報道発表
堀井外務副大臣のセネガル共和国訪問(結果)
11月27日から28日まで、堀井巌外務副大臣は、セネガル共和国を訪問し、「第9回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム」に出席するとともに、セネガル及び第三国要人への表敬、会談等を行ったところ、概要は以下のとおりです。

(1)11月27日、堀井副大臣は、第9回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラムに出席し、マッキー・サル・セネガル共和国大統領、モハメド・ウルド・ガズワニ・モーリタニア・イスラム共和国大統領、ジェラルド・マルティンス・ギニアビサウ共和国首相とともに開会式に参加してスピーチを行い、続くハイレベルパネルにおいて質疑応答に参加しました。

(2)堀井副大臣は、激動する国際情勢の中で、ロシアによるウクライナ侵略による食料・エネルギー価格の高騰や気候変動などの要因が、アフリカにおける社会の不安定性を助長し、テロや紛争の原因ともなっていることに触れつつ、サヘル地域情勢に対応するために、ECOWASを中心に一体となって問題の解決に向けて努力するアフリカの取組を後押しするとともに、サヘル地域とギニア湾沿岸諸国の安定化に貢献すべく、西アフリカ諸国と協力しつつ取り組んでいくことを表明しました。
また、国際社会におけるアフリカ諸国の役割が増大していることを踏まえ、日本が、国連安保理やG20など、様々な国際的な枠組におけるアフリカの代表性の向上を支持してきていることを紹介するとともに、本年のG7議長国、更に本年及び明年の国連安保理の非常任理事国として、アフリカ諸国の声に耳を傾けながら、アフリカと共に考え、より良い解決策を共創するパートナーとして取り組んでいくと呼びかけました。
更に、日本が1993年に立ち上げ本年30周年を迎えたアフリカ開発会議(TICAD)の取組を紹介し、来年東京で開催されるTICAD閣僚会合、そして2025年に横浜で開催するTICAD9を見据えつつ、人間の尊厳に基づく国際協力、若者を含む人への投資を始め長期的視野に立った日本らしいきめ細やかな取組などを通じて、アフリカの平和と安定の達成に向けたアフリカとの連携・協力を一層推進していくことを表明しました。

(1)サル・セネガル大統領
11月27日、堀井副大臣は、マッキー・サル・セネガル共和国大統領(H.E. Mr. Macky SALL, President of the Republic of Senegal)を表敬しました。
サル大統領から、ダカール国際フォーラムに対する日本の長年の支援や、保健、農業、教育など多様な分野における日本の開発協力に感謝を述べるとともに、石油・天然ガス分野での協力も継続していきたいとの意向を示しました。
これに対し堀井副大臣から、昨年8月のTICAD8における共同議長としてのサル大統領の貢献に対する感謝の意を伝達するとともに、セネガルのイニシアティブにより開始されたダカール国際フォーラムが、今回で第9回目を迎えることを含め、サル大統領の取組に敬意を表しました。また、昨年12月のサル大統領訪日の成果を具体化するよう、開発、ビジネス、人的交流等における協力などにおいて緊密に連携していきたい旨伝達しました。両者は、二国間協力に加え、日・アフリカ関係の更なる強化に向けて共に取り組んでいくことで一致しました。

(2)ファル・セネガル外務・在外自国民大臣
11月27日、堀井副大臣は、イスマイラ・マジョール・ファル・セネガル共和国外務・在外自国民大臣(H.E. Pr. Ismaïla Madior FALL, Minister of Foreign Affairs and the Senegalese Abroad of the Republic of Senegal)と会談を行いました。
堀井副大臣から、昨年12月のサル大統領訪日時に発表された「日・セネガル共同声明」のフォローアップを始め、2024年のTICAD閣僚会合、2025年のTICAD9及び大阪・関西万博、2026年のダカール・ユース・オリンピック競技大会の機会も活用し、両国の交流深化も含め二国間協力を一層強化したい旨伝達しました。
これに対し、ファル大臣から、日本がTICADの枠組みを通じて行ってきている協力に敬意を表するとともに、両国がこれまでも二国間のみならず国際場裡においても相互に協力し合う関係を築いてきていることに言及しました。
両者は、国際場裡における協力として、国連安保理改革、ロシアによるウクライナ侵略が国際秩序に及ぼす影響、イスラエル・パレスチナ情勢、透明かつ公正な開発金融の重要性、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応等について議論を行い、こうした問題の解決に向けて、国際法の遵守が重要であるとの認識で一致しました。

