国要人との会談
(1)ナベ・ギニア計画・国際協力大臣
16日、松本政務官は、イスマエル・ナベ・ギニア共和国計画・国際協力大臣(H.E. Mr. Ismaël NABÉ, Minister of Planning and International Cooperation of the Republic of Guinea)と会談を行いました。
松本政務官から、国産米の生産性向上に向けた技術協力や漁港の整備、公衆衛生研究所の建設、インフラ整備等、多岐にわたる分野における両国の協力関係に言及しつつ、今後の更なる二国間関係強化を見据え、早期の民政移管、政治的安定の実現に向けたギニアの取組を引き続き後押ししていきたい旨述べました。
これに対し、ナベ大臣から、日本による様々な支援について感謝が示されるとともに、日本企業によるインフラの質の高さについて言及しつつ、ギニアの社会開発プログラムに日本企業が関心を持つことへの期待が示されました。また、ギニアの民政移管に向けた動きについて説明がなされました。
両者は、国連安保理改革、ロシアによるウクライナ侵略、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮への対応を始めとする国際情勢についても意見交換を行い、今後も二国間及び国際場裡での協力関係を強化していくことで一致しました。
(2)サンブ・ギニアビサウ経済・計画・地域統合担当大臣
16日、松本政務官は、ソアレシュ・サンブ・ギニアビサウ共和国経済・計画・地域統合担当大臣(H.E. Mr. Soares SAMBU, Minister of Economy, Planning and Regional Integration of the Republic of Guinea-Bissau)との会談を行いました。
松本政務官から、食料安全保障分野等における二国間の協力関係に触れ、今後、民間分野も含めた更なる関係強化を期待する旨述べました。
これに対し、サンブ大臣から、ギニアビサウによる西アフリカ地域及び国際場裏での平和と安定のための取組について説明がなされるとともに、要人の往来の活発化を含め日・ギニアビサウ間の二国間関係を強化していきたい旨述べました。
両者は、国連安保理改革、ロシアによるウクライナ侵略、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮への対応を始めとする国際情勢についても意見交換を行い、来年8月のTICAD 9を見据え、今後も二国間及び国際場裡での協力関係を強化していくことで一致しました。
(3)ンゲノレ・モーリタニア経済・財務大臣付予算担当大臣
16日、松本政務官は、コディオロ・ムッサ・ンゲノレ・モーリタニア・イスラム共和国経済・財務大臣付予算担当大臣(H.E. Dr. Codioro Moussa N’GUENORE, Minister Delegate to the Minister of Economy and Finance, Responsible for the Budget of the Islamic Republic of Mauritania)との会談を行いました。
松本政務官から、サヘル地域にあってモーリタニアが安定した国家運営を維持していることに対する敬意を表すとともに、日本の支援がモーリタニアの水産資源の持続可能な開発及び若者や女性の雇用創出に寄与することに期待する旨述べました。
これに対し、ンゲノレ大臣から、漁業調査船建造計画等の漁業支援分野における日本の協力への謝意が表明され、これらがモーリタニアのバリューチェーン向上につながることへの期待が示されるとともに、同国の安全性やビジネス環境を魅力として、今後海水淡水化事業を含む様々な分野での日本企業の参画を期待する旨述べました。両者は、国連安保理改革、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮への対応を始めとする国際情勢についても意見交換を行い、来年8月のTICAD 9を見据え、今後も二国間及び国際場裡での協力関係を強化していくことで一致しました。
(4)アコロザ・中央アフリカ貿易・産業担当大臣
16日、松本政務官は、ティエリー・パトリック・アコロザ中央アフリカ共和国貿易・産業担当大臣(H.E. Mr. Thierry Patrick AKOLOZA, Minister in charge of Trade and Industry of the Central African Republic)との会談を行いました。
松本政務官から、国内和平の進展や人道状況の改善に向けた中央アフリカの取組に敬意を表するとともに、食料安全保障、水、公衆衛生、保健、女性の能力強化等に関する人道支援、国際機関を通じた安定化プログラム等を通じて、引き続き同国の安定化に向けた協力を行っていく旨述べました。
これに対し、アコロザ大臣から、中央アフリカが危機に直面する中での経済社会開発や和平に向けた取組について説明がなされました。また、同国では特に経済の多角化及び産業化を促進しており、特にインフラやエネルギー分野などにおける日本の支援や投資に期待する旨述べました。
両者は、国際情勢についても意見交換を行い、来年8月のTICAD 9を見据え、今後も二国間及び国際場裡での協力関係を強化していくことで一致しました。
4 経済・開発協力・文化案件の視察等
本フォーラムに先立ち、12月15日、松本政務官は、日本の支援で建設した安倍晋三/日本・コートジボワール友好交差点を訪問し、成長著しいアビジャンの交通の円滑化に寄与していることを確認しました。
また、同日、日本の支援で建設や改修を実施したコートジボワール国内最大規模の病院であるココディ大学病院の新母子保健棟を視察しました。また、コートジボワールに進出する日本企業関係者と懇談し、コートジボワールのビジネス環境の現状について聴取するとともに、経済交流を一層促進するための課題等について意見交換を行いました。
さらに、16日、松本政務官はフェリックス・ウフエ=ボワニ大学の日本語教育・日本研究振興センター(ジャパン・コーナー)を訪問し、バロ学長他関係者と面会し、同センターでの授業や日本文化振興の取組等について説明を受けたほか、日本語学習に励む生徒との意見交換を行いました。