(3)ユム・セネガル国防大臣
11月27日、堀井副大臣は、エル・ハジ・オマール・ユム・セネガル共和国国防大臣(H.E. Mr. El Hadji Omar YOUM, Minister for the Armed Forces of the Republic of Senegal)と会談を行いました。
堀井副大臣から、セネガルが民主主義の強固な信念に基づき、地域で一体となって問題の解決に向けて努力するアフリカの取組を主導していることを評価している旨述べると共に、両国の安全保障分野での協力を一層強化すべく、セネガル側と共に取り組んでいきたい旨述べました。
これに対し、ユム大臣から、一例として海上安全保障や防災等の分野における日本との協力を通じて、日本が持つ知見や高い技術を学んでいきたいとの意欲を伝達しました。両者は、セネガルひいてはアフリカの安定化に向けた両国間の更なる協力の可能性を探っていくことで一致しました。

(1)ガズワニ・モーリタニア大統領
11月27日、堀井副大臣は、モハメド・シェイク・エル・ガズワニ・モーリタニア・イスラム共和国大統領(H.E. Mr. Mohamed Cheikh El GHAZOUANI, President of the Islamic Republic of Mauritania)を表敬しました。
堀井副大臣から、サヘル地域の情勢にも関わらずモーリタニアが安定した国家運営を維持していることに対する敬意を表すと同時に、地域の安定化に向けた連携と両国間の多様な分野での協力関係の深化を期待する旨述べました。
これに対し、ガズワニ大統領から、日本からの長年にわたる支援への謝意が示され、両国の友好関係及び様々な分野で協力を更に強化していきたい旨述べました。両者は、今後も二国間及び国際場裡での協力関係を強化していくことで一致しました。

(2)マルティンス・ギニアビサウ首相
11月27日、堀井副大臣は、ジェラルド・マルティンス・ギニアビサウ共和国首相(H. E. Mr. Geraldo MARTINS, Prime Minister of the Republic of Guinea-Bissau)を表敬しました。
堀井副大臣から、本年6月の国民議会選挙が平和裡に行われたことを歓迎しつつ、ギニアビサウの安定への期待を述べました。また、法の支配・ガバナンスや食料安全保障等の分野を始めとし、引き続きギニアビサウの安定と開発課題の解決に向け、協力していきたい旨述べました。
これに対し、マルティンス首相から、日本は、ギニアビサウの開発プロセスにおいて、存在感のあるパートナーである旨述べるとともに、日本の貢献に謝意を表明しました。両者は、2024年のTICAD閣僚会合、2025年のTICAD9を見据え、一層両国間の協力を強化していくことで一致しました。
(1)11月27日、堀井副大臣は、セネガルに進出する日系企業関係者等と懇談し、セネガルのビジネス環境の現状について聴取するとともに、貿易・投資を一層促進するための課題や日本政府の役割等について意見交換を行いました。
(2)11月28日、堀井副大臣は、セネガルで活動するJICA専門家及び青年海外協力隊員等と懇談し、セネガルにおける開発課題や、水産、保健等の分野における日本の協力等について意見交換を行いました。


(3)また、同日、堀井副大臣は、約40年にわたりセネガル及び周辺国の人材育成に貢献してきたセネガル日本職業訓練センター(CFPT)を訪問し、同センターが果たしている役割や実績等について関係者から説明を受けました。


(4)11月28日、堀井副大臣は、国立保健医療・社会開発学校(ENDSS)を訪問し、無償資金協力「国立保健医療・社会開発学校(ENDSS)母子保健実習センター建設計画」の完工式に参加し、スピーチを行いました。スピーチでは、本事業がTICAD8で表明した人への投資を重視する日本の協力哲学を体現するものであること、ENDSSがセネガルのみならず、アフリカ諸国の人材育成にも貢献するような保健人材育成の拠点となることへの期待を表明しました。完工式には、セネガル政府からバルデ高等教育・研究・イノベーション大臣等も参加し、堀井副大臣と挨拶を交わし、堀井副大臣に対して、日本の支援に対する本センター建設への謝意を伝達しました。